
ケイチャン
【2025年73冊目】
今回ご紹介する一冊は、
近藤史恵 著
『風待荘へようこそ』です。
もくじ
【本の感想】「私の人生を取り戻すんだ」
思いもかけない人生の変転を
受け止めてくれたのは
京都のゲストハウスの人たちだった
中年女性リスタートの物語です

ケイチャン
好きな人がいるから離婚したいって
・・酷くない?
突然、離婚を求められた
眞夏(まなつ)さん
しかも1人娘は父親と
新しい母親と暮らすと言う
衝撃から立ち直れないまま
人生のリスタートを強制されて
心は乱れるばかりです
そんな眞夏さんに働いて欲しいって
京都のゲストハウスからオファーがありました
東京から京都へ
傷心の眞夏を待っていたのは
個性豊かなゲストハウスの同居人と
自分を必要としてくれるお客さんでした
専業主婦として家族に尽くして
きたはずなのに、どうして??
と、傷つき、戸惑う眞夏さんが
辛い
そんな眞夏が丁寧な
家事仕事をするうちに
必要として認める
仲間たちがいます
甘えや依存のない同居人関係
その距離感が、心地良い
じょじょに自信を回復し
人生を立ち直してゆく過程に
明るい気持ちになります
同居人たちそれぞれの
人間ドラマも描かれて
家族であるがゆえの
難しさが展開されます
それがゲストハウスオーナーの
芹(せり)さんの物語です
・・私は失敗作だった
そんな立場にした家族を
今も許すことが出来ない、と

ケイチャン
家族は平等ではない
割を食うのはいつも
女性という理不尽に
怒りを覚えます
思わぬ人生の変転に
負けることなく
自分を取り戻す女性を描く
人生再生の物語でした

ケイチャン
近藤史恵が描く女性はみな
力強いですね!
とても良いお話でした
作品紹介(出版社より)
京都でわたしは、食べて、暮らして、前を向く。
南天の木の植わった坪庭がある、京都の小さなゲストハウス「風待荘」。家族を失い東京からやってきた眞夏は、ここでしばらくオーナーの仕事を手伝うことになった。泣きたい毎日を変えるきっかけをくれたのは、料理。古い台所で作る九条葱と厚揚げの衣笠丼や、すぐきの焼きめし、近所で出会ったふわふわのだし巻き卵のサンド、レトロな喫茶店のゼリーポンチフロート。同居する四人の女性やお客さんと食卓を囲む時間に心を癒されていくなか、まさかの人物が眞夏を訪ねてやってくる……。
作品データ
タイトル:『風待荘へようこそ』
著者:近藤史恵
出版社:KADOKAWA
発売日:2025/1/29
作家紹介
近藤史恵(こんどう・ふみえ)
1969年大阪府生れ。
1993年『凍える島』で鮎川哲也賞を受賞し、作家デビュー。
2008年『サクリファイス』で大藪春彦賞を受賞。
ほかに『ときどき旅に出るカフェ』『インフルエンス』『震える教室』『わたしの本の空白は』、「ビストロ・パ・マル」シリーズ、「清掃人探偵・キリコ」シリーズ、「猿若町捕物帳」シリーズなど、著書多数。
近藤史恵の作品紹介
『凍える島』(1993年9月)
『ねむりねずみ』(1994年7月)
『ガーデン』(1996年2月)
『スタバトマーテル』(1996年7月)
『散りしかたみに』(1998年3月)
『演じられた白い夜』(1998年10月)
『カナリヤは眠れない– 整体師・合田力』(1999年7月)
『アンハッピードッグズ』(1999年10月)
『茨姫はたたかう– 整体師・合田力(2000年6月)
『この島でいちばん高いところ』(2000年10月)
『巴之丞鹿の子– 猿若町捕物帳』(2001年10月)
『遙かなる時空の中で– 遙かなる夢ものがたり』(2001年12月)
『桜姫』(2002年1月)
『遙かなる時空の中で2』(2002年5月)
『青葉の頃は終わった』(2002年10月)
『ほおずき地獄– 猿若町捕物帳』(2002年10月)
『天使はモップを持って– 清掃人探偵・キリコ』(2003年3月)
『Shelter(シェルター)– 整体師・合田力』(2003年9月)
『狼の寓話– 南方署強行犯係』(2003年10月)
『遙かなる時空の中で2– 八葉幻夢譚』(2004年2月)
『二人道成寺』(2004年3月)
『モップの精は深夜に現れる– 清掃人探偵・キリコ』(2005年2月)
『遙かなる時空の中で– 花がたみ』(2005年3月)
『賢者はベンチで思索する』(2005年5月)
『黄泉路の犬– 南方署強行犯係』(2005年9月)
『にわか大根– 猿若町捕物帳』(2006年3月)
『ふたつめの月(短編集)』(2007年5月)
『モップの魔女は呪文を知ってる– 清掃人探偵・キリコ』(2007年6月)
『サクリファイス』(2007年8月)
『タルト・タタンの夢』(2007年10月)
『遙かなる時空の中で3– 紅の月』(2007年12月)
『ヴァン・ショーをあなたに』(2008年6月)
『寒椿ゆれる– 猿若町捕物帳』(2008年11月)
『エデン』(2010年3月)
『アネモネ探偵団– 香港式ミルクティーの謎』(2010年3月)
『薔薇を拒む』(2010年5月)
『あなたに贈るX(キス)』(2010年7月)
『砂漠の悪魔』(2010年9月)
『モップの精と二匹のアルマジロ– 清掃人探偵・キリコ』(2011年2月)
『アネモネ探偵団2– 迷宮ホテルへようこそ』(2011年3月
『三つの名を持つ犬』(2011年5月)
『サヴァイヴ』(2011年6月)
『ホテル・ピーベリー』(2011年11月)
『ダークルーム』(2012年1月)
『アネモネ探偵団3– ねらわれた実生女学院』(2012年3月)
『シフォン・リボン・シフォン』(2012年6月)
『はぶらし』(2012年9月)
『キアズマ』(2013年4月)
『土蛍– 猿若町捕物帳』(2013年6月)
『さいごの毛布』(2014年3月)
『胡蝶殺し』(2014年6月)
『私の命はあなたの命より軽い』(2014年11月)
『岩窟姫』(2015年4月)
『昨日の海と彼女の記憶』(2015年7月)
『スーツケースの半分は』(2015年10月)
『モップの精は旅に出る– 清掃人探偵・キリコ』(2016年4月)
『スティグマータ』(2016年6月)
『シャルロットの憂鬱』(2016年10月)
『マカロンはマカロン』(2016年12月)
『ときどき旅に出るカフェ』(2017年4月)
『インフルエンス』(2017年11月)
『震える教室』(2018年3月)
『わたしの本の空白は』(2018年5月)
『みかんとひよどり』(2019年2月)
『歌舞伎座の怪紳士』(2020年1月)
『夜の向こうの蛹たち』(2020年6月)
『たまごの旅人』(2021年7月)
『おはようおかえり』(2021年11月)
『シャルロットのアルバイト』(2022年2月)
『筆のみが知る 幽霊絵師火狂』(2022/6/3)
『それでも旅に出るカフェ』(2023/4/19)
『風待荘へようこそ』2025/1/29