【感想】『落花流水』鈴木るりか |憧れの人が下着ドロボー!?

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落花流水|鈴木るりか

ケイチャン

ケイチャン

【2022年37冊目】

今回ご紹介する一冊は、

鈴木るりか 著

『落花流水』です。

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【感想】「憧れの人が下着ドロボー!?」

美しいタイトルに惹かれました
『落花流水』・・風雅な字面ですね
過ぎ行く春の季節や
男女が想い合うこと
そして・・
落ちぶれるという意味もあります

作者が現役の高校生ということでも
話題になったようです
女子というのは凄いですね
僕が高校生の時の男子なんてものは
人語を解す猿みたいな存在だったのに笑

さて主人公の水咲ちゃんには
幼少期から思う憧れの人がいました
優秀で優しいその人は
水咲の高校の先生でもあります

ある日目覚めると
彼の家にはたくさんのパトカーが
一体何事か!彼の身に何が?
動揺する水咲ちゃんの前で
手錠され連行される憧れの先生

「憧れの人が下着ドロボー!?」

そう憧れの人はパンツを盗んで捕まったのです
家宅捜査で押収された色とりどりのパンツ
その数なんと800枚!
こつこつと一日一枚盗んでも
2年2ヵ月かかる計算ですww

あまりの衝撃に現実逃避する水咲ちゃん
なんと言っても下着を盗むのは
あまりに恥ずかしい行為です
あまつさえその戦果品を
かぶったり、はいたりしていたら・・
ああ!わたしの初恋はどうなってしまうの?

優等生だった彼の姿を知る水咲ちゃんは
どうしたって信じることが出来ません
しかし人の本性なんてものは
外見からでは決してわかるものではない
だがそこまでの人生経験が無いのが
高校生というもんです

そこで水咲ちゃんは
全てを許すことにしたのです
誰にだって間違いはある
気の迷いだってある
許さなきゃダメぢゃないか!

そして起こす水咲ちゃんの行動は
許しを請い、罪を洗い流す儀式でした
中学校の白ヘルメットに
お遍路ばりの『同行二人』の紙を貼り
このイカレタ恰好で茅の輪くぐりをする水咲ちゃん
真剣です!

下着ドロボーの彼は自分の為に
こんな珍妙な祈りがされているとは
よもや思いもしないでしょう

自分の気持ちを相手に伝えるわけではない
徹頭徹尾、自己完結で終わるこの行動は
実に高校生らしいですね

モヤモヤする気持ちが晴れた水咲ちゃん
大学受験に向かって心を新たにします
そう、勉強こそ学生の本分
明るい空に向かって顔を上げるのでした

作品紹介(出版社より)

舞台は、とある地方都市。高校3年生となり、受験生の水咲。
ある朝、町中の尊敬を集める「先生一家」の門前にパトカーが何台も集まり大ニュースに。そこは昔から憧れの的だった、現在通う高校の生物教師の家でもある。水咲といつも一緒の幼なじみ・聖二と愛海も心配で駆けつけるが、手錠をかけられ警察に連行されて出てきたのはなんと憧れの生物教師だった!
その先生は幼い頃から水咲にとって特別な存在。先生をひたすら信じたい一心から水咲はまた別の事件にも巻き込まれてしまい……。
著者が現役受験生として受験勉強と並行して描いた、地方都市在住受験生の青春を描いた初恋小説。読後爽快、リアルな青春を鮮やかに描く。

作品データ

タイトル:『落花流水』
著者:鈴木るりか
出版社:小学館
発売日:2022/2/4

作家紹介

鈴木るりか(すずき・るりか)

2003年、東京都生まれ。
小学4年、5年、6年時に3年連続で、小学館主催の『12歳の文学賞』大賞を受賞。
2017年10月、14歳の誕生日に『さよなら、田中さん』でデビュー。
10万部を超えるベストセラーに。

鈴木るりかの作品紹介

『さよなら、田中さん』 (2017/10/17)
『14歳、明日の時間割』  (2018/10/17)
『太陽はひとりぼっち』 ( 2019/10/22)
『私を月に連れてって』 ( 2020/11/22)
落花流水』 ( 2022/02/09)

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