【感想】『シェニール織とか黄肉のメロンとか』江國香織|誤解のパズルを楽しむ日々

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シェニール織とか黄肉のメロンとか|江國香織

ケイチャン

ケイチャン

【2024年47冊目】

今回ご紹介する一冊は、

江國香織 著

『シェニール織とか黄肉のメロンとか』です。

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【感想】「誤解のパズルを楽しむ日々」

日常小説

かつて若かった3人娘は
歳をとって時間を経ても
変わらない・・
女友達の友情を描く物語です

賑やかな居候がやって来た!

ちょっと同居させてよ
そう言ってロンドンから帰って来た
友人との居候生活がスタートします
それはパーティの始まりでした♪

賑やかな居候という
最高のスパイスが加わって
民子(たみこ)さんの毎日は輝きだす
・・でも私の寝室を取っちゃうなんて
まったく理枝(りえ)らしいわ笑

おしゃべりで社交的な理枝さんは
持ち前の行動力でどんどん周囲を
巻き込んでゆく、3人娘のもう1人
常識人な主婦の早希さんも加わって
大学生だったあの頃のような
親密な関係が復活するのでした

「誤解のパズルを楽しむ日々」

シェニール織と黄肉のメロンという
変わったタイトルに目を引かれます
印象と違うもの
誤解していたもの
という意味で本書では使われています

誤解のパズルを積み上げて
え!違ったの~?笑
とガラガラと崩してゆく
それをキャッキャと楽しむような
印象が残りました

楽しい本です

また江國香織の美しい文章が素晴らしい
踊るような言葉選びにステップを踏むように
ページをめくってしまいました
ホントに大好き

50代は人が老いゆき
悩みも多い年ごろと聞きます

そんな中でも日々の生活から
輝きを見出し仲間と共有する
楽しさが描かれる本書は
いつまでも友達って、イイね♪
と改めて感じました

ひとりでは気が付かなくとも
みんなとなら気付く喜びが
毎日に隠れているんだ・・
あなたも誰かと一緒に
それを探してみませんか?

作品紹介(出版社より)

かつての「三人娘」が織りなす幸福な食卓と友情と人生に乾杯!作家の民子、自由人の理枝、主婦の早希。そして彼女たちをとりまく人々の楽しく切実な日常を濃やかに描く、愛おしさに満ち満ちた物語。江國香織〝心が躍る〟熱望の長編小説。 「会わずにいるあいだ、それぞれ全然べつな生活を送っているのに――。会うとたちまち昔の空気に戻る」――作家の民子は、母の薫と静かなふたり暮らし。そこに、大学からの友人・理枝が、イギリスでの仕事を辞めて帰国し、家が見つかるまで居候させてほしいとやってきた。民子と理枝と早希(夫とふたりの息子がいる主婦)は、学生時代「三人娘」と呼ばれていた大の仲良し。早速、三人で西麻布のビストロで、再会を祝しておいしい料理とワインを堪能しながら、おしゃべりに花が咲いて……

作品データ

タイトル:『シェニール織とか黄肉のメロンとか』
著者:江國香織
出版社:角川春樹事務所
発売日:2023/9/15

作家紹介

江國 香織(えくに・かおり)

1964年東京都生まれ。
1987年「草之丞の話」で「小さな童話」大賞受賞。
1989年「409ラドクリフ」でフェミナ賞受賞。
1992年『こうばしい日々』で坪田譲治文学賞受賞。
1992年『きらきらひかる』で紫式部文学賞受賞。
1999年『ぼくの小鳥ちゃん』で路傍の石文学賞受賞。
2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞受賞。
2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞受賞。
2007年『がらくた』で島清恋愛文学賞受賞。
2010年『真昼なのに昏い部屋』で中央公論文芸賞受賞。
2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞受賞。
2015年『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』で谷崎潤一郎賞を受賞。
2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞受賞。さらに島清恋愛文学賞、中央公論文芸賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞を受賞。
近作に『去年の雪』『ひとりでカラカサさしてゆく』など。詩作のほか、海外の絵本の翻訳も多数。
父はエッセイストの江國滋。

江國香織の作品紹介

『つめたいよるに』(1996/5/29)
『こうばしい日々』(1995/5/30)
『綿菓子』(1993/10/1)
『きらきらひかる』(1994/5/30)
『温かなお皿』(1993/6/1)
『ホリー・ガーデン』(1998/3/2)
『なつのひかり』(1999/5/20)
『流しのしたの骨』(1999/9/29)
『落下する夕方』(1999/7/5)
『ぼくの小鳥ちゃん』(2001/11/28)
『すいかの匂い』(2000/6/28)
『神様のボート』(2002/6/28)
『冷静と情熱のあいだ Rosso』(2001/9/25)
『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』(2003/6/20)
『ウエハースの椅子』(2004/5/1)
『ホテルカクタス』(2004/6/17)
『江國 香織とっておき作品集(2001/8/1)
『東京タワー』 (2006/2/28)
『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』(2005/2/18)
『いつか記憶からこぼれおちるとしても』(2005/11/1)
『号泣する準備はできていた』(2006/6/28)
『スイートリトルライズ』(2006/8/1)
『思いわずらうことなく愉しく生きよ』(2007/6/1)
『間宮兄弟』(2007/11/6)
『赤い長靴』(2008/3/7)
『すきまのおともだちたち』(2008/5/20)
『ぬるい眠り』(2007/2/28)
『がらくた』(2010/2/26)
『左岸 上』(2012/2/17)
『雪だるまの雪子ちゃん』(2013/11/28)
『真昼なのに昏い部屋』(2013/2/15)
『抱擁、あるいはライスには塩を 上』(2014/1/17)
『抱擁、あるいはライスには塩を 下』(2014/1/17)
『金米糖の降るところ』(2013/10/8)
『犬とハモニカ』(2014/12/22)
『ちょうちんそで』(2015/5/28)
『はだかんぼうたち』(2016/1/23)
『扉のかたちをした闇』(2016/11/29)
『なかなか暮れない夏の夕暮れ』(2017/2/10)
『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』(2017/11/7)
『物語のなかとそと』(2018/3/20)
『なかなか暮れない夏の夕暮れ』(2019/8/8)
『江國香織童話集』(2018/2/27)
『彼女たちの場合は』(2019/5/2)
『去年の雪』(2020/2/28)
ひとりでカラカサさしてゆく』(2021/12/20)
シェニール織とか黄肉のメロンとか』2023/9/15

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