【感想】『子宝船 きたきた捕物帖2』宮部みゆき|でたらめな吟味なんてやってられるか!

274 views
子宝船 きたきた捕物帖(二)|宮部みゆき

ケイチャン

ケイチャン

【2022年102冊目】

今回ご紹介する一冊は、

宮部みゆき 著

『子宝船 きたきた捕物帖2』です。

PR

【感想】『でたらめな吟味なんてやってられるか!』

人情捕物時代劇

文庫売りの北一(きたいち)が
亡き親分の跡目を継ぐように
岡っ引き見習いとして事件を解決していく
江戸時代人情ミステリーです

今回は持てば赤ちゃんが授かると噂の、宝船の絵
しかし子供が亡くなった家の絵から
弁財天が消えてしまった?の巻と

凄惨な弁当屋一家惨殺事件!の巻

この2つの事件を軸にして
北一の岡っ引き修行の様子と
彼を取り巻く様々な登場人物を描く
群像劇のようなストーリー展開となっています

『でたらめな吟味なんてやってられるか!』

生き生きとした大勢の登場人物と
身近に感じられる江戸の世の描写が
魅力的なこの作品、読みどころ満載ですが
僕はこの時代の岡っ引き=警察制度について語りたいと思います

岡っ引きとは非公認の警察官です
主に軽犯罪者の中からコレって者をリクルートして
奉行所が便利に使っていました
今でいうヤクザの親分みたいなものですね

そんな訳で中にはいい加減な奴が出る

奉行所の捜査も出鱈目です
岡っ引きが捕まえた容疑者を
容赦ない拷問にかける
本書でもこの吟味によって
何人も死にます

で死と引き換えのような自白によって
一件落着というわけです

こんな無茶苦茶でいいのか?

先代の親分を尊敬して
岡っ引きという職務に誇りを持つ北一は
やっつけ仕事のような奉行所に対して
真相を求めてひとり行動する

その北一に陰になり日向になり
協力する仲間たちの様子に胸が熱くなる
・・人情だね

不器用だが真っ直ぐ
思わず助力したくなる北一の人柄に惹かれて
周りの人が寄ってくる
事件を解決するたびに
逞しくなってゆく
北一の成長の物語です

あなたは真っ直ぐに人を見て
助けてって、言えますか?

作品紹介(出版社より)

江戸で噂の、「持つ者は子宝に恵まれる」という宝船の絵。しかし、赤子を失ったある家の宝船の絵から、なぜか弁財天が消えたという。

 時を置かずして、北一もよく知る弁当屋の一家三人が殺される。現場で怪しげな女を目撃した北一は、検視の与力・栗山の命を受け、事件の真相に迫っていく。

 本書は、江戸深川の富勘長屋に住み、小物を入れる文庫を売りつつ岡っ引き修業に励む北一が、風呂屋の釜焚きなのに、なぜかめっぽう強い相棒・喜多次の力を借りながら、不可解な事件を解決していく物語。

 北一の文庫づくりを手伝っているのは、欅屋敷の「若」や用人の青海新兵衛、そして末三じいさん。岡っ引き見習いとしての北一を応援しているのが、亡き千吉親分のおかみさんや大親分の政五郎、政五郎の元配下で昔の事件のことをくまなく記憶している通称「おでこ」たちだ。

 北一応援団とともに謎解き×怪異×人情が愉しめる、著者渾身の大人気シリーズ第二弾!

作品データ

タイトル:『子宝船 きたきた捕物帖2』
著者:宮部みゆき
出版社:PHP研究所
発売日:2022/5/25

作家紹介

宮部 みゆき(みやべ・みゆき)

1960年、東京生れ。
1987年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。
1989年『魔術はささやく』で日本推理サスペンス大賞を受賞。
1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、『本所深川ふしぎ草紙』で吉川英治文学新人賞を受賞。
1993年『火車』で山本周五郎賞を受賞。
1997年『蒲生邸事件』で日本SF大賞を受賞。
1999年には『理由』で直木賞を受賞。
2001年『模倣犯』で毎日出版文化賞特別賞受賞。
2002年には司馬遼太郎賞、芸術選奨文部科学大臣賞(文学部門)を受賞。
2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞を受賞した。
他の作品に『ソロモンの偽証』『英雄の書』『悲嘆の門』『小暮写眞館』『荒神』『この世の春』などがある。

宮部みゆき の作品紹介

パーフェクト・ブルー(1989年2月)
魔術はささやく(1989年12月)
我らが隣人の犯罪(1990年1月)
刑事の子(1990年4月)
レベル7(1990年9月)
龍は眠る(1991年2月)
本所深川ふしぎ草紙(1991年4月)
返事はいらない(1991年10月)
かまいたち(1992年1月)
今夜は眠れない(1992年2月)
スナーク狩り(1992年6月)
火車(1992年7月)
長い長い殺人(1992年9月)
とり残されて(1992年9月)
ステップファザー・ステップ(1993年3月)
震える岩– 霊験お初捕物控(1993年9月)
淋しい狩人(1993年10月)
地下街の雨(1994年4月)
幻色江戸ごよみ(1994年7月)
夢にも思わない(1995年5月)
初ものがたり(1995年7月)
鳩笛草– 燔祭/朽ちてゆくまで(1995年9月)
人質カノン(1996年1月)
蒲生邸事件(1996年10月)
堪忍箱(1996年10月)
心とろかすような– マサの事件簿(1997年11月)
天狗風– 霊験お初捕物控2(1997年11月)
理由(1998年6月)
クロスファイア(1998年10月)
ぼんくら(2000年4月)
あやし(2000年7月)
模倣犯(2001年4月)
R.P.G.(2001年8月)
ドリームバスター(2001年11月)
あかんべえ(2002年3月)
ブレイブ・ストーリー(2003年3月)
ドリームバスター2(2003年3月)
誰か– Somebody(2003年11月)
ぱんぷくりん(2004年6月)
ICO– 霧の城(2004年6月)
日暮らし(2005年1月)
孤宿の人(2005年6月)
ドリームバスター3(2006年3月)
名もなき毒(2006年8月)
楽園(2007年8月)
おそろし– 三島屋変調百物語事始(2008年7月)
英雄の書(2009年2月)
小暮写眞館(2010年5月)
あんじゅう– 三島屋変調百物語事続(2010年7月)
ドリームバスター4– 時間鉱山 前篇(2010年7月)
ドリームバスター5– 時間鉱山 後篇(2010年8月)
お文の影(ばんば憑き)(2011年2月)
チヨ子(2011年7月)
おまえさん(2011年9月)
悪い本(2011年10月)
ここはボツコニアン1(2012年2月)
ソロモンの偽証(2012年8月~10月)
ここはボツコニアン2– 魔王がいた街(2012年11月)
桜ほうさら(2013年3月)
泣き童子– 三島屋変調百物語参之続(2013年6月)
ここはボツコニアン3– 二軍三国志(2013年8月)
ペテロの葬列(2013年12月)
荒神(2014年8月)
ここはボツコニアン4– ほらホラHorrorの村(2014年9月)
悲嘆の門(2015年1月)
過ぎ去りし王国の城(2015年4月)
ここはボツコニアン5FINAL– ためらいの迷宮(2015年9月)
希望荘(2016年6月)
ヨーレのクマー(2016年11月)
三鬼– 三島屋変調百物語四之続(短編集)(2016年12月)
この世の春(2017年8月)
あやかし草紙– 三島屋変調百物語伍之続(2018年4月)
昨日がなければ明日もない(2018年11月)
さよならの儀式(2019年7月)
黒武御神火御殿– 三島屋変調百物語六之続(2019年12月)
きたきた捕物帖(2020年5月)
魂手形– 三島屋変調百物語七之続(2021年3月)
子宝船– きたきた捕物帖(二)(2022年5月)
よって件のごとし 三 島屋変調百物語八之続(2022年7月)

関連記事