ケイチャン
【2024年92冊目】
今回ご紹介する一冊は、
東野圭吾 著
『クスノキの女神』です。
もくじ
【感想】「未来に幸せなんて、ない」
想いを伝える巨大なクスノキの霊木
その番人が繋いだ
言えない秘密を抱えた少女と
過酷な運命を持つ少年の物語です
ケイチャン
少女と少年の健気な想いに、心が震えちゃう!
このシリーズのコンプセプトは
ココロ繋がるハートフルストーリーですが
そこは東野圭吾作品、ミステリー要素が
しっかりと練り込まれています
強盗傷害事件が発生!
あっさりと捕まる容疑者の男だが
どうやら実行犯ではないようだ
そして何かを隠しているらしい・・
ケイチャン
真犯人は誰だ?
いっぽうクスノキの番人を務める
玲斗(れいと)くんの元に頻繁に訪れる
年若い友人たちがいました
自作の詩集の販売をお願いしにきた
高校2年生の佑紀奈(ゆきな)ちゃん
難病の母親を助け、幼い弟妹を育てる
ザ健気!と言うべき美少女です
ケイチャン
・・200円の詩集を売って、家計を助ける!
もういっぽうが、玲斗くんが伯母と訪れた
認知症カフェで出会った、元哉(もとや)くん
脳腫瘍手術の後遺症で重度の記憶障害があり
1度寝るとその日の記憶を全て忘れてしまう
絵が得意なのだが自分の将来に悲嘆している
・・記憶のない僕には、未来もないんだ
悩める2つの孤独な魂が繋がれたとき
新しい物語が作られるのでした
認知症や記憶障害がテーマの1つである本作
だんだんと悪化してゆく認知症の伯母や
記憶障害に絶望感を覚え、なげやりになる
元哉くんの姿が、悲しい
ケイチャン
彼らにどんな言葉をかければいいのか?
そんな時に出会い、協力してゆく
元哉くんと佑紀奈ちゃん
物語を作るという共通の夢に向かって
顔を輝かせるように夢中になる様子に
暖かい気持ちになります
ケイチャン
協力してやりたいという、親心がムクムクとわく
ケイチャン
朗読会のシーンを会社で昼食中に読んでたんですけど
僕はこらえられず泣いちゃいました
感涙です
いっぽうで傷害事件の真犯人を追う警察が
だんだんと近づいてくる・・
自然と子供たちを守ろうとする
玲斗くんや周りの大人たちが、心強い
当初はレ・ミゼラブルのジャベールのように
冷酷そうに見えた刑事の中里さんですが
途中でゴロっと印象が変わります
ただ犯人を捕まえるだけではない
なにがあったか真相を突き止めて
最適確の解決策を探るんだ!
少年と少女の健気なココロが
杓子定規になりがちな
警察の心を動かすんです
まーまー冷酷な結末が多い
東野圭吾作品では珍しい
ハートフルなエンディングに
安心して読めました
期待して読んだ本が
期待以上の満足をもたらす本作
ケイチャン
東野圭吾作品らしい人情味と
らしくないハートフルな展開に
あなたもきっと、感涙することでしょう
作品紹介(出版社より)
少女と少年には秘密があった——。
不思議な力を持つクスノキと、その番人の元を訪れる人々が織りなす物語。
累計100万部突破! 待望のシリーズ第2弾!神社に詩集を置かせてくれと頼んできた女子高生の佑紀奈には、玲斗だけが知る重大な秘密があった。
一方、認知症カフェで玲斗が出会った記憶障害のある少年・元哉は、佑紀奈の詩集を見てインスピレーションを感じる。
玲斗が二人を出会わせたところ瞬く間に意気投合し、思いがけないプランが立ち上がる。
不思議な力を持つクスノキと、その番人の元を訪れる人々が織りなす物語。
待望のシリーズ第二弾!
作品データ
タイトル:『クスノキの女神』
著者:東野圭吾
出版社:実業之日本社
発売日:2024/5/23
作家紹介
東野 圭吾(ひがしの・けいご)
1958年大阪府生まれ。
1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。
1999年『秘密』で、第52回日本推理作家協会賞を受賞。
2006年には『容疑者Xの献身』で、第134回直木賞を受賞した。
他著に、『超・殺人事件』『白夜行』『手紙』『赤い指』など多数。
東野 圭吾の作品紹介
『放課後』
『秘密』
『容疑者Xの献身』
『超・殺人事件』
『白夜行』
『手紙』
『赤い指』
『魔力の胎動』 2018/3/23
『沈黙のパレード』2018/10/11
『クスノキの番人』2020/3/17
『白鳥とコウモリ』2021/4/7
『透明な螺旋』2021/9/3
『マスカレード・ゲーム』2022/4/20
『魔女と過ごした七日間』2023/3/17
『あなたが誰かを殺した』2023/9/21
『クスノキの女神』2024/5/23
…他多数