短編

【本の感想】『神さまショッピング』角田光代|どの神さまに祈れば、願いが叶うの?

角田光代『神さまショッピング』|ケイチャンブックス
ケイチャン(サカキ ケイ)

【2025年124冊目】

今回ご紹介する一冊は、

角田光代 著

『神さまショッピング』です。

【感想】「どの神さまに祈れば、願いが叶うの?」

短編集

スリランカ、香港、インド、スペイン・・
願いを叶えてくれる神様に
私は、会いに行く!
人に言えない祈りの物語です

悪しき願いを叶えてもらいたいんだ

特に信じる神を持たない僕だけど
お寺に行けばお参りするし、神社を訪れれば参拝します
神域の雰囲気に触れれば祈る気持ちが芽生えますよね

この願い、人に知られたくない

8つの物語からなる本作
どの主人公にも
切実な願いがある
けれどそれは
負の感情
人には言えない、知られたくない
・・私の暗黒面なんだ

そんな願いを叶えるために
私たちは、旅にでるのだ

「どの神さまに祈れば、願いが叶うの?」

明るい青空が描かれる
表紙に騙されてはいけない
角田光代のダークサイド
全開のストーリー展開に
めまいと頭痛がしちゃいます

負のオーラが・・重い

死んでほしい
縁を切りたい
と、願うのは
親や子、そして夫です

強い憎悪は、近親者に湧くもの

でも気が付けば
暗い望みを抱く主人公たちの
深い心の闇を覗くような旅路に
同化していく僕がいました

暗闇には、力がある

深淵を覗き込むような
心の旅を描く物語たち

暗い心こそ、僕たちの本当の姿なのかもしれませんね

あなたなら神さまに何を願いますか?

作品紹介(出版社より)

開運、良縁、健康、商売繁盛、金運、子宝、長寿、縁切り。あなたの願いは何ですか。

夫にも誰にも内緒でひとりスリランカへ向かった私が、善き願いも悪しき願いも叶えてくれる神さまに祈るのは、ぜったい誰にも言えないあのこと──。神楽坂、ミャンマー、雑司ヶ谷、レパルスベイ、ガンジス川。どこへ行けば、願いは叶うのだろう。誰もが何かにすがりたい今の時代に、私のための神さまを求める8人を描く短篇集。

作品データ

タイトル:『神さまショッピング』
著者:角田光代
出版社:新潮社
発売日:2025/9/25

作家紹介

角田 光代(かくた みつよ)

1967年神奈川県生れ。魚座。早稲田大学第一文学部卒業。
1990年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。
1996年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞受賞。
2003年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、2005年『対岸の彼女』で直木賞受賞。
2006年「ロック母」で川端康成文学賞受賞。
2007年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞受賞。
2011年『ツリーハウス』で伊藤整文学賞受賞。
2012年『紙の月』で柴田錬三郎賞、『かなたの子』で泉鏡花文学賞受賞。
2014年『私のなかの彼女』で河合隼雄物語賞を受賞。
著書に『キッドナップ・ツアー』『愛がなんだ』『さがしもの』『くまちゃん』『空の拳』『平凡』『笹の舟で海をわたる』『坂の途中の家』など多数。

角田 光代の作品紹介

『幸福な遊戯』(1991年9月)
『ピンク・バス』(1993年8月)
『学校の青空』(1995年10月)
『まどろむ夜のUFO』(1996年1月)
『ぼくはきみのおにいさん』(1996年10月)
『ぼくとネモ号と彼女たち』(1997年9月)
『夜かかる虹』(1998年1月)
『キッドナップ・ツアー』(1998年11月)
『みどりの月』(1998年11月)
『東京ゲスト・ハウス』(1999年10月)
『真昼の花』(2000年1月)
『菊葉荘の幽霊たち』(2000年4月)
『あしたはうんと遠くへいこう』(2001年9月)
『だれかのいとしいひと』(2002年4月)
『エコノミカル・パレス』(2002年10月)
『空中庭園』(2002年11月)
『銀の鍵』(2003年3月)
『愛がなんだ』(2003年3月)
『ちいさな幸福』(2004年2月)
『トリップ』(2004年2月)
『太陽と毒ぐも』(2004年5月)
『庭の桜、隣の犬』(2004年9月)
『対岸の彼女』(2004年11月)
『人生ベストテン』(2005年3月)
『さがしもの』(2005年5月)
『Presents』(2005年11月)
『おやすみ、こわい夢を見ないように』(2006年1月)
『ドラママチ』(2006年6月)
『夜をゆく飛行機』(2006年7月)
『彼女のこんだて帖』(2006年9月)
『12星座の恋物語』(2006年10月)
『薄闇シルエット』(2006年11月)
『八日目の蝉』(2007年3月)
『ロック母』(2007年6月)
『予定日はジミー・ペイジ』(2007年9月)
『三面記事小説』(2007年9月)
『マザコン』(2007年11月)
『福袋』(2008年2月)
『三月の招待状』(2008年9月)
『森に眠る魚』(2008年12月)
『くまちゃん』(2009年3月)
『ひそやかな花園』(2010年7月)
『なくしたものたちの国』(2010年9月)
『ツリーハウス』(2010年10月)
『かなたの子』(2011年12月)
『曾根崎心中』(2012年1月)
『口紅のとき』(2012年1月)
『紙の月』(2012年3月)
『それもまたちいさな光』(2012年5月)
『月と雷』(2012年7月)
『空の拳』(2012年10月)
『私のなかの彼女』(2013年11月)
『平凡』(2014年5月)
『笹の舟で海をわたる』(2014年9月)
『おまえじゃなきゃだめなんだ』(2015年1月)
『坂の途中の家』(2016年1月)
『拳の先』(2016年3月)
『源氏物語 上』(2017年9月)
『私はあなたの記憶のなかに』(2018年3月)
『源氏物語 中』(2018年11月)
『源氏物語 下』(2020年2月)
『銀の夜』(2020年11月)
タラント』(2022年2月)
『明日も一日きみを見てる』2023/2/10
『ゆうべの食卓』2023/2/15
方舟を燃やす』2024/2/29
あなたを待ついくつもの部屋』2024/7/23
神さまショッピング』2025/9/25

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ABOUT ME
ケイチャン
ケイチャン
サラリーマン読書家
年間150冊以上の本(主に小説)を読む、名古屋で働くサラリーマン【ケイチャン】です。食べることが大好きな僕が撮影している「本のある日常風景」と共に、本の紹介と感想のブログをお楽しみください!オススメの本は?この本気になるけど面白い?…など、読む本に迷った方への参考になれば幸いです。好きな言葉は「花には水を、人には愛を!」【ケイチャンブックス】よろしくお願いします!一緒に読書を楽しみましょう!!
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