【感想】『星を掬う』町田そのこ|自分に自信がない・・愛されたことがないから

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星を掬う|町田そのこ

ケイチャン

ケイチャン

【2022年1冊目】

ハッピーニューイヤー!。

今年最初にご紹介する一冊は、

町田そのこ 著

『星を掬う』です。

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【感想】「自分に自信がない・・愛されたことがないから」

ヒューマンドラマ

母は出て行った
私を捨てて・・

残された千鶴の
挫折と
再会した母と
その同居人たちとの
生活により
自分を取り戻してゆく
再生の物語です

「自分に自信がない・・愛されたことがないから」

母に捨てられた・・
その思いが千鶴を
いつまでも苛む
そう、心の傷は難しい
何度も思い返すたびに
また傷つき
さらに深く自分を
傷つける

愛されない子
その思いが千鶴の自信を奪い
強く見える他者に
依存するようになる
それがたとえ
千鶴を殴る
DVの夫だとしても

物語はDVの元夫から
逃れるために
偶然再会した
母と暮らすところから
ぐっと深度を増します

私を捨てた母
この不幸は母のせい

しかし、母の聖子は
若年性認知症
その進行で
記憶は曖昧に
身体も思うに
ままならなくなる聖子

母を許せない気持ち
母を慕う気持ち
千鶴の心は千々に乱れる

その心を助けるのは
同居人たちの女です
美しい美容師の恵真
家事が得意な彩子
さまざまな問題を抱える
彼女たちとの生活は
千鶴の心を映す鏡となり
自分と向き合うことに

さらに彩子の娘
未成年の妊婦、美保の登場で
母娘の葛藤を他者の視点で見
自分の態度を振り返る

私は自分の失敗を
母に捨てられたせいにしてた
私の人生は
私のものであるのに

千鶴は対峙する
自分を捨てた母と
自分を損なう元夫と
自分を取り戻すために!

悲しくも
美しい物語です
あなたもきっと
千鶴と一緒に
涙する

作品紹介(出版社より)

町田そのこ 2021年本屋大賞受賞後第1作目は、すれ違う母と娘の物語。

千鶴が夫から逃げるために向かった「さざめきハイツ」には、自分を捨てた母・聖子がいた。他の同居人は、娘に捨てられた彩子と、聖子を「母」と呼び慕う恵真。四人の共同生活は、思わぬ気づきと変化を迎え――。

作品データ

タイトル:『星を掬う』
著者:町田そのこ
出版社:中央公論新社
発売日:2021/10/25

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作家紹介

町田そのこ (まちだ・そのこ)

1980年生れ。福岡県在住。
2016年「カメルーンの青い魚」で「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。
2021年『52ヘルツのクジラたち』で本屋大賞を受賞。
他著書に『ぎょらん』『うつくしが丘の不幸の家』『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店』『星を掬う』などがある。

町田そのこの作品紹介

『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』(2017年8月)
『ぎょらん』(2018年10月)
『うつくしが丘の不幸の家』(2019年11月)
『52ヘルツのクジラたち』(2020年4月)
『コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―』(2020年7月)
『星を掬うたち』(2021年10月)
『コンビニ兄弟2―テンダネス門司港こがね村店―』(2021年12月)

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