【本の感想】『死念山葬』朝倉広景|お山の描写が、怖すぎる!

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朝倉広景『死念山葬』を読んだ感想と松茸

ケイチャン

ケイチャン

【2024年157冊目】

今回ご紹介する一冊は、

朝倉広景 著

『死念山葬』です。

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【感想】「お山の描写が、怖すぎる!」

伝奇ホラー

行ってはならぬと言われていたのに
なぜ僕はあの山に行ってしまったのか?
呪われた山に、狙われた恋人たちを描く
怖い『お山』の物語です

死後の世界は、あるのだろうか・・

ケイチャン

ケイチャン

みなさんは霊感がありますか?
僕は死人が見えるどころか
生者の気持ちにすら気が付かない
無神経なヤツでして
怖いものを見たことがありません
・・ホラー大好きなのに残念です

殺し屋のアシスタントがお仕事

さてイキナリ、殺人現場からスタート
雇い主である殺し屋の仕事に嫌悪しつつも
死体の穴掘りをするしかない
訳アリな大学生、学(まなぶ)くんが
主人公です

弱みを握られて、仕方ないんだ

そんな彼に新たなるミッションが
死体を埋められる山があるらしい・・
そこは学くんの祖母が生まれ育ったところ
・・オマエ、ちょいと話をつけてきてよ・・

不本意ながら
その『お山』にある神社を調査すべく
霊感がある恋人の夢花(ゆめか)ちゃんと
向かったところ、案の定というかんじで
大問題が起こってしまう

お山に、呪われてしまった

霊感処女の夢花ちゃんが
お山に気に入られてしまった!
強力な呪いに抗えず
夢花は早晩、山で死に、その魂は
お山に食われるだろう

ケイチャン

ケイチャン

だから行っちゃダメだと言ったのに!

呪われた恋人を救うために
あらゆる手立てを講じてみるのだが
幾世代もの人々の呪いを溜め込んだ
お山は強すぎた

はたして2人は
愛する人を救うことができるのでしょうか?

「お山の描写が、怖すぎる!」

ケイチャン

ケイチャン

学くんはダメと言われたことを
やってしまうタイプの主人公で
・・だからダメって言ってるのに!
と、ツッコミながら笑ってしまいました

玉砕タイプの主人公です

その勢いのまま
なんと死んでしまう学くん
ここで主人公が交代
夢花ちゃんの出番です

ケイチャン

ケイチャン

死んでしまうとは情けない

夢花ちゃんもまた
怖い怖いと言いながらの
正面突破タイプの主人公で
お山の上で文字通りの
頂上決戦を繰り広げます

ラストはみんな大好きな
霊能バトルとなります

ケイチャン

ケイチャン

しかし本作の真の主人公は
『お山』でしょう

荒涼とした山頂にそびえる
2つの巨石
無数の骸骨が辺り一面に転がり
無風に回る、色とりどりの風車

プーくん

プーくん

ぶるるッ
怖いッ、怖いッ、怖いッッ!

ケイチャン

ケイチャン

想像するも恐ろしい風景が
脳内に広がり、僕は
おしっこをちびっちゃいそうでした
(汚くて、すいません)

ケイチャン

ケイチャン

恐ろしすぎる『お山』に
楽しく怖がれる
ツッコミどころ満載の
エンタメホラーでした

ケイチャン

ケイチャン

あなたもこの『お山』に
登頂してみませんか?

作品紹介(出版社より)

やむを得ない事情で、殺し屋の遺体運搬係となった日置学。浅木というその男の指示のもと、遺体を見捨てられた別荘地の奥に埋めてきたが、そこもそろそろ手狭だという。裏社会では、学の祖母の出身地にある山に遺体をこっそり処理できるという噂があり、浅木に命じられた学は恋人の夢花と共に、祖母が六十年以上前に出たきりの山奥の集落を訪れるが……。集落の神社で祀られている山の頂では、御神体とされる巨石と地面に刺さる無数の風車が異様な雰囲気を纏い二人を誘う。一度は東京に戻った二人だが、山に心を囚われた夢花を救うために学は再び彼の地に向かう。

作品データ

タイトル:『死念山葬』
著者:朝倉広景
出版社:東京創元社
発売日:2024/10/18

作家紹介

朝倉広景(あさくら・ひろかげ)

1984年東京都生まれ。東京学芸大学卒。
2012年『白球と爆弾』(13年の単行本刊行時に『白球アフロ』に改題)で第七回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞しデビュー。
2018年『風が吹いたり、花が散ったり』で第二十四回島清恋愛文学賞受賞。
2022年『あめつちのうた』で第一回ひょうご本大賞受賞。

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朝倉広景の作品

『白球アフロ』2013/3/12
『野球部ひとり』2014/7/30
『つよく結べ、ポニーテール』2014/12/10
『僕の母がルーズソックスを』2019/2/28
『あめつちのうた』2020/6/17
『エール 夕暮れサウスポー』2021/10/13
『風が吹いたり、花が散ったり』2017/6/21
『サクラの守る街』2023/5/17
死念山葬』2024/3/27