【本の感想】『超 すしってる』須藤アンナ|ただの人間のまま、生きてていいんだよ

【2026年2冊目】
今回ご紹介する一冊は、
須藤アンナ 著
『超 すしってる』です。
【感想】「ただの人間のまま、生きてていいんだよ」
東大受験に失敗した私は
・・すしになるしかない!
超展開に脳みそがバグる
悩める暴走青春小説です
きっと何者にもなれないお前たちに告げる!

ところでみなさんは受験に失敗したことはありますか?
高校受験に落ち大学受験でも落ちまくった僕には、この物語の出だしに共感しかありませんでした
東大に落ちた
ガックリと意気消沈する主人公の
相川咲弥(あいかわ さくや)ちゃん
冷徹な態度からイギリスの『鉄の女』を
もじった愛称でサッチャーと呼ばれる
彼女ももうがっくりがっかりなのです
不合格となったその足で中学からの
イツメンと集まるサッチャーですが
傷をなめ合うようなおしゃべりにも
まったく気分は晴れません
そんな彼女に届くのが
『西東京すし養成大学』からの
合格通知だった!

・・え、受験してないのに何故?
すし養成とは、なんぞや?
疑問しかない大学にとりあえず
行ってみるとそこに集まったのは
昨夜傷をなめ合ったイツメン達と
怪しさを通り越して親近感すら
覚えてしまう学長の
板ノ上真魚(いたのうえ まお)先生でした
そしてあらゆる疑問を差し置いて
わけのわからない超展開が続く
すしになる授業が始まるのでした
合格おめでとう
この言葉が嬉しくて
アヤシイ学校に通う
サッチャー達の気持ちがよく分かる

肯定されるって、嬉しいよね
わけわからん授業を
ワイワイと楽しそうに受ける
個性的なイツメンとの毎日に
僕も楽しくなってしまう
しかし、この毎日でいいのか?
我慢を強いられた高校生活
何者にかになるために
東大生になるために
ずっとがんばってきましたが
・・なれなかった・・
そんなサッチャー達に
提示されるのが
人間をやめ、すしになるという
究極の選択でした
さて悩めるサッチャーに
決断のきっかけを与えるのが
いままで疎遠と感じていた
家族です
近すぎて、遠かった、家族たち
心を開いて言葉を重ねるうちに
自分の本当の気持ちに気が付く
・・わたしはわたしで、いいんだ
そして対峙する板ノ上学長との
わけのわからない最終決戦に
僕の脳みそはキャパシティを越えて
もう爆発しちゃいそうでした笑

なんだこの話は?笑
ぶっとびまくった展開と
個性が強すぎる文体に驚きつつも
意外と納まりのよいエンディングに
おもしろかったな・・と思えました
自分を肯定出来る
自分でいれたら
いいですね!

あなたは何者にもなれない自分を好きですか?
作品紹介(出版社より)
「すし」になりたい。さもなくば何にもなりたくない。東大に落ちた女子高生・サッチャーのもとに届いたのは「西東京すし養成大学」の合格通知だった。異色の不条理青春ラプソディ、爆誕!
作品データ
タイトル:『超 すしってる』
著者:須藤アンナ
出版社:中央公論新社
発売日:2025/12/8
作家紹介
須藤アンナ(すどう・あんな)
2001年東京都生まれ。
2024年『グッナイ・ナタリー・クローバー』で第37回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。
須藤アンナの作品紹介
『グッナイ・ナタリー・クローバー』2025/2/26
『超 すしってる』2025/12/8


