【感想】『教育』遠野遥|何のためにこんな勉強をするの?

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教育|遠野遥

ケイチャン

ケイチャン

【2022年38冊目】

今回ご紹介する一冊は、

遠野遥 著

『教育』です。

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【感想】「何のためにこんな勉強をするの?」

教育というタイトルで
お堅いマジメなお話かなと読んでみれば
ほぼセッ〇〇のお話でしたww

冒頭からアヤシイのだ!
AV女優の初体験のインタビューから始まるのですが
これが不穏で救いのない体験でして
この物語の行く末を黒く暗示します

『1日3回はオーガズムすること』
主人公の佐藤の学校が推奨することです
んん??って感じですよねww
そこで生徒は皆、セッ〇〇に明け暮れるのです
思春期の男子が夢見るような学園生活ですね

そしてこの学校のテストとゆーのが
超能力の開発
なんだ??って思いますよねww
カードを透視する数値で
進級など左右されます、皆真剣で必死です

エッチと超能力という
成人漫画の王道というべきストーリー展開ですが
物語は真面目に淡々と進んでゆくので
なんとなく、これでいいのかな?と思ってしまいます

そこが危ない!

人間というのは思った以上にタフな存在で
なんでも慣れてしまいます
戦場でも日々の日常があり
異常な事態にも慣れて生活してしまう

「何のためにこんな勉強をするの?」

徐々に重さを増す、異常な学園生活
権力を持つ教師
暴力にさらされる生徒やコーチ
だんだんとひび割れてゆく鏡が連想されます

主人公にもっとも近い女子の真夏(まなつ)
異常な学校生活にゆっくりと壊れてゆきます
ここの常識はおかしい、助けて!

だが佐藤はその手を払い
あまつさえ彼女を学校の者へ
引き渡すのだった

そう佐藤はあらゆる疑問をわきに追いやり
自らどっぷりと学校の価値観へ浸かる
ただここで
狭いここで
上へと昇るために・・

どういう世界観なのか?
学園生活の目的は?
カードテストの意味は?
あらゆる疑問はまるごと無視されます

どうやあッツ!自分で解釈しろやッ
とばかりに放り出される結末でしたが
僕はアリでしたね

なにせ僕らが生きるこの現実こそ
わけのわからないことばかり
多くの人が学校で学んだ価値観を
あまり疑問なく受け入れています

この物語とどれほどの差があるというのでしょうか?

そう思うと、この現実こそ
本当はいちばん恐ろしいんじゃないかと
あなたもそう思いませんか?

作品紹介(出版社より)

一日三回以上オーガズムに達すると成績が上がりやすいとされていて――。勝てば天国、負ければ地獄の、規律と欲望が渦巻く学校。私の幸せは、正しいのか? 人間の倫理を問う、芥川賞受賞第一作初長篇。

デビュー作『改良』で文藝賞、第2作『破局』で芥川賞、そして――
ようこそ、危険な学園へ。全人類、未体験の読後感!!

作品データ

タイトル:『教育』
著者:遠野遥
出版社:河出書房新社
発売日:2022/1/6

作家紹介

遠野遥(とおの・はるか)

1991年、神奈川県生まれ。
2019年『改良』で第56回文藝賞を受賞しデビュー。
2020年『破局』で第163回芥川龍之介賞を受賞。

遠野遥の作品紹介

『改良』(2019/11/14)
『破局』(2020/07/04)
教育 (2022/01/06)

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