【本の感想】『定食屋「雑」』原田ひ香|あきらめてもメゲずに進むのだ

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定食屋「雑」

ケイチャン

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【2024年88冊目】

今回ご紹介する一冊は、

原田ひ香 著

『定食屋「雑」』です。

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【感想】「あきらめてもメゲずに進むのだ」

定食屋小説

オマエのことが嫌になった・・
夫に出て行かれた沙也加(さやか)は
その名の通り雑然とした定食屋で働き始める
そこで見つけた人生の味付けの秘訣とは?

ご飯が進む、定食屋の物語です

どうして私が悪いのか??

ご飯の時に酒を飲ませてくれない
そんな理由で離婚を切り出された
沙也加は悩みます
・・私はちゃんとしているのに、どうして?

真面目でしっかり者の沙也加さん
エリートサラリーマンの家庭で育った
彼女には正しい生活の規範があります
ご飯をクチャクチャ食べながら
お酒をグビグビ飲むなんて許せません

しかし夫は家を出て行き、戻ってこない

そんな時、夫が行きつけの定食屋
「雑(ざつ)」に店員募集の張り紙が
・・ここで働けば、嫌われた理由がわかるかも
よもや店主の女とデキているのでは?
そんな疑いも持つ沙也加を迎えたのは

太った小柄の老女でした

「あきらめてもメゲずに進むのだ」

太った小柄の老女『ぞうさん』の味付けは
①すき焼きのたれ
②めんつゆ(3倍希釈用)
③(普通の)醤油
だいたいこの3つです

ぞうさんはこの3つを雑にまとめて
醤油とって!と言う

ケイチャン

ケイチャン

わかるか?そんなもん!

だが一緒に働くうちに
沙也加はわかってくるんだ
ぞうさんがどの醤油を欲しているのかが
そして大味のチキン南蛮をガブリと齧り
すかさずビールをグビリとやる美味さを

ああ、私は狭い世界の正しさしか
知らなかったんだ・・と

物語は話し手を変えて進みます
無愛想で大雑把な、店主のぞうさん
常連客の老人、高津さん
違う価値観の世界で生きる
彼らと交わることで
沙也加はたくましく成長してゆく

ケイチャン

ケイチャン

人生何が起きるかわからない
あきらめることもあるでしょう
しかし、あきらめた先には
新しい人生が待っているんだ

…そんな気持ちになる物語でした

ケイチャン

ケイチャン

原田ひ香の物語にしては
毒が薄い感じがしましたが
たまには味変えもいいもの
気取らない大味さに読書も進む
下町の定食屋的小説でした

ケイチャン

ケイチャン

あなたの行きつけの定食屋さんは
どんな雰囲気のお店ですか?

作品紹介(出版社より)

真面目でしっかり者の沙也加は、丁寧な暮らしで生活を彩り、健康的な手料理で夫を支えていたある日、突然夫から離婚を切り出される。理由を隠す夫の浮気を疑い、頻繁に夫が立ち寄る定食屋「雑」を偵察することに。大雑把で濃い味付けの料理を出すその店には、愛想のない接客で一人店を切り盛りする老女〝ぞうさん〟がいた。沙也加はひょんなことから、この定食屋「雑」でアルバイトをすることになり——。個性も年齢も立場も違う女たちが、それぞれの明日を切り開く勇気に胸を打たれる。ベストセラー作家が贈る心温まる定食屋物語。

作品データ

タイトル:『定食屋「雑」』
著者:原田ひ香
出版社:双葉社
発売日:2024/3/21

作家紹介

原田ひ香(はらだ・ひか)

1970年神奈川県生れ。
2005年「リトルプリンセス2号」で第34回NHK創作ラジオドラマ大賞受賞。
2007年「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞受賞。
著書に『三千円の使いかた』『そのマンション、終の住処でいいですか?』『古本食堂』『一橋桐子の犯罪日記』『ランチ酒』『事故物件、いかがですか? 東京ロンダリング』『人生オークション』『母親ウエスタン』『彼女の家計簿』『ミチルさん、今日も上機嫌』『三人屋』『ラジオ・ガガガ』などがある。

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原田ひ香の作品紹介

『はじまらないティータイム』(2008年1月)
『東京ロンダリング』(2011年7月)
『人生オークション』(2011年10月)
『母親ウエスタン』(2012年9月)
『アイビー・ハウス』(2013年3月)
『彼女の家計簿』(2014年1月)
『ミチルさん、今日も上機嫌』(2014年5月)
『三人屋』(2015年6月)
『ギリギリ』(2015年9月)
『復讐屋成海慶介の事件簿』(2015年11月)
『彼女たちが眠る家』(2016年6月)
『事故物件、いかがですか?』(2016年9月)
『ラジオ・ガガガ』(2017年5月)
『ランチ酒』(2017年11月)
『三千円の使いかた』(2018年4月)
『DRY』(2019年1月)
『そのマンション、終の住処でいいですか?』(2019年4月)
『ランチ酒 おかわり日和』(2019年7月)
『まずはこれ食べて』(2019年12月)
『口福のレシピ』(2020年8月)
『一橋桐子(76)の犯罪日記』(2020年11月)
『サンドの女 三人屋』(2021年2月)
『ランチ酒 今日もまんぷく』(2021年6月)
『母親からの小包はなぜこんなにダサいのか』(2021年9月)
『古本食堂』(2022年3月)
財布は踊る』(2022年7月)
老人ホテル』(2022年10月)
『DRY』 2022/12/13
『口福のレシピ』 2023/02/07
『まずはこれ食べて』2023/04/12
『図書館のお夜食 2023/06/21
『古本食堂』2023/09/18
喫茶おじさん』 2023/10/12
図書館のお夜食』2023/6/21
定食屋「雑」』2024/3/21


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