今回ご紹介する一冊は、
真下みこと 著
『あさひは失敗しない』です。
もくじ
【感想】「子供には、失敗する権利がある」
タイトルを見て、みなさんは思うでしょう
はい、その通りです
あさひちゃんが大失敗しちゃう物語です
母娘の共依存と
友人とのヒエラルキーを
テーマとした作品となっています
多くの子供を持つ方には賛同いただけるでしょう
子供に失敗をさせたくない!と思うのは
親として自然な気持ちです
しかし
熱いうちに打たれない鉄
踏まれたことのない麦は
あっさりと折れ、育たないもの
そう、失敗という試練は
子供たちに必要なものです
けれど
わが子を思う気持ちから
失敗すると分かっていて
それを見守るのは難しいことです
転ばぬ先の杖
つい障害を取り除いて
歩きやすくしてしまうもの・・
致し方無い親心ってヤツですな
本作はそんな共依存関係にある母から
手ひどい失敗を経て
成長してゆく大学生あさひの姿を描いたものです
主人公の、あさひ
主体性に乏しく
周りに流されやすい
自己肯定感が低い女の子です
正直、イライラしちゃいました
ああっそんな風に流されては
とんでもないことになるよ!
と忠告しちゃいたくなります
自分の欲望に忠実に
わがままに振る舞う同級生との
対比が陰影を強めます
空気を読む同調圧力の強い今こそ
空気が読めない鈍感力が
生きるチカラなのかも知れないですね
作品紹介(出版社より)
あさひの母親は、心配事をあらかじめ避けたり、小さくしておいたりしてくれる人だった。
不安な時には「あさひは失敗しないから」というおまじないをかけてくれた。
そのおまじないはいつしか呪縛になってーー
大好きだったお母さんとも、大学での友達ともうまくいかなくなり、追い詰められたあさひがとる衝撃の行動とは?第61回メフィスト賞受賞作家、待望の第二作目!
作品データ
タイトル:『あさひは失敗しない』
著者:真下みこと
出版社:講談社
発売日:2021/10/21
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作家紹介
真下みこと(ました・みこと)
1997年埼玉県生まれ。
2019年『#柚莉愛とかくれんぼ』で第61回メフィスト賞を受賞し、2020年デビュー。
真下みことの作品
『#柚莉愛とかくれんぼ』(2021年11月)