【感想】『悪魔のコーラス』モモコグミカンパニー|自分が1番で、自分だけが大切

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悪魔のコーラス|モモコグミカンパニー

ケイチャン

ケイチャン

【2024年46冊目】
今回ご紹介する一冊は、

モモコグミカンパニー 著

悪魔のコーラスです。

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【感想】「自分が1番で、自分だけが大切」

学園サスペンス

由緒正しいミッション学園が
なんだか気持ち悪い・・
違和感の正体を見たくないのに
見つめてしまうサイコサスペンスです

お母さん、合唱部に入りたくないよ・・

みなさんは合唱はお好きですか?
ジャイアンより音痴な僕は音楽の先生に
『口を開けても、声を出しちゃダメよ』
と指導されるも、大声で歌っちゃくらい
好きでした笑←一緒にやりたくない奴だw

この学校、おかしくない?

父親の死をきっかけに中学校を転校した
透花(とうか)ちゃん
誰もが羨む人気私立中学校だけど
気が進まないようすです

系列の高校に内部進学するには
内申点の高評価が必要です
そこで評価の基準となるのが
なぜかコーラスです

内申点を上げるために
ギスギスする級友たち
そして最も評価されるという
合唱部だが、ここは絶対におかしい!

学長が行う厳しく意味不明な指導
その娘が牛耳るクラスと合唱部
合唱部の小部屋には人犬がいるし
母もだんだんとおかしくなっている

この合唱部って、なんなんだ?

「自分が1番で、自分だけが大切」

当初からギスギスした雰囲気が漂う
透花ちゃんのクラス
仲良しの級長はいなくなってしまうし
後釜で新級長になった学長の娘は
やりたい放題です

かといって透花ちゃんの家庭も
崩壊しています
父は死に
母はだんだんとおかしくなり学長の
家に入り浸って帰ってこない

もう安心できるところなんて、ない

身も心も行き場を失った
透花ちゃんですが
心は折れていなかった
ついに暴かれる
学園の闇と父の死の真相
そしてクライマックスの
合唱会当日がやってくる

どいつもこいつも
自分だけが大切で
自分のことしか考えていません
身勝手な登場人物たちに
苛立ちが抑えられない

そんなに承認されたいのか?

承認欲求に突き動かされて
自己満足な行動を重ねて
事態を悪化させる登場人物たちに
同情出来ませんでした

イヤ~な気持ちのまま
エンディングを迎えて
モヤモヤ感が逆に心に残る
モヤサスペンスでした笑

誰に承認されずとも
自分で自分も認められる
そんな人間に
なりたいものですね

作品紹介(出版社より)

由緒あるミッション系中学へ転校してきた透花は、母との葛藤を抱えながら、合唱部の異様な活動に呑み込まれていくが―― 大ヒット『御伽の国のみくる』に続く渾身の青春サスペンス。

作品データ

タイトル:『悪魔のコーラス』
著者:モモコグミカンパニー
出版社:河出書房新社
発売日:2023/7/21

作家紹介

モモコグミカンパニー

2015年、BiSHのメンバーとして活動を開始。ヒット曲を連発して大人気グループとなる。
自ら手がける歌詞の評価も高く、2022年3月『御伽の国のみくる』で小説家デビュー。
作家業を本格始動している。  

モモコグミカンパニーの作品紹介


『目を合わせるということ』2018/3/7
『きみが夢にでてきたよ』2020/12/4
『御伽の国のみくる』2022/3/18
『目を合わせるということ』2022/8/24
悪魔のコーラス』2023/7/21
『解散ノート』2024/2/14

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