ケイチャン
【2024年39冊目】
今回ご紹介する一冊は、
吉田修一 著
『永遠と横道世之介 上』です。
もくじ
【感想】「日常にひそむ、輝ける日々」
永遠の少年
お気楽・極楽・太平楽の
横道世之介(よこみち よのすけ)と
愉快な仲間達を描く物語です
この男、無限に優しい
世之介シリーズ、3部作の完結編です
前作の内容をすっかり忘れていましたが
読者が内容をすっかり忘れている前提で
執筆されているようで
何の問題もありませんでした笑
舞台は2007年の東京
カメラマンとなった世之介は
事実婚関係にある、あけみちゃんの下宿
『ドーミー吉祥寺の南』で暮らしています
賑やかで個性的な下宿仲間とワイワイ生活
するようすが楽しそう!
物語は売れないカメラマン稼業を
だが楽しそうに仕事する日々と
古き良き下宿生活を仲間達と過ごす
喜びに満ちた日常が描かれてゆく
それはダラダラと続くネバーランド
終わりが来ないと信じたい楽園
プライベートが必要ない世界
そこが『ドーミー吉祥寺の南』なのだ
この作品の魅力はひとえに
世之介の人柄にあると言って
過言ないでしょう!
この好漢を誰が嫌いになれるのだ?
わがままな兄弟子カメラマンに
楽しそうにこき使われる、世之介
亡き恋人を忘れられないが
あけみちゃんを大好きな、世之介
他人のための労をいとわず
進んでお手伝いをする、世之介
どの世之介も、とびきり優しいのだ
そして楽しそうな
『ドーミー吉祥寺の南』での
下宿仲間との日々が綴られます
毎日がパーティーのようです
今日は特別じゃない、平凡記念日
普通の毎日にある幸せを
掘り起こすようです
日常ってホントは
素晴らしいんですね!
陽気な世之介にほっこりとしつつ
下巻に続きます
いつまでも読んでいられる
いつまでも読んでいたい
そんな本でした
作品紹介(出版社より)
「この世で一番大切なのはリラックスしていることですよ」
39歳になったカメラマン・横道世之介が暮らすのは、東京郊外に建つ下宿「ドーミー吉祥寺の南」。元芸者の祖母が始めた下宿を切り盛りするあけみちゃん、最古参の元芸人の営業マン礼二さん、書店員の大福さん、大学生の谷尻くんらとゆるーっと暮らす毎日に、唐突に知り合いのベテラン教師ムーさんの引きこもりの息子一歩が入居することになって……。下宿仲間たちと繰り広げる、温かくてしょっぱい人間ドラマ。
作品データ
タイトル:『永遠と横道世之介 上』
著者:吉田修一
出版社:毎日新聞出版
発売日:2023/5/26
作家紹介
吉田修一(よしだ・しゅういち)
長崎県生まれ。
1997年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞し、デビュー。
2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞を受賞。
2007年『悪人』で第34回大佛次郎賞と第61回毎日出版文化賞を受賞。
吉田修一の作品紹介
『最後の息子』(1999年7月)
『熱帯魚』(2001年1月)
『パレード』(2002年2月)
『パーク・ライフ』(2002年8月)
『日曜日たち』(2003年8月)
『東京湾景』(2003年10月)
『長崎乱楽坂』(2004年5月)
『ランドマーク』(2004年7月)
『春、バーニーズで』(2004年11月)
『7月24日通り』(2004年12月)
『ひなた』(2006年1月)
『女たちは二度遊ぶ』(2006年3月)
『初恋温泉』(2006年6月)
『うりずん』(2007年2月)
『悪人』(2007年4月)
『静かな爆弾』(2008年2月)
『さよなら渓谷』(2008年6月)
『元職員』(2008年11月)
『キャンセルされた街の案内』(2009年8月)
『横道世之介』(2009年9月)
『平成猿蟹合戦図』(2011年9月)
『太陽は動かない』(2012年4月)
『路(ルウ)』(2012年11月)
『愛に乱暴』(2013年5月)
『怒り』(2014年1月)
『森は知っている』(2015年4月)
『橋を渡る』(2016年3月)
『犯罪小説集』(2016年10月)
『ウォーターゲーム』(2018年5月)
『国宝』(2018年9月)
『続 横道世之介』(2019年2月)
『青春 コレクションI』(2019年9月)
『アンジュと頭獅王』(2019年9月)
『逃亡小説集』(2019年10月)
『恋愛 コレクションII』(2019年11月)
『犯罪 コレクションIII』(2020年1月)
『長崎 コレクションIV』(2020年3月)
『湖の女たち』(2020年10月)
『ブランド』(2021年7月)
『オリンピックにふれる』(2021年10月)
『ミス・サンシャイン』(2022年1月)
『永遠と横道世之介 上』2023/5/26
『永遠と横道世之介 下』2023/5/26