『アナヅラさま』四島祐之介 あらすじと感想|闇の引力に共鳴してしまう

【2026年43冊目】
今回ご紹介する一冊は、
四島祐之介 著
『アナヅラさま』です。
予測不能な「どんでん返し」を求めている
あらすじと感想
女の子を跡形もなく消してしまう
都市伝説アナヅラ(穴面)さまは
実在するのか?
暗い心を描くゾッとするお話です
心の闇は、感染するのか?
①冒頭に登場するのが、アナヅラさまです
新しい獲物(女の子)を見つけて
舌なめずりする様子が怖い
この女の子の運命に悲観しかありません
②次に登場するのが、フードデリバリーの
仕事に勤しむ大学生、未散(みちる)ちゃん
お金に困ってパパ活をしようとしているが
・・オイオイ、大丈夫かな?
③続いて登場するのが、探偵業を営む
穂香(ほのか)さんと、事務所の愉快な面々
女子ながら身長180cmで武闘派な彼女に
持ち込まれる案件が行方不明者の捜索です
長野県内で行方不明者が多発している
いずれも身長が低く
美形な者ばかり
まさかホントに都市伝説の
アナヅラさまに引き込まれたのか?
獲物を狩る、アナヅラさまと
それを捜査する、穂香たちを
交互に描きながら物語は進むが
どうにも違和感がぬぐえません
作者にミスリードされている?
違和感を消し去るほど存在感あるのが
山中に穿たれた深さもわからぬ穴です
落としても落としても、音がしない
人も車も全部呑み込む、おそろしさ

・・ゾッとしませんか?
真のアナヅラさまとも言うべき
恐怖の存在です
こんな穴が自分の物になったら
なんでも落としてみたいよね(笑)
さて初めから真犯人が出ている
のだから最後は捕まるのだろう
と思っていると、そうはいかない
終盤で事態は思わぬ方向へと向かうのだ
*注意!以下、重大なネタバレとなります!!
なんと真犯人(アナヅラさま)は
途中で交代していた!
2代目アナヅラさまとなった未散と
対決し共感した穂香が3代目の
アナヅラさまとなるんだ!

え?まさかの主人公が闇落ちのエンディングとは!
そして冒頭の①②③の順番で
アナヅラさまリレーがバトンタッチ
されるという構成に気が付き
作者にヤられたな、と思いました
しかし読後感は悪くないんです
未散と穂香の心の闇を覗く内に
僕は彼女たちに共感してしまったのでしょう
まさにストックホルム症候群ってヤツなのだ
未散が捕まらなくて、良かった~
穂香がどんどんアナヅラさまに
人を落とせばいいのにな~

え!?笑
なんて思ってしまいました
深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいている

深く暗い巨大なアナヅラさまに僕も引きずり込まれてしまいそう!

邪悪な魅力にゾクゾクしてしまうブラックホールみたいな物語でした
作品紹介(出版社より)
2026年第24回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作!
都市伝説×どんでん返し!
顔にぽっかり穴のあいたバケモノが人を攫って、穴の中に吞み込んでしまう。バケモノの名は「アナヅラさま」。
――ある地方都市で女性が相次いで行方不明になるなか、そんな噂が囁かれるようになった。行方不明者の捜索依頼を受けた探偵・小鳥遊穂香は、都市伝説の裏に連続殺人鬼がいると睨み、調査を進めるが……。一方、「アナヅラさま」と呼ばれる一連の事件の犯人は、想定外の事態に陥っていた。
作品データ
タイトル:『アナヅラさま』
著者:四島祐之介
出版社:宝島社
発売日:2026/2/4
作家紹介
四島祐之介(ししま・ゆうのすけ)
1990年生まれ。栃木県宇都宮市出身。
高校卒業後、声優養成所、ITエンジニアの職業訓練校に通う。
雑誌・Web編集、広告代理店、ITエンジニアを経て、現在はフロントエンドエンジニアとしてWebサイトの制作・運用業務に携わる
四島祐之介の作品紹介
『アナヅラさま』2026/2/4


