【感想】『カモナマイハウス』重松清|家も家族も、メンテナンスが大切だよね

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カモナマイハウス|重松清

ケイチャン

ケイチャン

【2023年114冊目】

今回ご紹介する一冊は、

重松清 著

『カモナマイハウス』です。

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【感想】「家も家族も、メンテナンスが大切だよね」

青春小説

お母さんの走馬灯に
私はいるの?
母親に捨てられた娘の
心の成長を辿る優しい物語です

あやしい旅行社、ブレーメン・ツアーズ

祖母を亡くし、天涯孤独となった
高校生の遥香(はるか)ちゃんに
奇想天外な依頼が舞い込む
それが・・
走馬灯を描く手伝いをしてもらいたい
でした
で、走馬灯ってなーに?

それは人が死ぬ時
最後に見る、夢
自分の一生を辿る、物語
人生の総決算です

もとより才能のある
遥香ちゃんはこの依頼を受けます
人の最後を彩る大事な仕事
私もしっかり手伝うんだ

しかし人の心は
複雑で難しいもの
高校生の遥香ちゃんには
理解しがたいことが
たくさんあります
・・不倫の思い出なんか、
走馬灯に出しちゃっていいの!

「失敗が良い思い出に変わるの?」

お調子者の同級生、ナンユウくんと
ブレーメン・ツアーズのお手伝いをする
それは人の一生を振り返ること
そして遥香ちゃんにも
自分の人生を振り返る
転機が訪れます

自分を捨てた母と
どう向き合えばいいの?

出奔した母親が現れたのです
しかも余命いくばくもない
末期ガンの状態で
でも・・記憶もない母と会い
どうすればいいの?

怒るべきなのか
許すべきなのか
戸惑い悩む、遥香ちゃん
だが母に残された時間は
あとわずか
・・私はどうすればいいの?

揺れる遥香ちゃんを
支えて見守る
ブレーメン・ツアーズの面々に
ナンユウくんそして叔父さんが
ひたすら優しい

わだかまりある母娘関係
ぱんぱんに膨れ上がった
遥香ちゃんの心情描写に
ぐぐっと物語に入れ込みます
がんばれ、遥香!

そして訪れる
母娘の対面シーンは
こんがらった糸を
丁寧にほぐすようでした
ううう遥香ちゃん、良かったね

弱くて間違いの多い人生
けどそれが失敗って訳じゃない
おおらかに包み込むような
人間賛歌の物語でした

あなたの走馬灯に
出て来てもらいたい人は
誰ですか?

作品紹介(出版社より)

空き家の数だけ家族があり、家族の数だけ事情がある――。不動産会社で定年間近の孝夫。妻の実家が、意外な空き家再生事業の標的になり……。「家」を舞台に広がる涙と笑いの長編ドラマ。

作品データ

タイトル:『カモナマイハウス』
著者:重松清
出版社:中央公論新社
発売日:2023/7/20

作家紹介

重松清(しげまつ・きよし)

196年、岡山県生れ。出版社勤務を経て執筆活動に入る。
1991年『ビフォア・ラン』でデビュー。
1999年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、同年『エイジ』で山本周五郎賞を受賞。
2001年『ビタミンF』で直木賞。
2010年『十字架』で吉川英治文学賞。
2014年『ゼツメツ少年』で毎日出版文化賞を受賞。現代の家族を描くことを大きなテーマとし、話題作を次々に発表している。著書は他に、『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『きみの友だち』『カシオペアの丘で』『青い鳥』『くちぶえ番長』『せんせい。』『とんび』『ステップ』『かあちゃん』『ポニーテール』『また次の春へ』『赤ヘル1975』『一人っ子同盟』『どんまい』『木曜日の子ども』『ひこばえ』『ハレルヤ!』など多数。

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