直木賞候補

【本の感想】『乱歩と千畝』青柳碧人|やりたい事より、やるべき事が大切なのか?

青柳碧人『乱歩と千畝』|ケイチャンブックス
ケイチャン(サカキ ケイ)

【2026年10冊目】

今回ご紹介する一冊は、

青柳碧人 著

『乱歩と千畝』です。

【感想】「やりたい事より、やるべき事が大切なのか?」

173回直木賞候補作

己の使命とどう向き合うか?
探偵小説家、江戸川乱歩と
外交官、杉原千畝の交流を描く
一念を貫いた人生の物語です

点と点を繋ぐ、生涯の友人

共に愛知県出身で早稲田大学の学生だった2人
まだ若く何者でもなかった太郎(乱歩)と
千畝が蕎麦屋で出会うシーンからスタート
何者かになろうともがく姿が、青春です!

性格の違いが、相性の良さ?

そんな2人が再び出会うのが
乱歩が許婚から逃げ回る時でした
でたらめな性格の乱歩に引きずら
れるように浅草をさまよう様子に
若さってイイな!と思ってしまう

だけど時代が慌ただしく回るのだ

それぞれ信じる道を進み始めるが
時代は急展開を迎える
満州事変から第二次世界大戦を経て
戦後の時代まで2人はどう生きたのか?

「やりたい事より、やるべき事が大切なのか?」

ロシア政情のエキスパートとして
キャリアを積み上げる、千畝
しかし満州事変から関東軍の
陰謀に巻き込まれ謀略の駒として
活用されることになる

こんなことしたくないのに・・

一方、乱歩は探偵作家として
明智小五郎と怪人二十面相を生み
人気作家ともてはやされるのだが
本当に書きたい物語に悩み苦しみ
逃げ出すこともしばしばです

書くことが苦しい・・

そんな悩む2人を支えるのが
芯の強い、奥様なのだ
時に慰め、時に叱咤する
それぞれの妻は裏の主人公とも
言うべき存在感を放ちます

女性は、偉大だ!

時代小説でもある本作
戦前から戦中そして戦後へと
大河ドラマのように翻弄される
激動の昭和の人々が描かれます

思うようにならない人生でも
懸命に生きる2人の姿が
尊い!

偉人たちの知られざる
交流を描く物語でした

あなたにも会う時間は短くても友達と呼べる人がいますか?

作品紹介(出版社より)

大学の先輩後輩、江戸川乱歩と杉原千畝。まだ何者でもない青年だったが、夢だけはあった。希望と不安を抱え、浅草の猥雑な路地を歩き語り合い、それぞれの道へ別れていく……。若き横溝正史や巨頭松岡洋右と出会い、新しい歴史を作り、互いの人生が交差しつつ感動の最終章へ。「真の友人はあなただけでしたよ」──泣ける傑作。

作品データ

タイトル:『乱歩と千畝』
著者:青柳碧人
出版社:新潮社
発売日:2025/5/14

作家紹介

青柳碧人(あおやぎ・あいと)

1980年千葉県生れ。早稲田大学卒業。
2009年『浜村渚の計算ノート』でデビュー。
『むかしむかしあるところに、死体がありました。』で第17回本屋大賞にノミネート。
他の著書に、『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』『名探偵の生まれる夜 大正謎百景』の他、「西川麻子シリーズ」「猫河原家の人びとシリーズ」など多くの人気シリーズを手がける。

青柳碧人の作品紹介

『浜村渚の計算ノート』2009/7/22
『判決はCMのあとで ストロベリー・マーキュリー殺人事件』2012/2/25
『希土類少女』2012/4/29
『国語、数学、理科、誘拐』2013/7/9
『国語、数学、理科、漂流』2016/12/19
『ナゾトキ・ジパング』2022/6/24
『名探偵の生まれる夜 大正謎百景』2022/12/19
『ナゾトキ・ジパング HANABI』2024/8/21
『令和忍法帖』2025/2/12
乱歩と千畝』2025/5/14

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ケイチャン
ケイチャン
サラリーマン読書家
年間150冊以上の本(主に小説)を読む、名古屋で働くサラリーマン【ケイチャン】です。食べることが大好きな僕が撮影している「本のある日常風景」と共に、本の紹介と感想のブログをお楽しみください!オススメの本は?この本気になるけど面白い?…など、読む本に迷った方への参考になれば幸いです。好きな言葉は「花には水を、人には愛を!」【ケイチャンブックス】よろしくお願いします!一緒に読書を楽しみましょう!!
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