ケイチャン
【2024年84冊目】
今回ご紹介する一冊は、
恩田陸 著
『spring スプリング』です。
もくじ
【感想】「歓喜と高揚が、世界をかたどる」
僕たちは神への供物
喜んでこの身を捧げよう
その神の名は・・バレエ
天才たちの軌跡を描く物語です
15歳で世界に見つかる少年がいた
主人公の萬春(よろず はる)くんです
ドイツの名門バレエ学校に留学し
ダンサー兼振付師として活躍する
物語はそんな彼が成長する様子を
彼の友人、叔父、幼馴染みと
語り手を変えて進んでゆく
それは1人の天才の能力が
開花してゆく過程でした
主人公の春くんに
負けず劣らないのが
ダンサー仲間たちです
実直な深津純(ふかつ じゅん)
エキゾチックなハッサン
女王様然としたヴァネッサ
王子さまのフランツ
魅力的なライバルたちと
切磋琢磨をかさねて
春はさらなる高みへと昇りゆく
そこで彼が見る世界のカタチとは
どんな風景なのだろうか?
著者前作のピアノ小説『蜜蜂と遠雷』の
バレエ版とでもいう本作
ケイチャン
素晴らしい、ホントに素晴らしい!
心は躍り胸は高鳴るストーリー展開で
バレエは生はもちろん、映像でもあまり
観たことがないのですが・・
心に浮かぶんだ、
踊る姿が
さすがベテラン作家の恩田陸
見事な筆力で、僕らをバレエの客席まで
誘ってくれます
ケイチャン
・・特等席からの観覧ですねw
恩田陸らしい耽美さもあり
とくにBL好きな方には
たまらん展開があります
バレエを言語化するという難事を
見事に成す本作
ケイチャン
踊ることによって心像を具現化する
春のセカイに
あなたも行ってみませんか?
作品紹介(出版社より)
自らの名に無数の季節を抱く無二の舞踊家にして
振付家・萬(よろず)春(はる)。
少年は八歳でバレエに出会い、十五歳で海を渡った。
同時代に巡り合う、踊る者 作る者 見る者 奏でる者――
それぞれの情熱がぶつかりあい、
交錯する中で彼の肖像が浮かび上がっていく。
彼は求める。舞台の神を。憎しみと錯覚するほどに。
一人の天才をめぐる傑作長編小説。
作品データ
タイトル:『spring』
著者:恩田陸
出版社:筑摩書房
発売日:2024/3/22
作家紹介
恩田陸(おんだ・りく)
1964年宮城県出身。早稲田大学卒。
1992年日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。
2005年『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞受賞。
2006年『ユージニア』で日本推理作家協会賞受賞。
2007年『中庭の出来事』で山本周五郎賞受賞。
2017年『蜜蜂と遠雷』で直木賞と2度目の本屋大賞をそれぞれ受賞。
ホラー、SF、ミステリーなど、さまざまなタイプの小説で才能を発揮している。
著書に、『三月は深き紅の淵を』『光の帝国常野物語』『ライオンハート』『私と踊って』『夜の底は柔らかな幻』『スキマワラシ』『灰の劇場』などがある。
恩田陸の作品紹介
『六番目の小夜子』(1998/8/1)
『球形の季節』(1994/4/1)
『不安な童話』(1994/11)
『三月は深き紅の淵を』(1997/10)
『象と耳鳴り』(1999/10/1)
『木曜組曲』(1999/11)
『月の裏側』(2000/3/1)
『ネバーランド』(2000/7/5)
『麦の海に沈む果実』(2000/7/25)
『上と外』(2000年8月)
『puzzle』(2000/10/1)
『ライオンハート』(2000/12/1)
『MAZE』(2001/2/1)
『ドミノ』(2001/7/27)
『黒と茶の幻想』(2001/12)
『図書室の海』(2002/2/22)
『劫尽童女』(2002/4/1)
『ロミオとロミオは永遠に』(2002/10)
『ねじの回転』(2002/12)
『蛇行する川のほとり』(2002/12)
『まひるの月を追いかけて』(2003/9/11)
『クレオパトラの夢』(2003/10/1)
『黄昏の百合の骨』(2004/3/5)
『禁じられた楽園』(2004/4/21)
『Q&A』(2004/6)
『夜のピクニック』(2004/7/31)
『夏の名残りの薔薇』(2004/9/25)
『ユージニア』(2005/2/3)
『蒲公英草紙– 常野物語』(2005/6/3)
『ネクロポリス』(2005/10/13)
『エンド・ゲーム– 常野物語』(2006/1/5)
『チョコレートコスモス』(2006/3/15)
『中庭の出来事』(2006/11/29)
『朝日のようにさわやかに』(2007/3/1)
『木洩れ日に泳ぐ魚』(2007/7/1)
『いのちのパレード』(2007/12)
『不連続の世界』(2008/7/1)
『きのうの世界』(2008/9)
『ブラザー・サンシスター・ムーン』(2009/1/23)
『訪問者』(2009/5/14)
『六月の夜と昼のあわいに』(2009/6)
『私の家では何も起こらない』(2010/1/6)
『夢違』(2011/11/12)
『私と踊って』(2012/12/1)
『夜の底は柔らかな幻』(2013/1)
『雪月花黙示録』(2013/12/25)
『かがみのなか(2014/7/21)
『EPITAPH東京』(2015/3/6)
『ブラック・ベルベット』(2015/5)
『消滅 – VANISHINGPOINT』(2015/9)
『タマゴマジック』(2016/3/1)
『蜜蜂と遠雷』(2016/9/23)
『七月に流れる花』(2016/12/20)
『八月は冷たい城』(2016/12/20)
『終りなき夜に生れつく』(2017/2/20)
『失われた地図』(2017/2/10)
『錆びた太陽』(2017/3/21)
『おともだちできた?』(2017/6/30)
『祝祭と予感』(2019/10/4)
『歩道橋シネマ』(2019/11/20)
『ドミノin上海』(2020/2/4)
『スキマワラシ』(2020/8/5)
『灰の劇場』(2021/2/16)
『薔薇のなかの蛇』(2021/5/26)
『愚かな薔薇』(2021/12/23)
『なんとかしなくちゃ。青雲編』(2022/11/7)
『鈍色幻視行』( 2023/05/26)
『夜果つるところ』( 2023/06/26)
『夜明けの花園』(2024/1/31)
『spring』2024/3/22