ケイチャン
【2024年147冊目】
今回ご紹介する一冊は、
山田宗樹 著
『鑑定』です。
もくじ
【感想】「心はコントロールができないもの」
感情をコントロールする機械
エモコン(エモーション・コントローラー)が
普及した日本で頻発する無差別テロは
『夢の国』のため??
ぶっ飛び説が展開する
ココロの物語です
ケイチャン
朝起きて、だるーい、気分乗らなーい
会社(学校)を休みたいなあ・・
と思い、悩む方に朗報です
・・エモコンがありますよ!
ケイチャン
天才的な発明ですね
ところがどうもおかしいぞ?
頻発する無差別テロ事件
その犯人が言うんだ
『夢の国』のためだって
そして彼らはみんな
エモコンの使用者だったんだ
こうして精神科医の葛西(かさい)は
エモコンとテロ事件の関係を追うのだ
いっぽうでエモコンの
利用者たちはどうだろう?
危険があると警鐘されつつも
どうにもならないココロを
落ち着かせるために
エモコンを使用し続けてしまう
わかっているけど
やめられない
ケイチャン
この気持ちは日々感情に
振り回されるみんなもわかるはず
友人の成功に嫉妬する
届かない恋心に煩悶する
負のココロと向き合うことは
辛い・・
そしてエモコンがテロの原因説では
精神科医の葛西さんが奥様の協力で
トンデモ説を展開してゆく
それが・・
精神ウイルス説です
山田宗樹作品らしい
ぶっ飛び説が展開されてゆくが
人類の進化に深くウイルスが
関わっているのは事実であり
ひょっとしたらアルのかも~
という気持ちになりました
ケイチャン
ココロの時代である
現在の不安感を
映す鏡のような本作
ぶっ飛び説も楽しめました
ケイチャン
でも、もし本当に
エモコンがあったのなら
心弱い僕は使ってしまいそうです
あなたは、どうですか?
作品紹介(出版社より)
精神科医・葛西幸太郎は、市長選の候補者に対する殺人未遂および放火の実行犯・犬崎理志の精神鑑定を担当していた。犯行を淡々と語る犬崎に、葛西はある違和感を抱く。精神状態が安定しすぎているのだ。犬崎の中に、本来の自我を麻痺させ、代わりに彼の精神を支配している〈なにか〉が存在するのではないか――。葛西が疑いを深める中、全国各地で不可解な動機による傷害・殺人事件が起こりはじめる……。
作品データ
タイトル:『鑑定』
著者:山田宗樹
出版社:角川春樹事務所
発売日:2024/9/3
作家紹介
山田宗樹(やまだ むねき)
1965年愛知県生まれ。1998年に『直線の視角』で第18回横溝正史賞を受賞しデビュー。
2003年に発表した『嫌われ松子の一生』は、映画、テレビと映像化され、大ヒット作となった。
他著作に『黒い春』『ジバク』『乱心タウン』『魔欲』などがあり、様々なジャンルのエンターテインメント作品を発表し続けている。
2012年には、不老技術が確立された近未来の日本を舞台に、生きる意味の本質、政治、国民のあるべき姿を問う大作『百年法』(上下刊)を刊行した。
山田宗樹の作品
『直線の死角 1998/05/01
『死者の鼓動』 1999/03/01
『黒い春』 2000/03/01
『嫌われ松子の一生』 2003/01/01
『天使の代理人』 2004/05/01
『聖者は海に還る』 2005/03/01
『ゴールデンタイム―続・嫌われ松子の一生』 2006/05/01
『ランチブッフェ』 2006/07/01
『ジバク』 2008/02/22
『人は、永遠に輝く星にはなれない』 2008/06/01
『魔欲』 2009/04/25
『乱心タウン』 2010/03/01
『百年法(上・下)』2012/07/28
『いよう!』2013/02/14
『ギフテッド』 2014/08/27
『代体』 2016/05/28
『きっと誰かが祈ってる』 2017/09/21
『人類滅亡小説』 2018/09/06
『SIGNAL シグナル』 2020/10/01
『存在しない時間の中で』 2021/08/10
『ヘルメス』 2023/08/21
『鑑定』2024/9/3