ケイチャン
【2023年146冊目】
今回ご紹介する一冊は、
金原ひとみ 著
『ハジケテマザレ』です。
もくじ
【感想】「陽キャなパリピに振り回されたい!」
イタリアンレストラン『フェスティヴィタ』の
バイト仲間たちが夜な夜な繰り広げるは
現代のサバトか?笑
若者たちの非日常な、日常を描く物語です
この陽キャどもが、悪魔的にオモシロイ!
自動小銃を乱射するかのような
ガールズトークから始まるのは
閉店後の休憩室のシーンです
さあ、ここからが本番だよw
夜と酔いが深まったころ
さあ、出かけよう
ここからは非日常の
スタートなのさw
読者のアバターとなる
主人公の真野ちゃんは
派遣切りから止む無くバイトとなった
普通で平凡な20代なかばの女の子です
・・年下でも敬語で話しちゃうんだ
そんな彼女を引っ張り回すのが
古参バイト先輩のマナルイコンビ
イベンターのヤクモ
かわいいオブかわいいメイちゃん
などフェスティヴィタの個性的な面々
元カレん家を襲撃、監禁!
真夜中の初クラブ!
完徹からの激辛イベント!
・・もう毎日が、楽しいんだ!!
世界は陽キャで回っている
芥川賞作家の鬼才、金原ひとみらしい
勢いのある物語です
陽キャどもに腕を引っ張られて
駆け抜けていくような楽しさ♪
さらに会話パートが
怒涛のマシンガントークで
めちゃくちゃに撃ち抜かれるような
暴力的なオモシロさなのだ
ぶっ飛んだ内容が
登場人物たちの個性を引き立てて
陽キャどもをぐっと身近に感じます
こんな友達が欲しいぜ
そんな陽キャどもを
凄いな~羨ましいな~
と思う真野ちゃん
特別じゃない自分を
無価値と感じてしまうんだ
しかし陽キャどもは逆に
真野のそんな普通のところを
しっかりと認めていたのでした
だって・・
世界は普通の人が支えているから
居心地のよい
フェスティヴィタの休憩室から
新しい世界へと飛び立つ
真野ちゃんのカオには
笑顔が浮かんでいたに違いありません
陽キャでも、陰キャでも
変わっても、変わらなくっても
それでいいじゃん!
と、まるごと自分を肯定してくれるような
タイトル通りの明るい物語でした
この本を読んだら
あなたもきっと
友達と飲み踊り騒いで
カレーを食べたくなるはずww
作品紹介(出版社より)
バイト仲間のYouTuber彼氏を襲撃、先輩に誘われて初めてのクラブで爆踊り、激辛フェスで後輩のプロポーズをプロデュース……
「普通は尊いし、普通は貴重だし、普通はむしろ普通じゃありません」
コロナで派遣切りにあった「私」は食い繋ぐためにイタリアンレストラン「フェスティヴィタ」に辿りつく。ベテランのマナルイコンビ、超コミュニカティブでパーリ―ピーポーのヤクモ、大概の欠点ならチャラになるくらいかわいいメイちゃん、カレーとDJに目覚めたフランス人のブリュノ、ちょっとうさんくさい岡本くん……バイト仲間との愉快で切実な日々を描いた作品集。
「ウルトラノーマル」なわたしが「ハジケテマザル」、最高のバイト小説!
作品データ
タイトル:『腹を空かせた勇者ども』
著者:金原ひとみ
出版社:講談社
発売日:2023/10/5
作家紹介
金原ひとみ(かねはら・ひとみ)
1983年東京生まれ。
2003年『蛇にピアス』で第27回すばる文学賞を受賞。
2004年、同作で第130回芥川賞を受賞。ベストセラーとなり、各国で翻訳出版される。
2010年『TRIP TRAP』で第27回織田作之助賞を受賞。
2012年『マザーズ』で第22回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。
2020年『アタラクシア』で第5回渡辺淳一文学賞を受賞。
2021年『アンソーシャル ディスタンス』で第57回谷崎潤一郎賞を受賞。他『パリの砂漠、東京の蜃気楼』、『ミーツ・ザ・ワールド』等がある。
金原ひとみの作品紹介
『ナイン・ストーリーズ・オブ・ゲンジ』2008/10/31
『ハイドラ』2007/04/01
『憂鬱たち』2009/09/29
『マリアージュ・マリアージュ』2012/11/30
『軽薄』2016/02/26
『クラウドガール』2017/01/06
『星へ落ちる』2007/12/05
『オートフィクション』2006/07/05
『AMEBIC 2005/07/06』
『持たざる者』2015/04/24
『アッシュベイビー』2004/04/27
『TRIP TRAP トリップ・トラップ』2009/12/25
『fishy』2020/09/07
『パリの砂漠、東京の蜃気楼』2020/04/23
『マザーズ』2011/07/01
『ミーツ・ザ・ワールド』2022/01/05
『アタラクシア』2019/05/24
『アンソーシャル ディスタンス』2021/05/26
『デクリネゾン』2022/08/26
『腹を空かせた勇者ども』2023/06/14
『ハジケテマザレ』2023/10/5