フィクション

『DANGER』村山由佳 あらすじと感想|私は、国と強者の所有物じゃない!

村山由佳『DANGER』(デインジャー)|ケイチャンブックス
ケイチャン(サカキ ケイ)

【2026年31冊目】

今回ご紹介する一冊は、

村山由佳 著

『DANGER』です。

あらすじと感想

バレエと戦争

ボリショイバレエ団の来日を盛り上げるため
世界的振付師の久我一臣(くが かずおみ)に
インタビューする2人の記者が聞いたのは
壮絶な戦争体験だった

生きて虜囚の辱を受けず←軍人勅諭

まず登場するのがインタビュアーの2人
思ったことを顔にし口に出すちょっと軽い
長瀬くん(後輩)と、過去になにやらバレエ
と因縁があるような水野さん(先輩)です

日本バレエ史を教えてもらおう!

インタビューするのは世界的振付師の久我一臣さん
ところが彼の語る内容はバレエの枠を超えて膨らみ
第二次世界大戦の敗戦とシベリア抑留へと進み
忘れかけていた戦争の記憶を掘り起こすものだった

弱き者は戦争でどのように犠牲者となっていったのだろうか・・

「私は、国と強者の所有物じゃない!」

てっきりバレエ小説だと思っていた僕は
読み進めるうちに戦争についての物語と
気がつき、違和感を感じてしまいました
しかしすぐにそれは消し飛ぶのだ

熱量ある文章に夢中となる

物語はインタビューをすすめる2人と
戦下の満州で苦闘する、若き久我と
看護師として徴発された少女たちの
姿が交互に語られてゆく

平和な時代と戦中戦後のギャップがスゴイ

弱きものから犠牲になる世界
それが戦争です
4人の看護師の少女たちの過酷過ぎる
運命には涙しかありません

また敵は外国人だけではない
辱めを受けるぐらいなら死ね
と言う男たちはきっと
女性のことを軽く見ているんだ

国も軍も味方じゃない!

そんな中にも希望はある
久我にとってはバレエ、少女たちには
「何があっても生きのびろ」と言って
くれる本当の味方たちです

恋する想いもチカラになる

どんな境遇でも若者は
恋をする
久我、そして少女たちの秘められた
恋心も読みどころのひとつでした

どんな過酷な境遇でも
希望を忘れない
想いの強さが生きる糧となる
忘れてはいけない歴史の物語でした

戦争の物語を読むと平和の尊さを感じますね
今世界各地で戦火が広がっていますが、僕たちに何ができるのでしょうか?

作品紹介(出版社より)

世界的振付家・久我一臣にインタビューをすることになった、編集者の水野果耶と記者の長瀬一平。久我の半生を辿りつつ、戦前戦後の日本バレエを紹介するつもりだったが、彼が語る壮絶な戦争体験は、二人が思ってもみなかった縁を掘り起こしてゆく。芸術と戦争を通し、過酷な運命に希望を見出す人々に迫った、入魂の輪舞曲(ロンド)。

作品データ

タイトル:『DANGE』
著者:村山由佳
出版社:新潮社
発売日:2026/2/26

作家紹介

村山由佳(むらやま・ゆか)

1964年、東京都生れ。立教大学卒。
1993年『天使の卵―エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。
2003年『星々の舟』で直木賞を受賞。
2009年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞を受賞した。他の著書に、『アダルト・エデュケーション』『放蕩記』『天翔る』『天使の柩』『ありふれた愛じゃない』『ワンダフル・ワールド』『La Vie en Rose ラヴィアンローズ』『嘘 Love Lies』『ミルク・アンド・ハニー』『燃える波』『風よあらしよ』『雪のなまえ』など。

村山由佳の作品紹介

『もう一度デジャ・ヴ』(1993年6月)
『天使の卵』(1994年1月)
BAD KIDS』(1994年7月)
『キスまでの距離– おいしいコーヒーのいれ方』(1994年9月)
『野生の風』(1995年3月)
『青のフェルマータ』(1995年11月)
『きみのためにできること』(1996年11月)
『僕らの夏– おいしいコーヒーのいれ方』(1996年7月)
『翼– cry for the moon』(1997年9月)
『彼女の朝– おいしいコーヒーのいれ方』(1997年10月)
『夜明けまで1マイル– おいしいコーヒーのいれ方』(1999年4月)
『海を抱く– BAD KIDS』(1999年7月)
『緑の午後– おいしいコーヒーのいれ方』(2000年12月)
『約束』(2001年7月)
『すべての雲は銀の…(2001年11月)
『遠い背中– おいしいコーヒーのいれ方』(2002年3月)
『永遠。』(2003年2月)
『星々の舟(2003年3月)
『坂の途中– おいしいコーヒーのいれ方』(2003年5月)
『天使の梯子』(2004年10月)
『優しい秘密– おいしいコーヒーのいれ方』(2004年5月)
『聞きたい言葉– おいしいコーヒーのいれ方』(2005年5月)
『夢のあとさき– おいしいコーヒーのいれ方』(2006年5月)
『ヘヴンリー・ブルー』(2006年8月)
『蜂蜜色の瞳– おいしいコーヒーのいれ方 Second Season』(2007年5月)
『明日の約束– おいしいコーヒーのいれ方 Second Season』(2008年5月)
『ダブル・ファンタジー』(2009年1月)
『消せない告白– おいしいコーヒーのいれ方 Second Season』(2009年5月)
『遥かなる水の音』(2009年11月)
『凍える月– おいしいコーヒーのいれ方 Second Season』(2010年5月)
『アダルト・エデュケーション』(2010年7月)
『約束– 村山由佳の絵のない絵本』(2011年3月)
『雲の果て– おいしいコーヒーのいれ方 Second Season』(2011年6月)
『彼方の声– おいしいコーヒーのいれ方 Second Season』(2011年12月)
『放蕩記』(2011年11月)
『花酔ひ』(2012年2月)
『ダンス・ウィズ・ドラゴン(2012年5月)
『記憶の海 – おいしいコーヒーのいれ方 Second Season』(2012年6月)
『天翔る』(2013年3月)
『地図のない旅– おいしいコーヒーのいれ方 Second Season』(2013年6月)
『天使の柩』(2013年11月)
『ありふれた愛じゃない』(2014年3月)
『ワンダフル・ワールド』(2016年3月)
『ラヴィアンローズ』(2016年7月)
『嘘 Love Lies』(2017年12月)
『風は西から』(2018年3月)
『ミルク・アンド・ハニー』(2018年5月)
『燃える波』(2018年7月)
『はつ恋』(2018年11月)
『まつらひ』(2019年1月)
『ありふれた祈り– おいしいコーヒーのいれ方 Second Season』(2020年6月)
『風よ あらしよ』(2020年9月)
『雪のなまえ』(2020年12月)
『てのひらの未来– おいしいコーヒーのいれ方 Second Season:アナザーストーリー』(2022年5月)
星屑』(2022年7月)
BAD KIDS』(2022年10月)※文庫
『ある愛の寓話』(2023年1月)
Row&Row』(2023年3月)
二人キリ』2024/1/26
PRIZE』2025/1/8
DANGE』2026/2/26

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ケイチャン
ケイチャン
サラリーマン読書家
年間150冊以上の本(主に小説)を読む、名古屋で働くサラリーマン【ケイチャン】です。食べることが大好きな僕が撮影している「本のある日常風景」と共に、本の紹介と感想のブログをお楽しみください!オススメの本は?この本気になるけど面白い?…など、読む本に迷った方への参考になれば幸いです。好きな言葉は「花には水を、人には愛を!」【ケイチャンブックス】よろしくお願いします!一緒に読書を楽しみましょう!!
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