短編

【本の感想】『あなたを待ついくつもの部屋』角田光代|記憶の万華鏡に残るホテル

角田光代『あなたを待ついくつもの部屋』
ケイチャン(サカキ ケイ)

【2025年96冊目】

今回ご紹介する一冊は、

角田光代 著

『あなたを待ついくつもの部屋』です。

【感想】「記憶の万華鏡に残るホテル」

ショートショート

全国3カ所の帝国ホテルを舞台にした
1話5ページほど、全42編の
人とホテルの物語です

僕はまだ帝国ホテルに泊まったことがありません

帝国ホテルの会報誌に11年間
連載したお話をまとめた1冊

高級ホテルに泊まるのは、どんな時?

旅行・記念日・会食
心に残る特別な日を演出する
舞台装置のようなものが
ホテルかも知れないですね

そんな42人それぞれの物語が
カレイドスコープのように
クルクルと煌めいて回ります
そこに映る人々に何を思うの?

「記憶の万華鏡に残るホテル」

東京・大阪・上高地の3カ所にある
高級ホテル
そこに集う人たちは様々だけど
特別な人じゃない

僕よりもちょっとお金はあるだろうけど笑

そんな人々がそれぞれの思いをもち
ホテルで迎える特別な時間が
尊いです

圧倒的に読みやすいショートショートの魅力

1話5ページほどと短く
メリハリ良く読みやすい
僕は2カ月くらいかけてゆっくりと
この本をめくりました
休憩時間のような読書です

人生を豊かに彩るホテル

大切な人と過ごす時間
あるいは自分を大切に
するために過ごす時間
そこに帝国ホテルが寄り添う

余裕がない日々だからこそ
こんなホテルライフをちょっと贅沢に僕も妻と過ごしてみたいな!

あなたの記憶に残るホテルは
どこですか?

作品紹介(出版社より)

舞台は帝国ホテル。じんわり心が温まる、42編のショートストーリー

母に教わった「バーの味」、夫婦で訪れた憧れの上高地……。
全国3か所の帝国ホテルを舞台に織りなす、めくるめく部屋の物語。

帝国ホテル発行の会報誌「IMPERIAL」で11年間にわたって連載した、42編のショートショートを一冊にまとめました。
幻想的な夢の世界を描くものもあれば、現実の夫婦を描いたものもあり、また過去と現在を行き来して語るものも。42編すべて趣向の違う、角田光代さんの幅の広さを思い知る短編集です。
1話5ページで読める短い文章量ながら、じんわりと心が温まり、時には泣け、時には笑えるストーリーが詰まっています。

(収録作)
クロークに預けたままの、亡夫の荷物。夫の秘密がそこにあるのか――開いた鍵の先に、妻が見たものは(秘密を解く鍵)
半年に一度しか会えない小学校6年生の娘。連れだってブフェに行くも、娘はなかなかマスクを外さない(父と娘の小旅行)
窓から射しこむ朝の光、錆びた流し台にしたたる水滴の音――ホテルで眠る夜、どこかで出会った部屋たちの夢をみる(表題作・あなたを待ついくつもの部屋) 
他、全42編。

作品データ

タイトル:『あなたを待ついくつもの部屋』
著者:角田光代
出版社:文藝春秋
発売日:2024/7/23

作家紹介

角田 光代(かくた みつよ)

1967年神奈川県生れ。魚座。早稲田大学第一文学部卒業。
1990年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。
1996年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞受賞。
2003年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、2005年『対岸の彼女』で直木賞受賞。
2006年「ロック母」で川端康成文学賞受賞。
2007年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞受賞。
2011年『ツリーハウス』で伊藤整文学賞受賞。
2012年『紙の月』で柴田錬三郎賞、『かなたの子』で泉鏡花文学賞受賞。
2014年『私のなかの彼女』で河合隼雄物語賞を受賞。
著書に『キッドナップ・ツアー』『愛がなんだ』『さがしもの』『くまちゃん』『空の拳』『平凡』『笹の舟で海をわたる』『坂の途中の家』など多数。

角田 光代の作品紹介

『幸福な遊戯』(1991年9月)
『ピンク・バス』(1993年8月)
『学校の青空』(1995年10月)
『まどろむ夜のUFO』(1996年1月)
『ぼくはきみのおにいさん』(1996年10月)
『ぼくとネモ号と彼女たち』(1997年9月)
『夜かかる虹』(1998年1月)
『キッドナップ・ツアー』(1998年11月)
『みどりの月』(1998年11月)
『東京ゲスト・ハウス』(1999年10月)
『真昼の花』(2000年1月)
『菊葉荘の幽霊たち』(2000年4月)
『あしたはうんと遠くへいこう』(2001年9月)
『だれかのいとしいひと』(2002年4月)
『エコノミカル・パレス』(2002年10月)
『空中庭園』(2002年11月)
『銀の鍵』(2003年3月)
『愛がなんだ』(2003年3月)
『ちいさな幸福』(2004年2月)
『トリップ』(2004年2月)
『太陽と毒ぐも』(2004年5月)
『庭の桜、隣の犬』(2004年9月)
『対岸の彼女』(2004年11月)
『人生ベストテン』(2005年3月)
『さがしもの』(2005年5月)
『Presents』(2005年11月)
『おやすみ、こわい夢を見ないように』(2006年1月)
『ドラママチ』(2006年6月)
『夜をゆく飛行機』(2006年7月)
『彼女のこんだて帖』(2006年9月)
『12星座の恋物語』(2006年10月)
『薄闇シルエット』(2006年11月)
『八日目の蝉』(2007年3月)
『ロック母』(2007年6月)
『予定日はジミー・ペイジ』(2007年9月)
『三面記事小説』(2007年9月)
『マザコン』(2007年11月)
『福袋』(2008年2月)
『三月の招待状』(2008年9月)
『森に眠る魚』(2008年12月)
『くまちゃん』(2009年3月)
『ひそやかな花園』(2010年7月)
『なくしたものたちの国』(2010年9月)
『ツリーハウス』(2010年10月)
『かなたの子』(2011年12月)
『曾根崎心中』(2012年1月)
『口紅のとき』(2012年1月)
『紙の月』(2012年3月)
『それもまたちいさな光』(2012年5月)
『月と雷』(2012年7月)
『空の拳』(2012年10月)
『私のなかの彼女』(2013年11月)
『平凡』(2014年5月)
『笹の舟で海をわたる』(2014年9月)
『おまえじゃなきゃだめなんだ』(2015年1月)
『坂の途中の家』(2016年1月)
『拳の先』(2016年3月)
『源氏物語 上』(2017年9月)
『私はあなたの記憶のなかに』(2018年3月)
『源氏物語 中』(2018年11月)
『源氏物語 下』(2020年2月)
『銀の夜』(2020年11月)
タラント』(2022年2月)
『明日も一日きみを見てる』2023/2/10
『ゆうべの食卓』2023/2/15
方舟を燃やす』2024/2/29
あなたを待ついくつもの部屋』2024/7/23

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ABOUT ME
ケイチャン
ケイチャン
サラリーマン読書家
年間150冊以上の本(主に小説)を読む、名古屋で働くサラリーマン【ケイチャン】です。食べることが大好きな僕が撮影している「本のある日常風景」と共に、本の紹介と感想のブログをお楽しみください!オススメの本は?この本気になるけど面白い?…など、読む本に迷った方への参考になれば幸いです。好きな言葉は「花には水を、人には愛を!」【ケイチャンブックス】よろしくお願いします!一緒に読書を楽しみましょう!!
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