【感想】『真珠とダイヤモンド 上』桐野夏生|昭和の会社がヤバイ!

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真珠とダイヤモンド 上 |桐野夏生

ケイチャン

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【2023年56冊目】

今回ご紹介する一冊は、

桐野夏生

『真珠とダイヤモンド 上』です。

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【感想】「昭和の会社がヤバイ!」

バブル小説

金・かね・カネ!
日本中が狂った時代
バブルを描く
熱き昭和の物語です

バブル・・
僕には忘れられない思い出があります
まだ小学生の低学年だったんですが
ある日父に『ちょっと証券会社に行ってくれ』
と頼まれたんです

で、ランドセルに
現金200万円入れて←え!?
バスと電車を乗り継いで
証券会社に行きました

盗られたらどうしよう!?
と、半泣き状態での
始めてのお使いでした笑
・・まったく、どうかしてますよね!

バブル前夜の証券会社で働く

さて本作は3人の主人公がいます
福岡の証券会社に入社した同期の
佳那と水矢子、そして望月です

「昭和の会社がヤバイ!」

新人の3人ですが
早々にサラリーマンの
洗礼を浴びます
それが昭和の会社社会です

支店長は王様
その愛人は女王様
男はしごかれ
女は召使の
強烈なヒエラルキーです

いやあ!
コンプライアンス重視の令和からすると
とんでもない会社生活の描写が
続きます

だが、昭和は熱かった!

仕事に対する熱量が
すさまじいのです
時代の奔流に巻き込まれるように
3人の若者が
バブルの渦ぐるぐると落ちる

人間の欲望を描させたら
右に出る者ない桐野夏生
登場人物たちの
ほとばしるような欲望に
急き立てられるよう
読むしかない上巻でした

作品紹介(出版社より)

桐野夏生が描く「バブル」
実体なき熱狂の裏側をえぐる傑作長編!

1986年春。二人の女が福岡の証券会社で出会った。一人は短大卒の小島佳那(かな)、もう一人は高卒の伊東水矢子(みやこ)。貧しい家庭に生まれ育った二人は、それぞれ2年後に東京に出ていく夢を温めていた。野心を隠さず、なりふり構わずふるまう同期、望月昭平に見込まれた佳那は、ある出来事を契機に彼と結託し、マネーゲームの渦に身を投じていく。

作品データ

タイトル:『真珠とダイヤモンド 上』
著者:桐野夏生
出版社:毎日新聞出版
発売日:2023/2/2

作家紹介

桐野夏生(きりの・なつお)

1951年金沢市生まれ。
1993年「顔に降りかかる雨」で江戸川乱歩賞受賞。
1998年『OUT』で日本推理作家協会賞受賞。
1999年『柔らかな頬』で直木賞受賞。
2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞受賞。
2004年『残虐記』で柴田錬三郎賞受賞。
2005年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞受賞。
2008年『東京島』で谷崎潤一郎賞受賞。
2009年『女神記』で紫式部文学賞受賞。
2010年、2011年『ナニカアル』で島清恋愛文学賞と読売文学賞の二賞を受賞。
2015年には紫綬褒章を受章。
2021年には早稲田大学坪内逍遥大賞を受賞。
『バラカ』『日没』『インドラネット』『砂に埋もれる犬』など著書多数。

桐野夏生の作品

『 熱い水のような砂 』 (1986年2月)
『 真昼のレイン 』 (1986年7月)
『 顔に降りかかる雨– ミロシリーズ1 』 (1993年9月)
『 天使に見捨てられた夜– ミロシリーズ2 』(1994年6月)
『 ファイアボール・ブルース 』(1995年1月)
『 OUT 』(1997年7月)
『 錆びる心 』(短編集)(1997年11月)
『 水の眠り 灰の夢– ミロシリーズ3 』(1998年10月)
『 ジオラマ 』(短編集)(1998年11月)
『 柔らかな頬 』(1999年4月)
『 ローズガーデン– ミロシリーズ4 』(短編集)(2000年6月)
『 光源 』 (2000年9月)
『 玉蘭 』 (2001年3月)
『 ファイアボール・ブルース2 』(短編集)(2001年8月)
『 ダーク– ミロシリーズ5 』(2002年10月)
『 リアルワールド 』(2003年2月)
『 グロテスク 』(2003年6月)
『 残虐記 』(2004年2月)
『 I’m sorry, mama. 』(2004年11月)
『 魂萌え! 』(2005年4月)
『 冒険の国 』(2005年10月)
『 アンボス・ムンドス– ふたつの世界 』(短編集)(2005年10月)
『 メタボラ 』(2007年5月)
『 はじめての文学 』(2007年8月)
『 東京島 』(2008年5月)
『 女神記 』(2008年11月)
『 IN 』(2009年5月)
『 ナニカアル 』(2010年2月)
『 優しいおとな 』(2010年9月)
『 ポリティコン 』(2011年2月)
『 緑の毒 』(2011年8月)
『 ハピネス 』(2013年2月)
『 だから荒野 』(2013年10月)
『 夜また夜の深い夜 』(2014年10月)
『 奴隷小説 』(短編集)(2015年1月)
『 抱く女 』(2015年6月)
『 バラカ 』(2016年2月)
『 猿の見る夢 』(2016年8月)
『 夜の谷を行く 』(2017年3月)
『 デンジャラス 』(2017年6月)
『 路上のX 』(2018年2月)
『 ロンリネス 』(2018年6月)
『 とめどなく囁く 』(2019年3月)
『 日没 』(2020年9月)
『 インドラネット 』(2021年5月)
砂に埋もれる犬 』(2021年10月)
燕は戻ってこない』(2022年3月)
真珠とダイヤモンド上』(2023年2月)

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