ケイチャン
【2024年61冊目】
今回ご紹介する一冊は、
原田マハ 著
『板上に咲く MUNAKATA:Beyond Van Gogh』です。
もくじ
【感想】 「夢と情熱と愛で、彫る」
ゴッホに憧れた青年は
いかにして
世界のムナカタになったのか?
棟方志功と妻チヤの軌跡を辿る物語です
唯一無二の個性が生まれる
ただただ絵が好き
そんな鍛冶屋の子どもが
ゴッホに憧れて
がむしゃらに絵を描く
そんな棟方の姿を
妻チヤの視点で辿り
物語は進みます
が、前半は苦しい描写が続く
とにかく貧乏!
ろくに稼ぎもないのに結婚し
ポコポコと子供を作る
棟方とチヤの様子に
令和の僕は驚きました
え?そんなんで、やっていけるの?
やっていけるんです
人生に必要なのは、お金じゃない
夢と情熱と愛
人生に必要なのは、これなんだ!
やがて絵画ではなく
版画の道に進む棟方
そんな彼を妻チヤは
信じて支えます
熱いですね
そしてついに棟方は
見つかるのです
彼の才能に衝撃を受け
支援する人たちが続々と出る
心躍るサクセスストーリの始まりです
国内の大きな賞を
次々と受賞し
さらに海外でも
認められる棟方
世界のムナカタの誕生です
そんな彼を支え続けた
妻チヤの姿が美しい
夜中に欠かさず墨を擦るシーンが
毎日お弁当を作る僕の妻と重なりました
妻は偉大ですね
夢を追う芸術家の夫婦を描く本作
支え合って生きる2人の姿が
理想の夫婦像に見えました
胸の深いところまで熱くなる一冊でした
作品紹介(出版社より)
原田マハ3年ぶり長編アート小説がついに単行本に!
「ワぁ、ゴッホになるッ!」
1924年、画家への憧れを胸に裸一貫で青森から上京した棟方志功。
しかし、絵を教えてくれる師もおらず、画材を買うお金もなく、弱視のせいでモデルの身体の線を捉えられない棟方は、展覧会に出品するも落選し続ける日々。
そんな彼が辿り着いたのが木版画だった。彼の「板画」は革命の引き金となり、世界を変えていくーー。墨を磨り支え続けた妻チヤの目線から、日本が誇るアーティスト棟方志功を描く。
感涙のアート小説。
作品データ
タイトル:『板上に咲く MUNAKATA:Beyond Van Gogh』
著:原田マハ
出版社:幻冬舎
発売日:2024/3/6
作家紹介
原田マハ(はらだ・まは)
1962年、東京都生まれ。作家。関西学院大学文学部日本文学科および早稲田大学第二文学部美術史科卒業。
馬里邑美術館、伊藤忠商事を経て、森ビル森美術館設立準備室在籍中の2000年、ニューヨーク近代美術館に半年間派遣。
2005年『カフーを待ちわびて』で日本ラブストーリー大賞を受賞し、翌年デビュー。
2012年に発表したアートミステリ『楽園のカンヴァス』は山本周五郎賞、R-40本屋さん大賞、TBS系「王様のブランチ」BOOKアワードなどを受賞、ベストセラーに。
2016年『暗幕のゲルニカ』がR-40本屋さん大賞受賞。
2017年『リーチ先生』が新田次郎文学賞を受賞。
その他の作品に『本日は、お日柄もよく』『ジヴェルニーの食卓』『デトロイト美術館の奇跡』『常設展示室』『風神雷神』『リボルバー』などがある。
原田マハの作品紹介
『カフーを待ちわびて』(2006年3月)
『一分間だけ』(2007年4月)
『普通じゃない。』(2007年9月)
『ランウェイ☆ビート』(2008年1月)
『#9(ナンバーナイン)』(2008年3月)
『夏を喪くす(ごめん)』(2008年5月)
『さいはての彼女』(2008年9月)
『おいしい水』(2008年11月)
『キネマの神様』(2008年12月)
『花々』(2009年3月)
『ギフト』(2009年7月)
『翼をください』(2009年9月)
『独立記念日』(2010年3月)
『星がひとつほしいとの祈り』(2010年4月)
『本日は、お日柄もよく』(2010年8月)
『風のマジム』(2010年12月)
『小説 星守る犬』(2011年6月)
『まぐだら屋のマリア』(2011年7月)
『でーれーガールズ』(2011年9月)
『永遠をさがしに』(2011年11月)
『楽園のカンヴァス』(2012年1月)
『旅屋おかえり』(2012年4月)
『生きるぼくら』(2012年9月)
『ジヴェルニーの食卓』(2013年3月)
『総理の夫– First Gentleman』(2013年7月)
『ユニコーン– ジョルジュ・サンドの遺言』(2013年9月)
『翔ぶ少女』(2014年1月)
『太陽の棘』(2014年4月)
『奇跡の人– The Miracle Worker』(2014年10月)
『あなたは、誰かの大切な人』(2014年12月)
『異邦人』(2015年3月)
『モダン』(2015年4月)
『ロマンシエ』(2015年11月)
『暗幕のゲルニカ』(2016年3月)
『デトロイト美術館の奇跡』(2016年9月)
『リーチ先生』(2016年10月)
『サロメ』(2017年1月)
『アノニム』(2017年6月)
『たゆたえども沈まず』(2017年10月)
『スイート・ホーム』(2018年3月)
『常設展示室– Permanent Collectio』n(2018年11月)
『美しき愚かものたちのタブロー』(2019年5月)
『20CONTACTS 消えない星々との短い接触』(2019年8月)
『風神雷神Juppiter,Aeolus』(2019年10月)
『〈あの絵〉のまえで』(2020年3月)
『ハグとナガラ』(2020年10月)
『キネマの神様 ディレクターズ・カット』(2021年3月)
『リボルバー』(2021年5月)
『総理の夫 FIrst Gentleman 愛蔵版』(2021年7月)
『丘の上の賢人 旅屋おかえり』(2021年12月)
『黒い絵』(2023年11月)
『お帰り キネマの神様』(2023年11月)
『板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh』(2024年3月)