【感想】『月の立つ林で』青山美智子|離れていても同じ月が僕らを照らす

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月の立つ林で|青山美智子

ケイチャン

ケイチャン

【2023年9冊目】

今回ご紹介する一冊は、

青山美智子 著

『月の立つ林で』です。

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【感想】「離れていても同じ月が僕らを照らす」

懸命に生きる人々を描く
群像現代小説です

もう心がポッキリ折れちゃいそう
ままならない今を生きる僕らは
挫折と失望の連続です
でもそんな僕らを照らす
月が今宵も空に浮かぶんだ

見えないけれど繋がっている
そんな5人を主人公とした
連作です
か細く繋がる糸が見え隠れするのが楽しい

「離れていても同じ月が僕らを照らす」

年代も性格も異なる5人
同じなのが悩みです
それが人との繋がり
現代に生きる僕ら
共通の悩みに共感できます

物語はポッドキャストで月の話を
配信するタケトリ・オキナに
導かれるように穏やかにすすみ
やがて収束します

ちょっぴり寂しいのに
優しくてほんのりと甘い
そんな青山美智子の魅力が
100%詰まった物語でした

甘すぎず
ほんのりと香るような
絶妙なバター加減の
クッキーのような本

今夜僕が月を見上げている時
ひょっとしたら
あなたも同じ月を
見ているのかもしれませんね

作品紹介(出版社より)

似ているようでまったく違う、
新しい一日を懸命に生きるあなたへ。

最後に仕掛けられた驚きの事実と
読後に気づく見えない繋がりが胸を打つ、
『木曜日にはココアを』『お探し物は図書室まで』
『赤と青とエスキース』の青山美智子、最高傑作。

長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家。

つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』だった。
月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの思いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく――。

作品データ

タイトル:『月の立つ林で』
著者:青山美智子
出版社:ポプラ社
発売日:2022/11/7

作家紹介

青山美智子(あおやま・みちこ)

1970年生まれ、愛知県出身。横浜市在住。
大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。
2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る。
第28回パレットノベル大賞佳作受賞。
デビュー作『木曜日にはココアを』が第1回宮崎本大賞を受賞。
同作と2作目『猫のお告げは樹の下で』が未来屋小説大賞入賞。
『お探し物は図書室まで』が、2021年本屋大賞で2位を獲得。
ほかの著書に『鎌倉うずまき案内所』『ただいま神様当番』など。

青山美智子の作品紹介

『ビューティフルレイン』(2012年9月)
『マザーズ– 僕には3人の母がいる』(2016年7月)
『カインとアベル』(2016年11月)
『小説 あなたのことはそれほど』(2017年6月)
『木曜日にはココアを』(2017年9月)
『猫のお告げは樹の下で』(2018年9月)
『鎌倉うずまき案内所』(2019年7月)
『ただいま神様当番』(2020年7月)
『お探し物は図書室まで』(2020年11月)
『月曜日の抹茶カフェ』(2021年9月)
赤と青とエスキース』(2021年11月)
『マイ・プレゼント』(2022年07月)
いつもの木曜日』 (2022年8月)
『月の立つ林で』 (2022年11月)

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