【感想】『本を守ろうとする猫の話』夏川草介|読書好きなら喝采をおくる冒険の物語

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本を守ろうとする猫の話|夏川草介

ケイチャン

ケイチャン

【2024年53冊目】
今回ご紹介する一冊は、

夏川草介 著

『本を守ろうとする猫の話』です。

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【感想】「読書好きなら喝采をおくる冒険の物語」

ファンタジー小説

祖父を失い無気力状態の僕に
トラネコが言うんだ・・
「お前の力を借りたい」と
愛するものの危機に立ち向かう
青春ファンタジーです

古書店ってなんだか懐かしいところ

お葬式のシーンから始まる
唯一の家族である祖父を失い
林太郎くんは茫然自失・・
一人ぼっちとなり寂しそう

叔母に引き取られ引っ越しするから
自然と今の高校は不登校になり
よりどころだった祖父の古書店
『夏木書店』とも別れることとなる

そんな時1匹の話すトラネコが現れるんだ

お前の力を借りたい・・
その言葉が異界の迷宮の扉を開く
危機におちいった本を救うために
林太郎くんは勇気を振り絞るんだ

「読書好きなら喝采をおくる冒険の物語」

本書のテーマはずばり
読書です
僕たちにとって本ってなに?
という興味深い命題を掘り下げます

祖父を失い
無気力だった林太郎くんだが
愛する本を守るために
3つの迷宮で対決します

それは本を読む自分を見つめるようでした
林太郎くんの言葉にウンウンそうだよね!
と思わずうなずいてしまう

そして青春といったら
恋愛ですよね笑
不登校の林太郎くんを心配する
委員長の柚木ちゃんも冒険に同行
するようになり2人の距離は近くなる

もう、付き合っちゃえよ!笑

そして最後の4つめの試練で
愛する本と大切な人を救うために
林太郎くんは心の声をふりしぼる
それは読書好きならみんな納得する
本を読む理由でした・・

物語の迷宮を彷徨うような
心躍るファンタジー
読書好きなら知っている
大切にされた古書の匂いが漂う
ノスタルジーを覚えました

本書を読み終えた後
あなたもきっと
お気に入りの本を
再読したくなるはずです

作品紹介(出版社より)

「お前は、ただの物知りになりたいのか?」


 夏木林太郎は、一介の高校生である。幼い頃に両親が離婚し、さらには母が若くして他界したため、小学校に上がる頃には祖父の家に引き取られた。以後はずっと祖父との二人暮らしだ。祖父は町の片隅で「夏木書店」という小さな古書店を営んでいる。その祖父が突然亡くなった。面識のなかった叔母に引き取られることになり本の整理をしていた林太郎は、書棚の奥で人間の言葉を話すトラネコと出会う。トラネコは、本を守るために林太郎の力を借りたいのだという。

お金の話はやめて、今日読んだ本の話をしよう--。

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作品データ

タイトル:『本を守ろうとする猫の話』
著者:夏川草介
出版社:小学館
発売日:2017/1/31

作家紹介

夏川草介(なつかわ・そうすけ)

1978年大阪府生まれ。信州大学医学部卒。長野県にて地域医療に従事。
2009年『神様のカルテ』で第10回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。同書で2010年本屋大賞第2位、映画化もされた。
他の著著に『神様のカルテ2』『神様のカルテ3』『神様のカルテ0』『本を守ろうとする猫の話』がある。

夏川草介の作品紹介

『神様のカルテ』2009/8/27
『神様のカルテ2』2010/9/28
『神様のカルテ3』2012/8/8
本を守ろうとする猫の話』2017/1/31
『新章 神様のカルテ』2019/1/31
『勿忘草の咲く町で ~安曇野診療記~』2019/11/28
『始まりの木』2020/9/25
『臨床の砦』2021/4/23
『レッドゾーン』2022/8/30
『スピノザの診察室』2023/10/27
『君を守ろうとする猫の話』2024/2/28

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