ヒューマン

【本の感想】『一橋桐子(79)の相談日記』原田ひ香|高齢化で感性も、老朽化しちゃうの?

原田ひ香『一橋桐子(79)の相談日記』|ケイチャンブックス
ケイチャン(サカキ ケイ)

【2025年119冊目】

今回ご紹介する一冊は、

原田ひ香 著

『一橋桐子(79)の相談日記』です。

【感想】「高齢化で感性も、老朽化しちゃうの?」

お年寄り小説

老朽化した団地の管理人は
人生相談にも乗っちゃいます!
ドラマ化された前作
『一橋桐子(76)の犯罪日記』の続編です

いつまで昭和の感覚で、いるつもり?

高度経済成長期の時代に
全国各地に作られた
団地
僕も子供の頃に住んでいました

老朽化が進んでいます

団地を建て直したいんだが
お年寄りが反対するんです!
と相談を受けた主人公の社長が
白羽の矢を立てたのが
一橋桐子(きりこ)さんです

年若い友人と、管理人になる

ちょうど住処を失った
21歳の雪菜(ゆきな)ちゃんと
住み込みの管理人となるのだが
この団地、なんだかちょっと
問題アリそお!

お掃除や修繕などの管理人業の他
持ち前のフレンドリーショップで
団地の住民たちの信頼を得てゆくが
おやおや?管理組合の役員たちが
なんだか企んでいるようだよ・・

「高齢化で感性も、老朽化しちゃうの?」

お年寄りの高齢化問題と
団地の老朽化問題を
取り扱った本作
なかなか重いテーマに
気が沈むかと思いきや

桐子&雪菜の年の差

凸凹コンビに ふふふ、と笑ってしまった

部屋の数だけ、人生がある

古い団地が舞台とあって
登場人物の年齢も事情も
人それぞれ
背景のドラマも興味深い

大切なものは、なに?

おじいちゃんは体面
おばあちゃんはお金
若者は未来、と
大切なモノも人それぞれ

天然気味な桐子さんとしっかり者の雪菜ちゃんが
それぞれの特性を生かして問題を解決してゆく様子が
頼もしかったです

事情も価値観も
人それぞれなら
自分の特ばかり
考えちゃダメだよね

あなたの感性は老朽化していませんか?
(僕も建て直しが必要かも笑)

作品紹介(出版社より)

一橋桐子が今度は団地の管理人となって帰ってきた。 保険証なし! 相続人なし! お金なし! 団地の住人はくせ者ぞろい!?

作品データ

タイトル:『一橋桐子(79)の相談日記』
著者:原田ひ香
出版社:徳間書店
発売日:2025/8/1

作家紹介

原田ひ香(はらだ・ひか)

1970年神奈川県生れ。
2005年「リトルプリンセス2号」で第34回NHK創作ラジオドラマ大賞受賞。
2007年「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞受賞。
著書に『三千円の使いかた』『そのマンション、終の住処でいいですか?』『古本食堂』『一橋桐子の犯罪日記』『ランチ酒』『事故物件、いかがですか? 東京ロンダリング』『人生オークション』『母親ウエスタン』『彼女の家計簿』『ミチルさん、今日も上機嫌』『三人屋』『ラジオ・ガガガ』などがある。

原田ひ香の作品紹介

『はじまらないティータイム』(2008年1月)
『東京ロンダリング』(2011年7月)
『人生オークション』(2011年10月)
『母親ウエスタン』(2012年9月)
『アイビー・ハウス』(2013年3月)
『彼女の家計簿』(2014年1月)
『ミチルさん、今日も上機嫌』(2014年5月)
『三人屋』(2015年6月)
『ギリギリ』(2015年9月)
『復讐屋成海慶介の事件簿』(2015年11月)
『彼女たちが眠る家』(2016年6月)
『事故物件、いかがですか?』(2016年9月)
『ラジオ・ガガガ』(2017年5月)
『ランチ酒』(2017年11月)
『三千円の使いかた』(2018年4月)
『DRY』(2019年1月)
『そのマンション、終の住処でいいですか?』(2019年4月)
『ランチ酒 おかわり日和』(2019年7月)
『まずはこれ食べて』(2019年12月)
『口福のレシピ』(2020年8月)
『一橋桐子(76)の犯罪日記』(2020年11月)
『サンドの女 三人屋』(2021年2月)
『ランチ酒 今日もまんぷく』(2021年6月)
『母親からの小包はなぜこんなにダサいのか』(2021年9月)
『古本食堂』(2022年3月)
財布は踊る』(2022年7月)
老人ホテル』(2022年10月)
『DRY』 2022/12/13
『口福のレシピ』 2023/02/07
『まずはこれ食べて』2023/04/12
『図書館のお夜食 2023/06/21
『古本食堂』2023/09/18
喫茶おじさん』 2023/10/12
図書館のお夜食』2023/6/21
定食屋「雑」』2024/3/21
古本食堂 新装開店』2024/6/14
月収』2025/2/21
一橋桐子(79)の相談日記』2025/8/1


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サラリーマン読書家
年間150冊以上の本(主に小説)を読む、名古屋で働くサラリーマン【ケイチャン】です。食べることが大好きな僕が撮影している「本のある日常風景」と共に、本の紹介と感想のブログをお楽しみください!オススメの本は?この本気になるけど面白い?…など、読む本に迷った方への参考になれば幸いです。好きな言葉は「花には水を、人には愛を!」【ケイチャンブックス】よろしくお願いします!一緒に読書を楽しみましょう!!
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