【感想】『プレデター』あさのあつこ|自分に不都合な真実を、聞くことができるか?

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プレデター|あさのあつこ 

ケイチャン

ケイチャン

【2023年136冊目】

今回ご紹介する一冊は、

あさのあつこ

『プレデター』です。

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【感想】「自分に不都合な真実を、聞くことができるか?」

近未来ディストピア小説

事件を追う記者は
大きな権力の邪魔者なのか?
捕食者(プレデター)に追われる
記者を描く物語です

現在のメキシコを連想させる
暗黒のジャーナリズム

みなさんは、今
メキシコで起こっている
ジャーナリストの大量殺人のことを
ご存知でしょうか?

2000年から150人以上
昨年の2022年は
13人のジャーナリストが
殺害されました

共通するのは
現政権を批判した者
ということですが
恐ろしい国ですね

背景には現在の大統領が
会見の際に記者を批判して
悪者(記者)になにをしても
いいのだ!という雰囲気を
助長させているからです

社会の空気というものは
とても重要なんですね

さて本作の舞台は
近未来の日本です
社会の格差が広がり
居住エリアが明確に分かれています

新しい身分制度の誕生です

しかし、あまり不満が聞かれない
逆に、国民の満足度は増しているのだ
それは、何故か?

「自分に不都合な真実を、聞くことができるか?」

情報統制
不都合な真実は、隠される
また自分の社会ランクに
満足するように、促さられる

でも社会からこぼれ落ちて
しまう人もいる
それが
子供たち、でした

子どもたちが人身売買されている!
その情報を追う、記者の明海 和(あけみ かず)
しかし、真実に近づいた瞬間
襲撃を受けるのだった

和たち、記者の抵抗は
蟷螂の斧として
終わってしまうのだろうか?

第二次世界大戦の前に
各メディアで流されたのが
日本、スゴイ最高!
外国人は日本に憧れている!
だから日本は正しいのだ←的な
報道だそうです

あれれ?今の日本でも
こういったTV番組が
流行っていないか?

自分たちが
心地良い情報のみ接し
不都合な真実から
目をつむる・・

そんな現状に
警鐘を鳴らすかのような
ディストピア小説でした

目をつむり
耳をふさいで
みんなと同じ方向へ
進む先には

奈落の穴が
ぽっかりと開いている
のかも知れないですね

僕はしっかりと
目を見開いて
道を進んでいきたいと思います

作品紹介(出版社より)

「あなたはなぜ、この取材を始めたのです?」
明海和(あけみ・かず)はストリートチルドレンの取材を続けるうち、謎の集団・プレデターに襲撃される——。

都市再開発計画の名のもとに首都が七つのゾーンに区切られ、格差社会化が進む2032年の日本。
web情報誌“スツール”の記者・明海和は、独自に子ども狩と人身売買の取材を続けていたところ、カササギと名乗る人物に突き当たる。和が待ち合わせ場所に行くと、そこに現れたのはまだ十代の男性だった。彼は、これ以上取材を続けると「殺されますよ」と警告する。
なぜ、子どもたちの取材をすることが危険なのか? なぜ、国際的なモデル都市でストリートチルドレンが生まれるのか? 和は、自身の父も“闇の子どもたち”の取材をしていたことを明かすが……。

ジュブナイル小説の名手による新たな代表作誕生!!
格差社会の闇に切り込む、ディストピア長編。

作品データ

タイトル:『プレデター』
著者:あさのあつこ
出版社:集英社
発売日:2023/7/26

作家紹介

あさのあつこ

1954年、岡山県生れ。青山学院大学文学部卒業。
小学校講師として勤務の後、1991年に作家デビュー。
1997年『バッテリー』で野間児童文芸賞。
1999年『バッテリーII』で日本児童文学者協会賞。
2005年『バッテリーI〜VI』で小学館児童出版文化賞。
2011年『たまゆら』で島清恋愛文学賞を受賞。
「NO.6」シリーズ、「The MANZAI」シリーズ、「弥勒」シリーズ、「闇医者おゑん秘録帖」シリーズなど著書多数。
リズミカルで詩的な広がりを感じさせる文章と、瑞々しく繊細な心情描写から生まれる共感度の高い作品が人気を博し、ファンタジーから時代小説まで幅広いジャンルの物語を紡ぎ続けている。

あさのあつこの作品紹介

「バッテリー」シリーズ
「NO.6」シリーズ
「The MANZAI」シリーズ
「弥勒」シリーズ
「闇医者おゑん秘録帖」シリーズ

…など多数

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