【感想】『八月の御所グラウンド』万城目学| 野球とは、生きる喜び

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八月の御所グラウンド|万城目学

ケイチャン

ケイチャン

【2023年137冊目】
今回ご紹介する一冊は、

万城目学
『八月の御所グラウンド』  です。

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【感想】「野球とは、生きる喜び

青春スポーツ系?小説

ナイスタイミングで現れた
あの助っ人は、なにもの?
灼熱の八月の京都で出会う
朝の涼風のような物語です

不可思議って、素敵なことだね

2編の短編が収められています

まず『十二月の都大路上下ル』
上下ル、で(かける)と読ませます
京都風な読み方ですね
女子全国高校駅伝のお話

物見遊山で駅伝に
京都へ来てみたんだが
え!まさか私が走るんですか?
しかもアンカーじゃないか!!

天然直情系のサカトゥーちゃんが
たいへん好感を持てる主人公で
わちゃわちゃわいわいする
女子高生の姿が微笑ましい

そして表題作の
『八月の御所グラウンド』
よもやの展開で
予想外の方向へ転がる
万城目ワールドが広がります

酷暑の京都
早朝から野球をすると
いうので来てみれば・・
人数が足らないじゃん!

けど、ご安心を
この野球大会は
必ず助っ人が現れるのです
まるで夏の蜃気楼のように・・

「野球とは、生きる喜び」

現れた助っ人は
球界の栄誉として
名を残す
沢村栄治でした

最初のプロ野球選手として
活躍した沢村栄治ですが
時は第2次世界大戦中
沢村も2度招集されて
若くして帰らぬ人となる

それが野球をしたくて
しれっと現代によみがえるんだ

なんでこんな素人の
野球大会に現れるのか?
きっとただ純粋に
野球をしたいんじゃ
ないんでしょうか?

ただ漫然と生き
グダグダと学生生活を
謳歌する主人公たちは
沢村たちの登場によって
自分達がいかに恵まれていて
幸せの最中にいることに気が付き
衝撃を受けたのではないでしょうか?

自分の生の価値に気が付いた時
胸の奥で火が灯る・・
夏の夜に燃える大文字焼きが
彼の心の内を映すようでした

歴史ある京都を
舞台とした2作品

あれえ?と不可思議に
しっとりと甘く優しく
そしてニタニタと笑えるのに
時として切ない・・そんな
青春そのものな万城目ワールドに
あなたも訪れてみませんか?

作品紹介(出版社より)

ホルモー・シリーズ以来16年ぶりとなる京都を舞台に、青春感動作が誕生。
絶望的に方向音痴な女子高校生が、都大路にピンチランナーとして挑む「十二月の都大路上下ル」、ある大学生が、借金のカタに早朝の御所Gで謎の草野球大会・たまひで杯に参加する表題作。
京都で起きる、幻のような出会いが生んだドラマとは――。じんわり優しく、少し切ない人生の、愛しく、ほろ苦い味わいを綴る傑作二篇を収録。

作品データ

タイトル:『八月の御所グラウンド』
著者:万城目学
出版社:文藝春秋
発売日:2023/8/3

作家紹介

万城目 学(まきね・まなぶ)

1976年大阪府生まれ。京都大学法学部卒業。
2006年にボイルドエッグズ新人賞を受賞した『鴨川ホルモー』でデビュー。
ほかの小説作品に『鹿男あをによし』『プリンセス・トヨトミ』『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』『偉大なる、しゅららぼん』『とっぴんぱらりの風太郎』『悟浄出立』『バベル九朔』『パーマネント神喜劇』『ヒトコブラクダ層ぜっと』など、エッセイ作品に『べらぼうくん』『万感のおもい』などがある。

万城目学の作品紹介

『鴨川ホルモー』 2006/04/01
『鹿男あをによし』 2007/04/01
『ホルモー六景』 2007/11/22
『ザ・万歩計』 2008/03/01
『プリンセス・トヨトミ』 2009/02/26
『ザ・万遊記』 2010/04/23
『偉大なる、しゅららぼん』 2011/04/26
『とっぴんぱらりの風太郎』 2013/09/28
『悟浄出立』 2014/07/22
『バベル九朔』 2016/03/19
『パーマネント神喜劇』 2017/06/22
『べらぼうくん』 2019/10/11
ヒトコブラクダ層ぜっと』(上) 2021/06/23
ヒトコブラクダ層ぜっと』(下) 2021/06/23
『万感のおもい』 2022/05/10
八月の御所グラウンド』 2023/08/03

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