ケイチャン
今回ご紹介する一冊は、
島本理生 著
『星のように離れて雨のように散った』です。
もくじ
【感想】「私は、ここにいる!」
ああ、もう、ほんとに
僕はあなたに伝えたい
「島本理生は素晴らしい」と
大学院生、春(ハル)は
父の失踪のために
自己肯定が低い
恋にためらい
望むものも、持てない
得られないなら、望まない
それは自分を守る殻
生まれなければ、世界は開けない
戸惑いながらも
自分を取り戻し
周りの優しさに気づく
春の物語です
島本理生のバランス感絶妙な
心像描写がホント好き
作品紹介
行方不明の父、未完の『銀河鉄道の夜』、書きかけの小説。三つの未完の物語の中に「私」は何を見い出すのか?
人生の岐路に立つ女子大学院生を通して描く、魂の彷徨の物語。世界が新型コロナウイルスに見舞われた夏、日本文学科の大学院生の春は創作による修士論文と宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を
扱った副論文の準備をしていた。未だ書かれずにいる春の小説と未完に終わった賢治の作品への思い。そこには幼いころに
失踪した父の存在が影を落としていた。父との記憶を掘り起こすうちに、現在の自身の心の形も浮き彫りになっていく。
すると、彼氏の亜紀君との関係が現在のままでよいのか、という疑問が春の中に生まれて……。
作品データ
タイトル:『星のように離れて雨のように散った』
著者:島本理生
出版社:文藝春秋
発売日:2021/7/28
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