ケイチャン
【2022年151冊目】
今回ご紹介する一冊は、
瀬尾まいこ著
『掬えば手には』です。
もくじ
【感想】「今時おせっかいなんて、もう特殊能力だよね」
俺ってもうエスパーぢゃん!
人の心が読めると信じている大学生の
梨木(なしき)クンは特殊能力は使わねばと
得意のテレキネシス?を利用して
周りの人の手助けをしていました
しかしバイト先に現れた看護学生の
常盤さんの心だけ読めない
代わりに常盤さんの背中から
謎の声が聞こえてくるのだ・・
キミは誰なの?
中学2年のときに不登校の同級生を助けてから
積極的に周囲のみんなを手助けする梨木クン
そんな人はもう絶滅危惧種
誰だっておせっかいなど焼きやしない
だってそれで浮いたら損じゃないか
ところが信じる者は強い
浮く浮かないなど気にしない
ささっと声掛けする梨木クンは
実はスパースターでした
彼に助けられた・・
そのことが忘れられない河野さんとの
恋愛要素が出そうでなかなか出ないこの
絶妙なさじ加減が瀬尾作品の特徴ですね
そして謎の声の正体に気が付いた時
梨木クンは悩むのです
このことを常磐さんに言っていいの?
おせっかいには勇気がいるのです
過去に囚われたままでは
現在を進むことが出来ない
常磐さんを一歩前に進ませるために
梨木クンは彼女の背に声を掛けるのでした
SNSなどで簡単に人と繋がれるのに
ホントに真剣で本音を話すことが
返って難しくなっている気がします
どうしてだろ?
僕も声なき想いに気が付いたら
さっと声掛けできる人に
なりたいものです
作品紹介(出版社より)
ちょっぴりつらい今日の向こうは、光と音があふれてる。
『幸福な食卓』本屋大賞受賞作『そして、バトンは渡された』に連なる、究極に優しい物語
私は、ぼくは、どうして生まれてきたんだろう?
大学生の梨木匠は平凡なことがずっと悩みだったが、中学3年のときに、エスパーのように人の心を読めるという特殊な能力に気づいた。ところが、バイト先で出会った常盤さんは、匠に心を開いてくれない。常盤さんは辛い秘密を抱えていたのだった。だれもが涙せずにはいられない、切なく暖かい物語。
作品データ
タイトル:『掬えば手には』
著者:瀬尾まいこ
出版社:講談社
発売日:2022/7/6
作家紹介
瀬尾まいこ(せお・まいこ)
1974年大阪府生れ。大谷女子大学国文科卒。
2001年「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、翌年、単行本『卵の緒』で作家デビュー。2005年『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞受賞。
2008年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞受賞。
2019年『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞。
他の作品に『天国はまだ遠く』『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』など著書多数。
唯一無二の、爽やかで感動的な作風が愛されている。
瀬尾まいこの作品
『卵の緒』(2002年11月)
『図書館の神様』(2003年12月)
『天国はまだ遠く』(2004年6月)
『幸福な食卓』(2004年11月)
『優しい音楽』(2005年4月)
『強運の持ち主』(2006年5月)
『見えない誰かと』(2006年12月)
『温室デイズ』(2006年7月)
『ありがとう、さようなら』(2007年7月)
『戸村飯店青春100連発』(2008年3月)
『僕の明日を照らして』(2010年2月)
『狐フェスティバル– 集団読書テキスト』(2010年5月)
『おしまいのデート』(2011年1月)
『僕らのごはんは明日で待ってる』(2012年4月)
『あと少し、もう少し』(2012年10月)
『春、戻る』(2014年2月)
『君が夏を走らせる』(2017年7月)
『ファミリーデイズ』(2017年11月)
『そして、バトンは渡された』(2018年2月)
『傑作はまだ』(2019年3月)
『夜明けのすべて』(2020年10月)
『その扉をたたく音』(2021年2月)
『夏の体温』(2022年3月)
『掬えば手には』(2022年7月)