【感想】『孤立宇宙』熊谷達也 |いつの時代もボーイミーツガールが生きる花

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孤立宇宙|熊谷達也

ケイチャン

ケイチャン

【2022年136冊目】
今回ご紹介する一冊は、
熊谷達也 著
『孤立宇宙』です。

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【感想】「いつの時代もボーイミーツガールが生きる花」

近未来、小惑星の衝突を受けて人類は滅んだ
他星系に向かい宇宙船に乗った者と
地下シェルターに逃れた者を除いては・・
大災害のその後を描いたSF作品です

みなさんはエスエフは好きですか?
AIの一般シンギュラリティを目前にして
いよいよ宇宙とサイバースペースへの
進出も現実化するのか!と思うと
僕はワクワクしてしまうのですw
死ぬまでに僕は意識を電脳化して
サイバースペースで永遠に存在するんだww

さて本書の舞台は近未来
すでにシンギュラリティを過ぎ
人類の労働はAIにやってもらって
もう人生は楽園じゃん!
という時に降って来るのが小惑星でした

一転して人類は滅亡か?
そんな時に主人公レンくんの高校へ転校して来たのが
かつて幼い頃に恋心を抱いた少女アヤネちゃんでした

「いつの時代もボーイミーツガールが生きる花」

高校時代に一時交差したものの
再び別れの時を迎えた2人
アヤネは宇宙船に乗り込み
レンは地下シェルターに籠ります
宇宙と地球、永遠の別れに涙する2人

そして小惑星クシナダは地球に衝突し
・・120年の歳月が過ぎた

辛くもジャイアントインパクトを生き延びて
レンはシェルターで暮らしていました
どうやって?
肉体を冷凍保存し意識をコンピュータ内に
アップロードしてです

同じころアヤネの乗った宇宙船も
目的地の星に到着する
幸運なことに人類が居住するに
適した惑星の発見しほっとするアヤネたち
これで人類は滅亡から免れる・・

しかし運命は遥か遠く離れた2人を
再び繋ぐのでした
再度小惑星衝突の危機が訪れた地球を救うため
レンとアヤネは時空を超えて協力する・・
2人と地球の運命はいかに?

アルマゲドンやインターステラーなど
近年のSF映画の要素を積極的に取り込み
攻殻機動隊やエバンゲリオンなどの
アニメ要素も取り入れたような作品で
とても楽に世界観に入り込めました

でもやっぱり気に入ったのは恋愛の展開

永遠の恋人とも言うべきアヤネと
スタイル抜群ながらツンデレが残念な
同僚の美人パイロット・ミカとの三角関係が
ハラハラ♡でした笑

新海誠の『ほしのこえ』のような
時空を超えた恋愛展開ってのが
いいんですよね~

人類の滅亡よりも
アヤネとミカのどっちを選ぶかが
気になってしまう本作

宇宙に行っても
肉体を捨てサイバースペースで暮らしても
ニンゲンってあんまり
変らない気がします

作品紹介(出版社より)

小惑星の衝突で地殻、気象ほかあらゆる環境が破壊され、生存の危機に陥った人類は、他の星への移住を目指すものと世界各地のシェルターで生き残りをはかるものとにわかれた。
さらに、肉体のくびきから離れ、意識のサイバースペースへの移行が可能になった世界は、分断と孤立の中にあった。

著者初の本格的SF小説である本作には、自らのSF愛や映画愛が注ぎ込まれており、人類の起源に迫って宇宙にも飛び出す壮大なストーリーでありながら、決して読者を置き去りにしない深い人間ドラマが描かれている。

作品データ

タイトル:『孤立宇宙』
著者:熊谷達也
出版社:講談社
発売日:2022/8/31

作家紹介

熊谷達也(くまがい・たつや)

1958年宮城県仙台市生まれ。東京電機大学理工学部数理学科卒業。
1997年『ウエンカムイの爪』で第10回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。
2000年『漂泊の牙』で第19回新田次郎文学賞受賞。
2004年『邂逅の森』で第17回山本周五郎賞、第131回直木賞を受賞。
他の著書に『海峡の鎮魂歌(レクエイム)』、仙河海シリーズ『ティーンズ・エッジ・ロックンロール』『揺らぐ街』、『エスケープ・トレイン』など。仙台在住。

熊谷達也の作品紹介

『ウエンカムイの爪』  1998/01/05
『漂泊の牙』  1999/10/05
『まほろばの疾風』  2000/07/26
『迎え火の山』  2001/08/01
『山背郷』  2002/09/26
『相剋の森』  2003/10/24
『邂逅の森』  2004/01/28
『荒蝦夷』  2004/10/01
『モビィ・ドール』  2005/01/05
『七夕しぐれ』  2006/10/21
『氷結の森』  2007/01/26
『箕作り弥平商伝記』  2007/07/10
『はぐれ鷹』  2007/10/12
『いつかX橋で』  2008/11/01
『オヤジ・エイジ・ロックンロール』  2009/11/20
『モラトリアムな季節 』 2010/03/19
『銀狼王 』 2010/06/25
『稲穂の海 』 2010/10/29
『翼に息吹を』  2011/03/30
『バイバイ・フォギーデイ』  2012/04/18
『光降る丘』  2012/09/01
『調律師』  2013/05/24
『リアスの子 』 2013/12/14
『微睡みの海』 2014/03/07
『ティーンズ・エッジ・ロックンロール 』 2015/06/04
『潮の音、空の青、海の詩』  2015/07/24
『希望の海 仙河海叙景 』 2016/03/04
『揺らぐ街 』 2016/08/17
『浜の甚兵衛 』 2016/11/16
『鮪立の海』  2017/03/28
『エスケープ・トレイン』  2019/02/19
『我は景祐 』 2019/11/27
『いつもの明日』  2020/10/15
『無刑人 芦東山』  2021/03/05
明日へのペダル』 2022/06/28
孤立宇宙』2022/08/31

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