【感想】『心心 東京の星、上海の月』石田衣良| まだ何者でもない僕だが、君を守りたいんだ!

305 views
心心 東京の星、上海の月|石田衣良

ケイチャン

ケイチャン

【2022年68冊目】

今回ご紹介する一冊は、

石田衣良 著

『心心 東京の星、上海の月』です。

PR

【感想】「まだ何者でもない僕だが、君を守りたいんだ!」

青春小説

声優、大人気の職業ですね
アニメ業界の第一線で働くことを夢見て
渋谷にある専門学校に入学した、石森陽児(いしもりようじ)
そこで出会ったのが、特別な声を持つ
中国人留学生、陽心心(ヤンシンシン)でした

専門学校を卒業しても、声優事務所と契約できるのは
およそ5%ほどだそうです
そこでもプロとして食っていけるのは、ほんの一握り
そんなことわかっていても目指さずにはいられない!
『好き』っていう気持ちは尊いですね

厳しい業界に挑むため、レッスンに励む陽児
心心とも同じ班となり、共に協力する日々
まさに充実です!まさに青春なんです!
課題発表を経てぐっと距離が近くなる陽児ら1班の6名
しかし、ちょっと気がかりが・・
心心って、ちょっとオカシクない?

「まだ何者でもない僕だが、君を守りたいんだ!」

どことなく浮世離れしてる心心
まるでわざと貧乏苦学生を演じているかのような
そして彼女の周りをうろつく黒いスーツの男
心心?キミはいったい誰なんだ?

実は心心、中国の大手スマホ会社社長のご令嬢だったのです
その個人資産20兆円!
1国のお姫さま同様ともいえるでしょう
これは令和版ローマの休日なのか?
彼女の秘密を知った陽児は、心心を守ることを決意する
友情のために!

そして現れたのが、心心の伯父さん
副社長である彼は、陽児ら1班のメンバーを
これでもかと優遇します
高いメシを食わせ、有名なアニメ監督を紹介し
あげく彼が立ち上げたアニメ制作会社と契約しよう言う
一体これは何なんだ?

魅惑過ぎる伯父さんの提案に1班6名はもうグラグラです
なんせ狭き門の声優業、こんなチャンスは再び来ない
しかし魅力過ぎるがうえに、用心するメンバーたち
これはやはり、将を射んとする者はまず馬を射よ
なのだろう・・目的は心心だ!

そう心心が持つ会社の株式17%
これこそが伯父さんの目的なのでした
心心の父である社長と経営目標で対立していたんです
なんとしても娘(株を)とりこんでやる!

そして舞台は東京から上海へ
人口は東京の2倍!熱量、活気、溢れまくる
次代の世界の中心地となる超巨大都市で
陽児と心心の、青春と野望と恋の冒険が始まる!

声優を目指す、青春サクセスストーリーに
庶民生活に憧れる、プリンセスが登場し
アニメや漫画の小ネタもわんさか詰め込んだ
読みどころ満載の欲張りな1冊です

昨今は日中の政治関係が冷え込んでいて
中国に対してのネガティブな報道が主流となっています
この影響で無意識に中国を嫌う人が増えている気がします

しかし政治と我々個人は別モノ
本書では中国の人々の今の暮らしに触れており
そこで日本人と同じように悩み、喜び、幸福を感じる
僕らと同じニンゲンが肯定的に描かれています

僕も若かった学生時代に中国に行ったことがありました
暑い日にバックサックを背負って西安の田舎道を歩いていると
おじちゃんとおばちゃんがトラクターに乗っけてくれました
おばちゃんがデカい空豆をくれたんだけど
味がなくて歯が折れそうに固くって
でもあんな美味しい空豆は初めてだったなあ・・

みなさんにも中国の人々に親近感を覚えてもらいたいです

作品紹介(出版社より)

目指せ声優! 狙うは世界! 疾風怒濤の青春ストーリー!

「夢に向かって切磋琢磨する登場人物たちの姿に、まだ何者でもなかったあの頃の気持ちを思い出しました」 諏訪部順一さん推薦!

“特別な声”を持つ君と出会い、ぼくの人生はあざやかに変わった。

渋谷にある専門学校の声優科に入学した石森陽児は、上海からやってきたアニメ好き少女・陽心心と出会う。異国の地でひたむきに夢を追う彼女に惹かれながら、幼なじみの浩平、元高校球児の健太郎、子役あがりの遥、元キオスク女子の真琴といった年齢も出自も違う仲間たちとともに特訓の日々を送る。ある日の夜、浩平に誘われ帰宅する心心のあとを興味本位でつけたところ、彼女を見張る不審なクルマに気づく。心心が抱える秘密とは? そして彼女は何者なのか――?

作品データ

タイトル:『心心 東京の星、上海の月』
著者:石田衣良
出版社:KADOKAWA
発売日:2022/3/24

作家紹介

石田 衣良(いしだ・いら)

1960年東京生まれ。成蹊大学経済学部卒業。広告制作会社を経てフリーランスのコピーライターに。
1997年、「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、続篇3篇を加えた『池袋ウエストゲートパーク』でデビュー。
2003年『4TEEN』で直木賞受賞。
2006年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞受賞。
2013年『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞受賞。
著書に『スローグッドバイ』『アキハバラ@DEEP』『娼年』『美丘』『水を抱く』など多数。

石田 衣良の作品紹介

『池袋ウエストゲートパーク』(1998年9月)
『うつくしい子ども』(1999年5月)
『エンジェル』(1999年11月)
『少年計数機– 池袋ウエストゲートパーク2』(2000年6月
『赤・黒– 池袋ウエストゲートパーク外伝』(2001年2月)
『娼年』(2001年7月)
『波のうえの魔術師』(2001年8月)
『スローグッドバイ』(2002年5月)
『骨音– 池袋ウエストゲートパーク3』(2002年10月)
『4TEEN』(2003年5月)
『LAST』(2003年9月)
『電子の星– 池袋ウエストゲートパーク4』(2003年11月)
『1ポンドの悲しみ』(2004年3月)
『約束』(2004年7月)
『ブルータワー』(2004年9月)
『アキハバラ@DEEP』(2004年11月)
『反自殺クラブ– 池袋ウエストゲートパーク』5(2005年3月)
『東京DOLL』(2005年7月)
『てのひらの迷路(ショートショート集)』(2005年11月)
『ぼくとひかりと園庭で』(2005年11月)
『愛がいない部屋』(短編集)
『40 – 翼ふたたび』(2006年2月)
『夕日へ続く道』(2006年4月)
『眠れぬ真珠』(2006年4月)
『灰色のピーターパン– 池袋ウエストゲートパーク6』(2006年6月)
『下北サンデーズ』(2006年7月)
『美丘』(2006年10月)
『Gボーイズ冬戦争– 池袋ウエストゲートパーク7』(2007年4月)
『REVERSE リバース』(2007年8月)
『5年3組リョウタ組』(2008年1月)
『親指の恋人』(2008年1月)
『夜を守る』(2008年2月)
『逝年』(2008年3月)
『夜の桃』(2008年5月)
『光の国の姫』(2008年7月)
『非正規レジスタンス– 池袋ウエストゲートパーク8』(2008年7月)
『シューカツ!』(2008年10月)
『再生』(2009年4月)
『ドラゴン・ティアーズ 龍涙– 池袋ウエストゲートパーク9』(2009年8月)
『6TEEN』(2009年9月)
『チッチと子』(2009年10月)
『sex』(2010年3月)
『PRIDE– 池袋ウエストゲートパーク1』(2010年12月)
『明日のマーチ』(2011年6月)
『カンタ』(2011年9月)
『スイングアウト・ブラザース』(2012年1月)
『コンカツ?』(2012年4月)
『ラブソファに、ひとり』(2012年5月)
『北斗– ある殺人者の回心』(2012年10月)
『マタニティ・グレイ』(2013年2月)
『余命1年のスタリオン』(2013年5月)
『水を抱く』(2013年8月)
『憎悪のパレード– 池袋ウエストゲートパーク11』(2014年7月)
『キング誕生– 池袋ウエストゲートパーク青春篇』(2014年9月)
『オネスティ』(2015年1月)
『MILK』(2015年10月)
『西一番街ブラックバイト– 池袋ウエストゲートパーク12』(2016年8月)
『逆島断雄 進駐官養成高校の決闘編1』(2017年8月)
『逆島断雄 進駐官養成高校の決闘編2』(2017年9月)
『裏切りのホワイトカード– 池袋ウエストゲートパーク13』(2017年9月)
『爽年』(2018年4月)
『七つの試練– 池袋ウエストゲートパーク14』(2018年9月)
『不死鳥少年– アンディ・タケシの東京大空襲』(2019年2月)
『逆島断雄 本土最終防衛決戦編1』(2019年4月)
『逆島断雄 本土最終防衛決戦編2』(2019年5月)
『絶望スクール– 池袋ウエストゲートパーク15』(2019年9月)
『清く貧しく美しく』(2019年12月)
『獣たちのコロシアム– 池袋ウエストゲートパーク16(2020年9月)
『池袋ウェストゲートパーク ザ レジェンド』(2020年10月)
『初めて彼を買った日』(2021年1月)
炎上フェニックス』(2021年9月)
心心 東京の星、上海の月』(2022年3月)
『禁猟区』(2022年6月)


PR
カテゴリー:
関連記事