【本の感想】『ナチュラルボーンチキン』金原ひとみ|卵を産まないニワトリたち

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金原ひとみ『ナチュラルボーンチキン』を読んだ感想とモーニング

ケイチャン

ケイチャン

【2024年168冊目】
今回ご紹介する一冊は、
金原ひとみ 著
『ナチュラルボーンチキン』です。

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【感想】「卵を産まないニワトリたち」

中年小説

全てを諦めていた私を
パーリーな日々連れ出してくれたのは
捻挫で在宅勤務する友人?
人生がきらめきだす爽快な物語です

主人公は45歳ひとり暮らしの
浜野文乃(はまの あやの)さん
昨日と同じ時間に出勤退勤をして
昨日と同じようなご飯を食べる日々

ルーティーンの中にいれば平穏なの

そんな文乃さんに上司から
めんどくさいミッションが下される
ヤバそうな社員がいるから、ちょっと
見てきてよ、と

聞けば、捻挫で出勤出来ないから
在宅勤務するとのことだが
電話にも出ないし困った奴とのこと
いくら勤務が不規則な編集部員でも
いい加減が過ぎるんじゃない?

嫌々ながら問題社員の家に行ってみると
机の上にはホストクラブ(昨夜の)レシート
バルコニーにはシャンパン&生ハム
・・ええ!この人は、何?

この突き抜けた在宅勤務をしていたのは
(しかも全裸で日焼けしながら笑)
20代の平木直理(ひらき なおり)ちゃん
この出会いがきっかけで2人は急速接近

そして文乃さんの人生は、ふたたび
進みだすのだ

「卵を産まないニワトリたち」

ケイチャン

ケイチャン

さて、僕は金原ひとみの大ファンなのですが
金原作品の魅力は、会話パートの楽しさです
もう、無限に読めますね!
今作も文乃&直理の年の差コンビが素晴らしく
2人の楽しく、そしてどこに転がって行くか
わからない刺激的な会話を、堪能しました

ケイチャン

ケイチャン

ホント、好き

ストーリーが進むにつれて
文乃さんがなぜ悲観的で
また手ひどい挫折のために
人生をあきらめていたかが
明らかになります

人生、中年に差し掛かれば
そりゃあ、いろいろ、あるよ!

あきらめ、手放してしまった人生が
楽しい友人と、新しい恋人によって
再び甦ってゆく過程がキラキラと輝き
顔が上がってゆくようです

人生はやり直せる

また、何も持つことが出来なくて
何も生み出すことが出来なくっても
生きているだけで、いいんだよ!と
肯定してくれるストーリー展開が
優しいんだ

ケイチャン

ケイチャン

一度あきらめてしまった
人生を取り戻す再生の物語
人生を楽しめよ!
と応援されているようでした

作品紹介(出版社より)

新しい世界を見せてくれ――。ルーティンを愛する45歳事務職×ホスクラ通いの20代パリピ編集者。同じ職場の真逆のタイプの女から導かれて出会ったのは、忘れかけていた本当の私。「この物語は、中年版『君たちはどう生きるか』です。」――金原ひとみ

仕事と動画とご飯というルーティン。
それが私で、私の生活だ。自分には何もない。(本文より)

毎日同じ時間に出勤退勤し、同じようなご飯とサブスク動画を詰め込む「ルーティン人生」を送る、45歳一人暮らしの「兼松書房」労務課勤務・浜野文乃(はまのあやの)。ある日、上司の指示で、「捻挫で三週間の在宅勤務」を続ける編集者・平木直理(ひらきなおり)の自宅へ行くと、そこにはホストクラブの高額レシートの束や、シャンパングラスと生ハム、そして仕事用のiPadが転がっていて――。

Amazonオーディブルで大反響!
「登場人物全員が愛おしい」「今の自分に必要な作品」「最後は感涙」…etc.

慣れきった日常に光を与える、爽快ミラクル・ストーリー!

作品データ

タイトル:『ナチュラルボーンチキン』
著者:金原ひとみ
出版社:河出書房新社
発売日:2024/10/3

作家紹介

金原ひとみ(かねはら・ひとみ)

1983年東京生まれ。
2003年『蛇にピアス』で第27回すばる文学賞を受賞。
2004年、同作で第130回芥川賞を受賞。ベストセラーとなり、各国で翻訳出版される。
2010年『TRIP TRAP』で第27回織田作之助賞を受賞。
2012年『マザーズ』で第22回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。
2020年『アタラクシア』で第5回渡辺淳一文学賞を受賞。
2021年『アンソーシャル ディスタンス』で第57回谷崎潤一郎賞を受賞。他『パリの砂漠、東京の蜃気楼』、『ミーツ・ザ・ワールド』等がある。

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金原ひとみの作品紹介

『ナイン・ストーリーズ・オブ・ゲンジ』2008/10/31
『ハイドラ』2007/04/01
『憂鬱たち』2009/09/29
『マリアージュ・マリアージュ』2012/11/30
『軽薄』2016/02/26
『クラウドガール』2017/01/06
『星へ落ちる』2007/12/05
『オートフィクション』2006/07/05
『AMEBIC 2005/07/06』
『持たざる者』2015/04/24
『アッシュベイビー』2004/04/27
『TRIP TRAP トリップ・トラップ』2009/12/25
『fishy』2020/09/07
『パリの砂漠、東京の蜃気楼』2020/04/23
『マザーズ』2011/07/01
ミーツ・ザ・ワールド』2022/01/05
『アタラクシア』2019/05/24
『アンソーシャル ディスタンス』2021/05/26
デクリネゾン』2022/08/26
腹を空かせた勇者ども』2023/06/14
ハジケテマザレ』2023/10/5
ナチュラルボーンチキン』2024/10/3

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