【感想】『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬|今読みたい戦争小説が、ここにある!

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同志少女よ、敵を撃て|逢坂冬馬

ケイチャン

ケイチャン

【2022年3冊目】

今回ご紹介する一冊は、

逢坂冬馬 著

『同志少女よ、敵を撃て』です。

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【感想】 「今読みたい戦争小説が、ここにある!」

第二次世界大戦の独ソ戦、大祖国戦争を描く戦場小説

ちょうどソ連の女性兵士を描いた物語
漫画版『戦争は女の顔をしていない』
を読み終えたところでした
こちらで予備知識も仕入れ
そう、僕は準備万端だったのです
セラフィマと共に
血と鉄の嵐吹く
地獄の戦地に赴くための!

モスクワ近郊の農村
人口100人に満たない
のどかな村
ドイツとの戦争は
始まっていたものの
戦火はまだ遠く
少女セラフィマは母と2人での
半農半猟の素朴な暮らしが
いつまで続くと思っていた
そう、あの日までは・・

ドイツ軍の小隊が村に来た
鳴り響く銃声
倒れる村民
抵抗するすべなく
親しい人は死者となり
懐かしき村は灰燼と化す

若く美しいセラフィマは
格好の餌食
ドイツ兵の凌辱に会わんとする
まさにその時
ひとりの女性兵士が現れる
それは救いの天使?
それとも地獄への使者なのか?

「今読みたい戦争小説が、ここにある!」

セラフィマを救った女性兵士イリーナ
彼女は歴戦の狙撃兵だった
イリーナはセラフィマに迫る
戦うか、死ぬか、選べと
絶望を復讐の糧と変え
セラフィマは立つ
戦場へと!

戦争の悲劇と高揚
仲間との絆と分かれ
恋と裏切り
そして圧倒的な、死

狙撃兵として
赫赫たる戦果を上げた
戦士セラフィマが見る
丘の上からの景色とは?

戦場ドラマの全てが
ここに描かれる

本書がデビュー作の逢坂冬馬
書きたい
伝えたい
読ませたい
そんな熱い想いが迫る
超力作です
アガサ・クリスティー賞を獲り
さらに直木賞候補になったようですが
僕は直木賞、行けちゃうと思いますね

あなたも戦場で
セラフィマの息を
すぐそばに感じるはず

作品紹介(出版社より)

第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。独ソ戦、女性だけの狙撃小隊がたどる生と死。

独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために……。同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵”とは?

作品データ

タイトル:『同志少女よ、敵を撃て』
著者:逢坂冬馬
出版社:早川書房
発売日:2021/11/17

作家紹介

逢坂冬馬 (あいさか・とうま)

1985年生まれ。埼玉県在住。
明治学院大学国際学部国際学科卒。
2021年本書『同志少女よ、敵を撃て』 で第11回アガサ・クリスティー賞を受賞してデビュー。

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逢坂冬馬の作品紹介

『同志少女よ、敵を撃て』 (2021年11月)

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