【感想】『赤と青とエスキース』青山美智子|一瞬の恋の煌めきを、永遠に閉じ込めた1枚の絵

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赤と青とエスキース|青山美智子

ケイチャン

ケイチャン

【2022年43冊目】

今回ご紹介する一冊は、

青山美智子 著

『赤と青とエスキース』です。

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【感想】「一瞬の恋の煌めきを、永遠に閉じ込めた1枚の絵」

1枚の絵画が巡る
それに関係した人々を描く群像劇です

スタートはオーストラリアのメルボルン
留学生の女子大生レイと、現地に住む日系人ブーの
出会いから物語は進みます

自意識が高いのに臆病者の2人
レイの留学期間1年だけ付き合うという
『期間限定の恋人』という保険をかけて
交際は始まるが、楽しい時間はあっという間
お別れの日まで、あと数日となった時

「一瞬の恋の煌めきを、永遠に閉じ込めた1枚の絵」

ブーの友人ジャックの絵のモデルとなるレイ
描かれる間、見つめ合うレイとブー・・
ひりひりとするような緊迫のシーンです
沈黙の中、自問自答する2人
そして気が付く、相手も同じ気持ちであると

2人の感情の高まりに呼応するように
ジャックが1枚の傑作を仕上げる
それが本書のタイトルでもある
エスキース(絵画)です

第1章ではレイとブーの交際が続くことを
暗示して終わります

第2章は額縁製作者の仕事について

第3章は師匠と弟子について

第4章は元カレについて

それぞれジャックが描いた1枚のエスキースが
関連して物語が進みます

そして、いよいよ最後のエピローグ
ふふッ、このエピローグがこの作品のキモなんです
仕掛けは、あざといぐらいが気持ち良い
各章の点としての場面が
一つの線として繋がる気持ち良さ

あなたもきっと
うわぁ、そうだったのか!
と、驚くことでしょう

作品紹介(出版社より)

2021年本屋大賞2位『お探し物は図書室まで』の著者、新境地にして勝負作!

 メルボルンの若手画家が描いた1枚の「絵画(エスキース)」。

 日本へ渡って30数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく――。

 2度読み必至! 仕掛けに満ちた傑作連作短篇。

 
●プロローグ
●一章 金魚とカワセミ メルボルンに留学中の女子大生・レイは、現地に住む日系人・ブーと恋に落ちる。彼らは「期間限定の恋人」として付き合い始めるが……。
●二章 東京タワーとアーツ・センター 30歳の額職人・空知は、淡々と仕事をこなす毎日に迷いを感じていた。そんなとき、「エスキース」というタイトルの絵画に出会い……。
●三章 トマトジュースとバタフライピー 漫画家タカシマの、かつてのアシスタント・砂川が、「ウルトラ・マンガ大賞」を受賞した。雑誌の対談企画のため、二人は久しぶりに顔を合わせるが……。
●四章 赤鬼と青鬼 パニック障害が発症し休暇をとることになった51歳の茜。そんなとき、元恋人の蒼から連絡がきて……。
●エピローグ 水彩画の大家であるジャック・ジャクソンの元に、20代の頃に描き、手放したある絵画が戻ってきて……。

作品データ

タイトル:『赤と青とエスキース』
著者:青山美智子
出版社:PHP研究所
発売日:2021/11/10

作家紹介

青山美智子(あおやま・みちこ)

1970年生まれ、愛知県出身。横浜市在住。
大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。
2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る。
第28回パレットノベル大賞佳作受賞。
デビュー作『木曜日にはココアを』が第1回宮崎本大賞を受賞。
同作と2作目『猫のお告げは樹の下で』が未来屋小説大賞入賞。
『お探し物は図書室まで』が、2021年本屋大賞で2位を獲得。
ほかの著書に『鎌倉うずまき案内所』『ただいま神様当番』など。

青山美智子の作品紹介

『ビューティフルレイン』(2012年9月)
『マザーズ– 僕には3人の母がいる』(2016年7月)
『カインとアベル』(2016年11月)
『小説 あなたのことはそれほど』(2017年6月)
『木曜日にはココアを』(2017年9月)
『猫のお告げは樹の下で』(2018年9月)
『鎌倉うずまき案内所』(2019年7月)
『ただいま神様当番』(2020年7月)
『お探し物は図書室まで』(2020年11月)
『月曜日の抹茶カフェ』(2021年9月)
赤と青とエスキース』(2021年11月)

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