【本の感想】『ひきこもり家族』染井為人|ひきこもりには北風か?それとも太陽か?

【2025年132冊目】
今回ご紹介する一冊は、
染井為人 著
『ひきこもり家族』です。
【感想】「ひきこもりには北風か?それとも太陽か?」
ひきこもりの方を必ず
社会復帰させます!!
でもそのやり方って、どんなの?
人生再建のショック療法を描く物語です
ひきこもりって、罪ですか?
まず登場するのは
2人のひきこもり
ひきこもる事情は違えど
心配する親の気持ちは共通しています
我が子が心配でならない
そんな親御さんが最後に頼るのが
絶対にひきこもりを直します!!と豪語する
『リヴァイブ自立支援センター』です
・・もうこれより、方法がないんだよ・・

でもこの会社はホントに信用できるのかな?
リヴァイブ自立支援センターがとる
ひきこもり対応とは『腕力』でした
実力行使で自宅から連れ出し
遠く離れた施設で監禁します
やり過ぎぐらいにやらなきゃダメなのか?
でも高圧的な施設長が暴力で
ひきこもり達を支配する
恐怖と抑圧の生活では
自立も社会復帰も出来るはずない
しかし転機がやってくる
*注意!以下、核心的なネタバレがあります
いろいろあって施設長を殺してしまう
ひきこもり達の5名は
結果、元気になっちゃいます!!

・・うわぁ、やっちまったよ
ここから染井為人的
ドタバタ劇場の開幕です
前半は廃人的なひきこもりズが
後半は生き生きと無茶苦茶します笑
静と動のギャップが、激しいんだ
アニメ大好きハタチの
僚太(りょうた)くんと
ブラック企業で壊れてしまった
50歳の大知(たいち)さんの
2人の視点を中心にして
物語は進みます
短絡的で感情を優先する僚太と
思考的で理性で動く大知の2人は
対照的な存在です
そんな2人の問題解決策も
真逆でした

ちょっと考えさせられます
最後は警察を巻き込んで
ドタバタ劇は最高潮を迎える

これはバッドエンドかと不安を覚えましたが
染井作品にしては意外な←失礼か?笑
まーまー穏やかなエンディングにホッとしました
ひきこもり達を変える電気ショック的な物語

過保護に守ってばかりでは子供は成長しませんよね

可愛い子には旅させろ!

あなたは子供を旅に出す勇気がありますか?
作品紹介(出版社より)
不登校となり12歳でひきこもりとなった19歳の諒太。母親と二人暮らしの大知はブラック企業で働き心を病んで、20年前からひきこもり44歳となった。双方の家族がすがったのは、新宿にある「リヴァイブ自立支援センター」。強引に自宅から引き出された二人は、すでにそれぞれのひきこもり人生から無理矢理引き出されていたほかの三人、50代の竹之内、40代の亜弥子、20代の玲とともに、元警察官が営む熊本の研修施設で囚人のような生活を強いられる。施設長は辺見未知留というプロレスラーのような巨体の大女だ。悪魔のような彼女に監視され、逃げることもできず未来のない辛い日々が続く。ある日、監獄のような扱いに抗い五人は施設長を殺してしまう。必死にもがき、社会に怯えるように生きてきた彼らの終わりが始まる。注目の作家が放つ、書き下ろし長編ミステリ。
作品データ
タイトル:『ひきこもり家族』
著者:染井為人
出版社:光文社
発売日:2025/8/20
作家紹介
染井為人(そめい・ためひと)
2017年、「悪い夏」で「第37回横溝正史ミステリ大賞」優秀賞を受賞しデビュー。
その他の著作に「正義の申し子」「震える天秤」「正体」がある
染井為人の作品紹介
『悪い夏』 2017/09/29
『正義の申し子』 2018/07/27
『震える天秤』 2019/08/30
『悪い夏』 2017/09/29
『正体』 2022/01/12
『海神』2021/10/19
『鎮魂』2022/5/19
『滅茶苦茶』2023/5/10
『黒い糸』2023/8/30
『歌舞伎町ララバイ』2025/3/19
『ひきこもり家族』2025/8/20


