ケイチャン
【2024年119冊目】
今回ご紹介する一冊は、
朝倉秋成 著
『家族解散まで千キロメートル』です。
もくじ
【感想】「覆水盆に返らず」
タイムリミットは本日24時
盗まれたご神体を返すべく
山梨から青森まで、爆走せよ！
危機に奮闘する家族を描く物語です
あと３日で家族は解散します
子供たちは結婚しそれぞれ独立
古い実家は解体撤去するので
みんなでお引越し準備しなきゃね
なぜこんなものがここにある？
いやこんなことするのは親父に決まっている！
そう
この父親が家族の問題児なのです
以前、不倫騒動を起こしたあげく
ろくに働かなくなりすぐにどこかへ
行ってしまう役立たずです
そして盗難の前科がある・・
あれこれドタバタしながら
実家の山梨県からはるか青森県まで
車をぶっ飛ばす母親と子供たちだが
・・でも、
あれれ？あやしい車につけられてるぞ！
ええ？今度はパンクさせられちゃったよ！
なんと妨害を受ける家族たち
そしてだんだんと気が付いてくる
どうもおかしい・・ホントは父の
しわざじゃないようだよ？
あらゆる疑問を無理やり呑み込みながら
しかし、
家族を守るために車はひた走るのでした
タイムリミットがある
ロードノベルということで
とにかく勢いがあります
ケイチャン
背中を蹴っ飛ばされるような
ハラハラとしたスリルがたまらない
あの旅はなんだったのか？
主人公である次男の周(めぐる)君が
疑問を検証する後半から
家族を巡る旅が再び始まります
家族の問題児、ダメ親父・・
でも家族をダメにしたのは
みんなのせいじゃなかったのか？
その叫びに、うんうんと僕は同意する
ケイチャン
家族をやっていくには
ひとりひとりの不断の努力が
必要ですものね
家族ってなんだろう？
と、問いかける本作
ケイチャン
自分の家庭をもう一度
振り返る気付きを得ました
ケイチャン
さて
あなたの家族は
いかがでしょうか？
作品紹介（出版社より）
〈家族の嘘〉が暴かれる時、本当の人生が始まる。どんでん返し家族ミステリ
実家に暮らす29歳の喜佐周（きさ・めぐる）。古びた実家を取り壊して、両親は住みやすいマンションへ転居、姉は結婚し、周は独立することに。引っ越し3日前、いつも通りいない父を除いた家族全員で片づけをしていたところ、不審な箱が見つかる。中にはニュースで流れた【青森の神社から盗まれたご神体】にそっくりのものが。「いっつも親父のせいでこういう馬鹿なことが起こるんだ！」理由は不明だが、父が神社から持ってきてしまったらしい。返却して許しを請うため、ご神体を車に乗せて青森へ出発する一同。しかし道中、周はいくつかの違和感に気づく。なぜ父はご神体など持ち帰ったのか。そもそも父は本当に犯人なのか――？
作品データ
タイトル：『家族解散まで千キロメートル』
著者：朝倉秋成
出版社：KADOKAWA
発売日：2024/3/26
作家紹介
朝倉秋成（あさくら・あきなり）
1989年生まれ、小説家。関東在住。
第13回講談社BOX新人賞Powersを『ノワール・レヴナント』で受賞しデビュー。
2019年に刊行した『教室が、ひとりになるまで』で第20回本格ミステリ大賞と、第73回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門にWノミネート。
その他の著書に『フラッガーの方程式』『失恋の準備をお願いします』『九度目の十八歳を迎えた君と』など。
朝倉秋成の作品紹介
『失恋覚悟のラウンドアバウト』 2016/07/11
『教室が、ひとりになるまで』 2019/03/01
『九度目の十八歳を迎えた君と』2019/06/20
『九度目の十八歳を迎えた君と』2020/11/19
『失恋の準備をお願いします』 2020/12/15
『教室が、ひとりになるまで』2021/01/22
『六人の嘘つきな大学生』 2021/03/02
『フラッガーの方程式』 2021/04/23
『ノワール・レヴナント』 2021/09/18
『家族解散まで千キロメートル』2024/3/26