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ケイチャン
ハッピーニューイヤー♪
【2023年1冊目】
新年初ご紹介する一冊は、
真梨幸子著
『さっちゃんは、なぜ死んだのか?』です。
もくじ
【感想】「さっちゃんて誰?未来のキミさ」
イヤミスですが
イヤ~な、というよりは
キモチワル~イ、感じのする
キモミスとでも言うべき物語です
街中の公園でホームレスの老女が殺された
公賀沙知(くが さち)の死を調べるのは
何故かあまり関係のない人たち笑
彼らはさっちゃんの死に
なぜ惹きつけられたのか?
調べるうちに浮かび上がる
さっちゃんの来し方とは
バブルがはじけて
就職氷河期に突入し
非正規雇用ばかりになってしまった
沈みゆく現代の日本の姿と
リンクしているようでした
ひとつのつまずきから
ズルズルと滑り落ち
社会の底辺で行き止まってしまう
さっちゃんたち
そこで迎える死は
ひたすら物悲しい
物語は語り部たちを替えては
さっちゃんの転落の姿を
描いていきます
真梨幸子の登場人物は
信頼のできない語り部で
自分の都合の悪いことは言わず
自分の都合の良いことしか言わない
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ケイチャン
言いたい放題なんですけど
それがかえって滑稽で
救いようないストーリー展開を
くすりと笑わせてくれます
真梨幸子作品にしては
毒が薄い感じの本作ですが
ひとつのつまずきで
人生が詰んでゆく過程が
あり得そうで恐ろしかったです
歪んでいる印象なんですね
執着がすごいっていうか
ラストシーンが執着心ゆえの
破壊的なエンディングで
うおッ、キモっ!ってなります
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濃いエスプレッソを飲んだような
苦い読後感が
後を引きます
作品紹介(出版社より)
ホームレスの女性が、公園で殺害されているのが発見された。犯人も動機も不明。彼女はなぜ、殺されたのか? 事件に興味をもったフリーターの女性が、不思議な縁で、被害者の人生に潜む嘘をひとつひとつ暴き、真実に近づいていく。巧妙な罠と高速で展開するストーリーに、いつの間にか目が離せなくなる。そして、ある瞬間に気づく。#さっちゃんはあなただったかもしれない #さっちゃんはわたしだったかもしれない
作品データ
タイトル:『さっちゃんは、なぜ死んだのか?』
著者:真梨幸子
出版社:講談社
発売日:2022/11/9
作家紹介
真梨幸子(まり・ゆきこ)
1964年宮崎県生まれ。
2005年『孤虫症』で第32回メフィスト賞を受賞しデビュー。
2011年に文庫化された『殺人鬼フジコの衝動』が累計60万部を超えるベストセラーに。
他に『5人のジュンコ』『人生相談。』『初恋さがし』『坂の上の赤い屋根』『縄紋』『フシギ』など多数の著書がある。
真梨幸子の作品紹介
『孤虫症』(2008/10/15)
『えんじ色心中』(2014/9/12)
『女ともだち』(2012/1/17)
『深く深く、砂に埋めて』(2011/8/12)
『クロク、ヌレ!』(2012/10/16)
『殺人鬼フジコの衝動』(2011/5/7)
『ふたり狂い』(2016/10/7)
『みんな邪魔』(2011/12/6)
『カンタベリー・テイルズ』(2015/11/13)
『パリ警察1768』(2021/3/11)
『プライベートフィクション』(2012/9/6)
『あの女』(2015/4/22)
『インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実』(2012/11/2)
『おひとり様作家、いよいよ猫を飼う。』(2019/4/10)
『鸚鵡楼の惨劇』(2015/7/7)
『人生相談。』(2017/7/14)
『5人のジュンコ』(2016/6/3)
『お引っ越し』(2017/11/25)
『アルテーミスの采配』(2018/2/7)
『6月31日の同窓会』(2019/2/7)
『私が失敗した理由は』(2019/9/13)
『イヤミス短篇集』(2016/11/15)
『カウントダウン(2017/2/25)
『祝言島』(2017/7/26)
『ご用命とあらば、ゆりかごからお墓まで 万両百貨店外商部奇譚』(2018/1/25)
『向こう側の、ヨーコ』(2018/4/19)
『ツキマトウ 警視庁ストーカー対策室ゼロ係 』(2018/7/27)
『初恋さがし』(2019/5/20)
『三匹の子豚』(2019/8/29)
『坂の上の赤い屋根』(2019/11/22)
『縄紋』(2020/6/2)
『聖女か悪女』(2020/11/20)
『フシギ』(2021/1/22)
『まりも日記』(2021/6/17)
『一九六一 東京ハウス 』(2021/12/22)
『初恋さがし』(2022/2/28)
『シェア』(2022/3/23)
『さっちゃんは、なぜ死んだのか?』(2022/11/9)
『ノストラダムス・エイジ』(2023/08/09)
『教祖の作りかた』2024/5/22