【本の感想】『ユビキタス』鈴木光司|地球の生命の99%は、植物である

【2025年86冊目】
今回ご紹介する一冊は、
鈴木光司 著
『ユビキタス』です。
【感想】「地球の生命の99%は、植物である」
私たち人類はハチなど昆虫と同じ
偉大なる植物に使役されるモノなのだ
リング・シリーズの作家が描く
壮大な植物パニック&ホラーです
金が無い、困った・・
と嘆くシングルマザーの探偵、恵子(けいこ)さん
そんな彼女に舞い込むのが、破格の人探し案件です
・・だけどこれって、昔あった宗教団体の
連続死亡事件に関わりありそう・・
時を同じくして発生するのが
原因不明の死亡事件です
時は違うが死亡状況が酷似する2つの案件が
植物と人類との壮大な物語の序曲となるのだ
まず驚かされるのが
探偵・恵子さんの恐るべき手腕です
お見事!と言うしかない、冴えわたる捜査に
ググイと、ストーリーに引き込まれる
探偵・恵子さんの相棒となるのが
物理学者の露木(つゆき)さんです
こちらも切れ味抜群の頭脳で
ドドンと、物語を加速させる

テンポ良くスピード感ある作風です
そして壮大な人類vs植物の関係性
『動物は植物の1種である』
ちょっとトンデモないようなこの説も
超ベテラン作家の鈴木光司にかかれば
もう、お手のもの

あれやこれやとエビデンスを提示され
ふむふむ、なるほど、そうかも!
と僕はすっかり丸め込まれてしまいもう作者の思うツボ
壮大なスケールで描かれる
植物の企みに
すっかりと溺れてしまいました
まるで神話のようです

未来に開けるようなエンディングも心地よい納まりのよい作品でした

あなたもこの本を読んだら植物を見る目が変わることでしょう
作品紹介(出版社より)
人間たち、完全に絶望せよ。日本ホラー界の帝王、16年ぶりの完全新作!
原因不明の連続突然死事件を調べる探偵の前沢恵子は、かつて新興宗教団体内で起きた出来事との奇妙な共通点を発見する。恵子と異端の物理学者・露木眞也は「ヴォイニッチ・マニュスクリプト」と事件との関連性に気づく。だがそのとき、東京やその近郊では多くの住民の命が奪われはじめていた――。
作品データ
タイトル:『ユビキタス』
著者:鈴木光司
出版社:KADOKAWA
発売日:2025/3/26
作家紹介
鈴木光司(すずき・こうじ)
1957年、静岡県浜松市生れ。
1990年『楽園』で日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し作家デビュー。
1991年に刊行された『リング』が圧倒的に支持され、その続編『らせん』で吉川英治文学新人賞を受賞。
二作に続く『ループ』『バースデイ』シリーズの他に『仄暗い水の底から』『生と死の幻想』『家族の絆』『シーズ ザ デイ』『神々のプロムナード』などがある。
鈴木光司の作品紹介
『楽園』1990/12/1
『満ちてくる時のむこうに』1991/10/1
『光射す海』1993/1/1
『らせん』1995/8/3
『リング』1995/9/27
『生と死の幻想』1995/11/1
『仄暗い水の底から』1996/2/1
『新しい歌をうたえ』1997/9/1
『ループ』1998/1/23
『家族の絆1998/7/1
『バースデイ』1999/1/30
『ママとパパに聞かせたい27の話』1999/3/1
『現在を生きよう』2000/1/1
『パパだからできる』2000/2/1
『涙』2000/11/1
『天才たちのDNA: 鈴木光司対談集 才能の謎に迫る』2001/1/1
『シーズ ザ デイ』2001/4/1
『文壇バー』2001/6/1
『地球を走る アメリカ横断オートバイ旅行記』2001/8/24
『エール』 2001/9/1
『枝の折れた小さな樹 』2002/2/18
『その日をつかめ 』2004/6/1
『アイズ』2005/5/19
『月のものがたり 月の光がいざなうセンチメンタル&ノスタルジー』2006/1/21
『神々のプロムナード』2007/4/13
『午前零時』2007/6/1
『エッジ』 上・下 2008/12/19
『鋼鉄の叫び』2010/10/30
『エス』2012/5/12
『タイド』2013/9/6
『人間パワースポット 成功と幸せを“引き寄せる”生き方 』2013/11/27
『樹海』2015/4/13
『ブルーアウト』2015/12/3
『海の怪』2020/9/4
『ユビキタス』2025/3/26

