【感想】『イクサガミ 地』今村翔吾|最弱のカードが切り札となるのか?

255 views
イクサガミ 地 |今村翔吾

ケイチャン

ケイチャン

【2023年95冊目】

今回ご紹介する一冊は、

今村翔吾

『イクサガミ 地』です。

PR

【感想】「最弱のカードが切り札となるのか?」

剣激アクション時代小説

蟲毒に集った剣客共が
東海道を血に染めながら
東京目指して驀進中!
白刃煌めく決闘ロードノベルです

今回のメイン舞台は
僕の地元の愛知県です(嬉)

前巻で京都を発した
『蟲毒』に集った面々たち
切り合い、殺し合いながら
やって来たのは現代の知立市です

池鯉鮒(ちりゅう)って読めますか?

いきなり余談ですが
超難題地名の池鯉鮒(ちりゅう)
これをすらっと読める方は
相当な時代通ですね!
尊敬しちゃいます

さて蟲毒開始直後は
いがみ合っていた
京八流後継者の面々が
なんとなく和解し
協力し合う雰囲気です

主人公の愁二郎(しゅうじろう)を
あれほど憎んでいたのに、何故?

その和解には
アンタなんでココにいるの?
で話題の弱冠12歳の少女
蟲毒参加者中、最弱の双葉ちゃんが
大きな鍵となっています

「最弱のカードが切り札となるのか?」

この弱き者を守らねばならない!

殺人など、屁とも思わない
倫理観ゼロの者たちを
まとめあげて
協力させて
味方とするチカラが
双葉ちゃんにはあります

物語も中盤を迎えて
誰が味方で
誰が敵なのかが
重要なポイントとなってきました

本巻の中頃から
次第に蟲毒の黒幕が
明らかとなって来て
終盤戦への期待も高まります

もはや魔人とも言える
幻刀斎(げんとうさい)や
狂気の破滅系剣客、無骨(ぶこつ)
はたまた異色の英国騎士ギルバートの
ハチャメチャな活躍もあり
物語はさらに混沌としてきました

さあ、目的地の東京もすぐそこ

次巻が最終巻であろう
『イクサガミ 人』が
待ちきれないですね!

作品紹介(出版社より)

討て。生きるため。
武士の時代の終幕――魂の戦い!

読者の熱烈な支持を受けた、明治バトルロイヤル譚。
待望の第2巻!

〈あらすじ〉
東京を目指し、共に旅路を行く少女・双葉が攫われた。
夜半、剣客・愁二郎を待ち受けていたのは、十三年ぶりに顔を合わせる義弟・祇園三助。
東海道を舞台にした大金を巡る死闘「蠱毒」に、兄弟の宿命が絡み合う――。
文明開化の世、侍たちの『最後の戦い』を描く明治三部作。待望の第2巻!

2巻続けて、発売即重版!

私を、今年最も興奮と陶酔の坩堝に叩き込んだ一作がこれだ。
――縄田一男(文芸評論家)

☆★第1巻『天』が続々ランクイン、大反響!☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 第1位! ――「時代小説SHOW」2022年時代小説ベスト10 文庫書き下ろし部門
 第2位! ――読書メーター OF THE YEAR 2022 第2位

作品データ

タイトル:『イクサガミ 地』
著者:今村翔吾
出版社:講談社
発売日:2023/5/16

タイトル:『イクサガミ 天』
著者:今村翔吾
出版社:講談社
発売日:2022/2/15

作家紹介

今村 翔吾(いまむら・しょうご)

1984(昭和59)年、京都生れ。
2017(平成29)年『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビュー。同作で歴史時代作家クラブ賞・文庫書き下ろし新人賞を受賞。
2018年「童神」(刊行時『童の神』と改題)で角川春樹小説賞を受賞。
2020年『八本目の槍』で吉川英治文学新人賞受賞。
2021年「羽州ぼろ鳶組」シリーズで吉川英治文庫賞受賞。
2022年『塞王の楯』で直木賞受賞。
他の著書に「くらまし屋稼業」シリーズ、『ひゃっか! 全国高校生花いけバトル』、『てらこや青義堂師匠、走る』などがある。

PR

今村翔吾の作品

『火喰鳥 – 羽州ぼろ鳶組』(2017年3月)
『夜哭烏– 羽州ぼろ鳶組 2』(2017年7月)
『九紋龍– 羽州ぼろ鳶組 3』(2017年11月)
『鬼煙管– 羽州ぼろ鳶組 4』(2018年2月)
『菩薩花– 羽州ぼろ鳶組 5』(2018年5月)
『くらまし屋稼業』(2018年7月)
『夢胡蝶– 羽州ぼろ鳶組 6』(2018年8月)
『春はまだか– くらまし屋稼業』(2018年8月)
『童の神』(2018年9月)
『ひゃっか!– 全国高校生花いけバトル』(2018年10月)
『狐花火– 羽州ぼろ鳶組 7』(2018年11月)
『夏の戻り船– くらまし屋稼業』(2018年12月)
『てらこや青義堂師匠、走る』(2019年2月)
『玉麒麟– 羽州ぼろ鳶組 8』(2019年3月)
『秋暮の五人– くらまし屋稼業』(2019年4月)
『双風神– 羽州ぼろ鳶組 9』(2019年7月)
『八本目の槍』(2019年7月)
『冬晴れの花嫁– くらまし屋稼業』(2019年8月)
『黄金雛– 羽州ぼろ鳶組 零』(2019年11月)
『花唄の頃へ– くらまし屋稼業』(2020年2月)
『じんかん』(2020年5月)
『襲大鳳(上)– 羽州ぼろ鳶組』(2020年8月)
『襲大鳳(下)– 羽州ぼろ鳶組』(2020年10月)
『立つ鳥の舞– くらまし屋稼業』(2021年2月)
『塞王の楯』(2021年10月)
イクサガミ 天』(2022年2月)
『恋大蛇– 羽州ぼろ鳶組 幕間』(2022年3月)
幸村を討て』(2022年3月)
『風待ちの四傑 くらまし屋稼業』(2022年5月)
イクサガミ 天』(2022年2月)

関連記事