【感想】『琥珀の夏』辻村深月|何かを選ぶということは 本当に難しいですね|2021年オススメ本10選

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辻村深月『琥珀の夏』

ケイチャン

ケイチャン

今回ご紹介する一冊は、

辻村深月 著

『琥珀の夏』です。

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【感想】「何かを選ぶということは本当に難しいですね」

少女時代訪れた夏山合宿
子供たちの集団生活は期待と不安で始まり
郷愁をおびた甘く切ない記憶として残るが
・・そこはカルト集団だった

「あれはカルトだから・・」
そう決めつけ、理解不能と切り捨てる残酷さ!
そこにも理想に希望を抱き、現実に悩み傷つく
僕たちと変わらない人々がいるのに

選択肢は多いが、選び取れるものは限られていて
何が正解かわからない、今を生きる僕らに
理想の脆さと、代償の厳しさを問う
真摯な物語です

何かを選ぶということは
本当に難しいですね

#辻村深月 #琥珀の夏 #読了

作品紹介(出版社より)

大人になる途中で、私たちが取りこぼし、忘れてしまったものは、どうなるんだろう――。封じられた時間のなかに取り残されたあの子は、どこへ行ってしまったんだろう。

かつてカルトと批判された〈ミライの学校〉の敷地から発見された子どもの白骨死体。弁護士の法子は、遺体が自分の知る少女のものではないかと胸騒ぎをおぼえる。小学生の頃に参加した〈ミライの学校〉の夏合宿。そこには自主性を育てるために親と離れて共同生活を送る子どもたちがいて、学校ではうまくやれない法子も、合宿では「ずっと友達」と言ってくれる少女に出会えたのだった。もし、あの子が死んでいたのだとしたら……。
30年前の記憶の扉が開き、幼い日の友情と罪があふれだす。

圧巻の最終章に涙が込み上げる、辻村深月の新たなる代表作。

作品データ

タイトル:『琥珀の夏』
著者:辻村深月
出版社:文藝春秋
発売日:2021/8/26

作家紹介

辻村 深月(つじむら・みづき)

1980年山梨県生まれ。山梨県出身。千葉大学教育学部卒業。
2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。
2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞受賞 。
2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞受賞 。
2018年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。
『ふちなしのかがみ』『きのうの影踏み』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『嚙みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』など著書多数。

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辻村深月の作品紹介

『冷たい校舎の時は止まる 上』(2007/8/11)
『子どもたちは夜と遊ぶ 上』 (2008/5/15)
『凍りのくじら』 (2008/11/14)
『ぼくのメジャースプーン』 (2009/4/15)
『スロウハイツの神様 上』 (2010/1/15)
『名前探しの放課後 上』 (2010/9/15)
『ロードムービー』 (2011/9/15)
『太陽の坐る場所』 (2011/6/1)
『ふちなしのかがみ』 (2012/6/22)
『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』 (2012/4/13)
『V.T.R.』(2013/2/15)
『光待つ場所へ』 (2013/9/13)
『ツナグ』(2012/8/27)
『本日は大安なり』 (2014/1/25)
『オーダーメイド殺人クラブ』 (2015/5/20)
『水底フェスタ』(2014/8/6)
『ネオカル日和』(2015/10/15)
『サクラ咲く』(2014/3/12)
『鍵のない夢を見る』(2015/7/10)
『島はぼくらと』(2016/7/15)
『盲目的な恋と友情 』(2017/1/28)
『ハケンアニメ! 』(2017/9/6)
『家族シアター』(2018/4/13)
『朝が来る』(2018/9/4)
『きのうの影踏み』(2018/8/24)
『図書室で暮らしたい』(2020/10/15)
『東京會舘とわたし 上 旧館』(2019/9/3)
『クローバーナイト』(2019/11/12)
『かがみの孤城 上』(2021/3/5)
『青空と逃げる』(2021/7/21)
『噛みあわない会話と、ある過去について』(2021/10/15)
『小説「映画 ドラえもん のび太の月面探査記」』(2019/2/7)
『傲慢と善良』(2019/3/5)
『恋の絵本 すきって いわなきゃ だめ? 』(2019/5/21)
『限定愛蔵版 冷たい校舎の時は止まる 』(2019/6/7)
『ツナグ 想い人の心得 』(2019/10/18)
『琥珀の夏 』(2021/6/9)

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