【感想】『その午後、巨匠たちは、』藤原無雨|考えるな、感じて読め!

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その午後、巨匠たちは、|藤原無雨

ケイチャン

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【2022年39冊目】

今回ご紹介する一冊は、

藤原無雨 著

『その午後、巨匠たちは、』です。

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【感想】「考えるな、感じて読め!」

純文学

現代によみがえった6人の巨匠と
年をとらない不思議な女性の物語

神社に祭られるご神体
それは6人の画家であった
現代によみがえった巨匠たちが
新たな創作活動を始める時
静かな漁村に神力の変異が現れる

葛飾北斎
レンブラント
モネ
ダリ
ターナー
フリードリヒ

絵画史に燦然と輝く巨匠たちが登場します

物語は彼らを甦らせた
年をとらない女性、サイトウの視点から進みます

「考えるな、感じて読め!」

イキナリ、卵の中から甦る巨匠たちにも
んんッなんだっ!てな感じですが
このサイトウも相当不思議な存在です
なのであまり深く考えずに読むのが良いでしょうww

『キリストの昇天』の昇天力(昇天力ってなんだ?w)を動力にして
山へ登ってゆくトロッコなんて、完全に意味不明です
ふふ、でも絵画のチカラに引っ張られて
トロッコがガタゴトと走ってゆくなんて
童話のようで楽しいですね

さて現代に甦った巨匠たちの神力で活気を取り戻す町ですが
過ぎたるは猶及ばざるが如し
あまりに強い力で、常識が歪み、日常生活に支障を来す

どうすればよいか?

ならば、イケニエを捧げよ!

と、いたいけな少女を生き埋めにすることにします
なんじゃいッて展開ですね笑
生贄の少女は結局、ハニワ的な代用品で助かるのですが
ここから巨匠たちはちょっと厄介な存在へと変わってゆく

そして始まる
神殺し

サイトウの息子によって
ひとりまたひとりと
消滅してゆく巨匠たち

そして神々を失った町は
廃墟となった・・

正直、僕はこの物語が何を意味しているのか
まったくわかりませんでした笑
けれど感じるものがなかったわけではありません
理解不能な面白味があります

作品紹介(出版社より)

北斎、レンブラント、モネ、ダリ、ターナー、フリードリヒ、そして歳を取らない女・サイトウ。彼らは、救世主か? 破壊者か? 円城塔、歓喜! 驚愕の注釈小説の誕生。文藝賞受賞第一作。物語の新トリック・スターが贈る傑作。
注釈に次ぐ注釈が、物語を駆動するーー。

「はじめて小説を読んだときの当惑へ、文字を追いかける楽しさへ、言葉を知ったときの愉快さへ、あなたを連れ戻してくれる本」(円城塔)

町にふらりと現れて、空き家に棲み着いた、歳を取らない女・サイトウ。彼女が山の中に建てた神社が祀るのは、6人の巨匠画家ーー北斎、レンブラント、モネ、ダリ、ターナー、フリードリヒ。やがて町は、神様として現代に蘇った画家たちの描く絵画世界に染まっていくのだったが…。

デビュー作『水と礫』が「この10年ほどの純文学新人賞受賞作の中でも屈指」(栗原裕一郎)と評され、三島由紀夫賞候補となった著者が放つ、驚きの第2作。

作品データ

タイトル:『その午後、巨匠たちは、』
著者:藤原無雨
出版社:河出書房新社
発売日:2022/2/11

オーディオブックはこちら↓↓

作家紹介

藤原 無雨(ふじわら・むう)

1987年兵庫県姫路市生まれ。
2020年『水と礫』で第57回文藝賞を受賞。
マライヤ・ムー名義の共著『裏切られた盗賊、怪盗魔王になって世界を掌握する』がある。

藤原 無雨の作品紹介

『水と礫』(2020/11/13)
その午後、巨匠たちは、』(2022/02/11)

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