ケイチャン
【2024年135冊目】
今回ご紹介する一冊は、
呉勝浩 著
『法廷占拠 爆弾2』です。
もくじ
【感想】「他人が用意した舞台で踊らない」
東京爆破から１年
満員御礼のスズキタゴサクの裁判が
ジャック（占拠）された？！
劇場型を超える、配信型犯罪小説です
ケイチャン
犯罪者が神格化されるのって
ありますよね
反逆の象徴として崇められるのを
被害者の方はどういう思いで
見るのでしょうか・・
爆弾で武装した犯人は
スズキタゴサクの裁判中
裁判官や傍聴者を人質に
この法廷を占拠する
警察との取引をインターネットで
生配信する犯人たち
一体どうしてこんな手間を
かけるのだろう？
しかも要求することは
現在収監されている
死刑囚たちを速やかに
死刑執行せよという
無理難題
犯人の要求から違和感を
憶えるのは
かつてスズキタゴサクと
対峙した腕利きの警察官たち
ケイチャン
さて
警察は１年前の雪辱を果たせるのか？
ケイチャン
また
犯人たちの真の目的はなんなのか？
ケイチャン
そして
スズキタゴサクは
このワクワクするような事態を
どう楽しんじゃうのだろうか笑？
前半の緊迫した法廷占拠から
後半はスピード感ある逃走劇へと
物語は変調します
起伏の激しい展開に食らいついてしまう
ケイチャン
本シリーズの魅力である
スズキタゴサクｖｓ警察の心理戦に
犯人グループの思惑がプラスされて
丁々発止でギリギリの攻防が
たまりません
ケイチャン
もうドキドキです
ケイチャン
今回のもう１枚のジョーカーである
犯人の柴咲くんの『負け組の理論』に
ふんふん、そうかもね～、と
同調する気持ちも少し出ました
前作でなりふり構わない
直情的な熱血を披露した
警官の沙良ちゃんは今回も
一般的な感覚を代弁する
役割で活躍します
彼女の献身的な行動が
物語に清涼感を与えています
ケイチャン
沙良ちゃん、がんばって！
ケイチャン
安全な傍聴席にいる人たちが
ぐるっと逆転して人質の立場
になるところは
オマエたち読者も社会の
傍観者でいていいのか？と、
作者に問い詰められているようでした
傍観者でいることの罪を
糾弾する本作
ケイチャン
スズキタゴサクは次の舞台でも
邪悪な演技を
見事に演じることでしょう
作品紹介（出版社より）
法廷に囚われた100人を、ひとり残らず救い出せ！
未曾有の連続爆破事件から一年。
スズキタゴサクの裁判の最中、遺族席から拳銃を持った青年が立ち上がり法廷を制圧した。
「みなさんには、これからしばらくぼくのゲームに付き合ってもらいます」
生配信で全国民が見守るなか、警察は法廷に囚われた100人を救い出せるのか。
籠城犯vs.警察vs.スズキタゴサクが、三つ巴の騙し合い！
作品データ
タイトル：『法廷占拠 爆弾２』
著者：呉勝浩
出版社：講談社
発売日：2024/7/31
作家紹介
呉勝浩（ご・かつひろ）
1981年青森県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。
2015年、『道徳の時間』で第６１回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。
2018年『白い衝動』で第２０回大藪春彦賞受賞。
2018年『ライオン・ブルー』で第３１回山本周五郎賞候補。
2019年『雛口依子の最低な落下とやけくそキャノンボール』で第７２回日本推理作家協会賞（長編および連作短編集部門）候補。
2020年『スワン』で第４１回吉川英治文学新人賞受賞、同作は第７３回日本推理作家協会賞（長編および連作短編集部門）も受賞し、第１６２回直木賞候補ともなった
呉勝浩の作品
『ライオン・ブルー』2017/4/27
『 道徳の時間』2015/8/5
『ロスト』2015/12/9
『蜃気楼の犬』2016/5/31
『白い衝動』2017/1/25
『バッドビート2021/4/15
『雛口依子の最低な落下とやけくそキャノンボール』2021/11/16
『蜃気楼の犬』2016/5/31
『おれたちの歌をうたえ』2021/2/10
『マトリョーシカ・ブラッド』2018/7/21
『道徳の時間』2015/8/5
『スワン』2019/10/31
『法廷占拠 爆弾2』2024/7/31
『爆弾』2022/4/20
『法廷占拠 爆弾２』2024/7/31