『ブーズたち鳥たちわたしたち』江國香織 あらすじと感想|森羅万象は、繁殖を求めている

【2026年35冊目】
今回ご紹介する一冊は、
江國香織 著
『ブーズたち鳥たちわたしたち』です。
「ここではないどこか」を感じたい
あらすじと感想
極上のクラムチャウダーを求めて
ブーズと出会う、恵理加
聞こえない音を聞く、秋介や真昼たち
3章からなる境界の狭間の物語です

こんな突拍子ない話を思いつくなんて、江國香織は天才でまちがいない!
まず、みなさんが思うこと、それは
ブーズってなんだろう?ですよね
ブーズの正体を知って僕は
びっくりしました
⚠注意!!以下どデカい、ネタバレとなります
ブーズは、カッパです

え!河童あ??
江國香織と河童が・・結びつかない(笑
しかし驚きはこれで終わらないのだ
2章の『鳥たち』では天狗が出現し
3章の『わたしたち』は、お狐様が登場する
いったい僕らは何を読まされているのだろうか・・
アメリカのロードアイランドに移住した
日本の河童たちという設定に驚く
いったいなにをどう考えたらこんな
奇妙奇天烈な筋書きが思いつくのだろう?

江國香織・・スゴ過ぎる
想像がついて行かないのは
設定だけではありません
各章に登場する人物たちの
思考と行動も、思い寄らないもの
登場人物の行動が、まるで読めない
さらに河童や、天狗の意志
そして神がかった、お狐様も
この混沌とした物語に入ってくる
てんやわんやかと思えば
そうではない

瑞々しい文体が、僕は大好き
さてたくさんの人物が登場し
それぞれに進む物語がどう
結末するかと心配しますが
なんとエンディングで美しく
まとまるのです

物語の構成も、天才的!
まるで先の読めない展開を
わくわくして読み進む、愉悦
神意に触れた人々の幸いに
めくるめく思いがしました
独特な江國ワールドの
真骨頂というべき一冊

読後の余韻も良く、全力でおススメしたい本です

あなたは河童とお友達になれますか?
作品紹介(出版社より)
極上のクラムチャウダーをたべるためにロードアイランド州を訪れた恵理加。レストランですばらしい食事とワインを堪能した彼女だったが、それ以上に興味を惹かれたのが、ルークという不思議なウェイターで……「ブーズたち」 ある日、秋介や真昼は、スマートフォンの電源を切っているのに着信音が聞えたり、深夜眠っている寝室で、イスラムの祈りの声が聞えてきたり――「ここにないはずの音」が自分にだけに聞こえるようになっていた。「鳥たち」 心療内科医のさやかは、最近幻聴が聞こえる患者が増えていることが気になっていた。が、それよりも彼女には、差し迫った問題があった。そろそろ妻子持ちの恋人と別れようとしていたタイミングで妊娠が発覚したのだ……「わたしたち」
作品データ
タイトル:『ブーズたち鳥たちわたしたち』
著者:江國香織
出版社:角川春樹事務所
発売日:2025/12/15
作家紹介
江國 香織(えくに・かおり)
1964年東京都生まれ。
1987年「草之丞の話」で「小さな童話」大賞受賞。
1989年「409ラドクリフ」でフェミナ賞受賞。
1992年『こうばしい日々』で坪田譲治文学賞受賞。
1992年『きらきらひかる』で紫式部文学賞受賞。
1999年『ぼくの小鳥ちゃん』で路傍の石文学賞受賞。
2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞受賞。
2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞受賞。
2007年『がらくた』で島清恋愛文学賞受賞。
2010年『真昼なのに昏い部屋』で中央公論文芸賞受賞。
2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞受賞。
2015年『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』で谷崎潤一郎賞を受賞。
2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞受賞。さらに島清恋愛文学賞、中央公論文芸賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞を受賞。
近作に『去年の雪』『ひとりでカラカサさしてゆく』など。詩作のほか、海外の絵本の翻訳も多数。
父はエッセイストの江國滋。
江國香織の作品紹介
『つめたいよるに』(1996/5/29)
『こうばしい日々』(1995/5/30)
『綿菓子』(1993/10/1)
『きらきらひかる』(1994/5/30)
『温かなお皿』(1993/6/1)
『ホリー・ガーデン』(1998/3/2)
『なつのひかり』(1999/5/20)
『流しのしたの骨』(1999/9/29)
『落下する夕方』(1999/7/5)
『ぼくの小鳥ちゃん』(2001/11/28)
『すいかの匂い』(2000/6/28)
『神様のボート』(2002/6/28)
『冷静と情熱のあいだ Rosso』(2001/9/25)
『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』(2003/6/20)
『ウエハースの椅子』(2004/5/1)
『ホテルカクタス』(2004/6/17)
『江國 香織とっておき作品集(2001/8/1)
『東京タワー』 (2006/2/28)
『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』(2005/2/18)
『いつか記憶からこぼれおちるとしても』(2005/11/1)
『号泣する準備はできていた』(2006/6/28)
『スイートリトルライズ』(2006/8/1)
『思いわずらうことなく愉しく生きよ』(2007/6/1)
『間宮兄弟』(2007/11/6)
『赤い長靴』(2008/3/7)
『すきまのおともだちたち』(2008/5/20)
『ぬるい眠り』(2007/2/28)
『がらくた』(2010/2/26)
『左岸 上』(2012/2/17)
『雪だるまの雪子ちゃん』(2013/11/28)
『真昼なのに昏い部屋』(2013/2/15)
『抱擁、あるいはライスには塩を 上』(2014/1/17)
『抱擁、あるいはライスには塩を 下』(2014/1/17)
『金米糖の降るところ』(2013/10/8)
『犬とハモニカ』(2014/12/22)
『ちょうちんそで』(2015/5/28)
『はだかんぼうたち』(2016/1/23)
『扉のかたちをした闇』(2016/11/29)
『なかなか暮れない夏の夕暮れ』(2017/2/10)
『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』(2017/11/7)
『物語のなかとそと』(2018/3/20)
『なかなか暮れない夏の夕暮れ』(2019/8/8)
『江國香織童話集』(2018/2/27)
『彼女たちの場合は』(2019/5/2)
『去年の雪』(2020/2/28)
『ひとりでカラカサさしてゆく』(2021/12/20)
『シェニール織とか黄肉のメロンとか』2023/9/15
『川のある街』2024/2/7
『外の世界の話を聞かせて』2026/2/26
『ブーズたち鳥たちわたしたち』2025/12/15


