
ケイチャン
【2025年17冊目】
今回ご紹介する一冊は、
山口未桜 著
『禁忌の子』です。
もくじ
【感想】「犯人逮捕よりも大切なもの」
運ばれてきた遺体は自分そっくりだった
謎を探るうちに判明する自分とは
・・いったい何者なのだろう?
本格的医療ミステリーです
緊急医師の武田さん
続々と急患が訪れる忙しい毎日ですが
もうじき赤ちゃんが産まれることもあり
充実しています
ある日、溺死した全裸遺体が運ばれてくる
それはあり得ないほど自分と酷似した人物
・・これは他人のはずがない
一人で悩むことを諦めた武田は
とある同僚の医師を頼ることにします
べらぼうに男前の先生こと
城崎(きのさき)医師
実は武田さんとは中学時代の同級生でもあり
その冷静な判断力に一目置いている
こうしてホームズとワトソンのごとく
バディを組んだ2人の医師は
推理力と医療知識を駆使して
謎を解き明かしてゆくのだ
作者が医師ということで
披露されるのが医療知識です
さすがは現役プロとでもいう説得力で
ストーリーのリアリティが高まります

ケイチャン
ぐんぐんお話にのめり込む

ケイチャン
本格ミステリーの定番といったら
みんな大好き『密室殺人』ですね
本作の密室はなかなか練り込まれており
・・うん、そうきましたか!と
大満足の出来栄えでした

ケイチャン
陰の主人公というべき
城崎先生のキャラも良く
数式問題を解くような推理が
さすがイケメン!←え?笑
てな感じでした

ケイチャン
物語のテーマとなる『不妊治療』についても
なかなか考えさせるものがあり
ただのエンタメに終わらない
問題提起がありました
まさかの犯人に驚くラストが用意され
探偵役のキャラも立っており
問題提起のテーマも良い

ケイチャン
さすが医師作家!と納得の1冊でした
作品紹介(出版社より)
救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とは――。過去と現在が交錯する、医療×本格ミステリ! 第三十四回鮎川哲也賞受賞作。
作品データ
タイトル:『禁忌の子』
著者:山口未桜
出版社:東京創元社
発売日:2024/10/10
作家紹介
山口未桜(やまぐち・みお)
1987年兵庫県生まれ。神戸大学卒業。現在は医師として働く傍ら、小説を執筆している。
2024年『禁忌の子』で第三十四回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。
山口未桜の作品紹介
『禁忌の子』 2024/10/10