【本の感想】『イクサガミ 神』今村翔吾|この力は、弱き者を守るもの!

【2025年131冊目】
今回ご紹介する一冊は、
今村翔吾 著
『イクサガミ 神』です。
【感想】「この力は、弱き者を守るもの!」
目も眩むような大金を手に入れろ!
武士の時代の終焉で最後に煌めく
剣豪たちの戦いを描くシリーズ
最終決戦の巻です
真の強者とは、何者なのか?
第1巻で京都の天龍寺に集った
『蟲毒』の参加者292名も
第4巻となる本作冒頭では
9名にまで減りました
なんて過酷なデスゲーム!
さて舞台はいよいよ目的地の東京
ゴール地点の上野寛永寺へ向かう
ラスト1日にスポットを当て
戦いの火ぶたが切って落とされる
主人公の愁二郎が使う『京八流』と
朧流の幻刀斎の世代を超えた因縁
『蟲毒』主催者の野望・・などなど
全ての伏線が回収され
謎が明らかとなります
次々と明かされる事実に目が離せない!

わくわくするような武術と、必殺奥義が炸裂するバトルシーンの連続に、どきどきが止まりません
今村版、甲賀忍法帖だね
また個性豊かな登場人物たちが
魅力的なのが本シリーズの特徴
それぞれの背後譚に思わず
感情移入してしまう
そんな彼(彼女)らが
バタバタと死んでいくのだ

情け容赦ないストーリー展開に感情がついていけません

そんな中で強く感じたのが『他者を思う心』でした
京八流の奥義継承者たちが、バトンを渡すように思いを繋げてゆくシーンには、じ~んとしちゃいました
そして最後に行き着くのが
蟲毒参加中の最弱ヒロイン
弱冠12歳の双葉ちゃんです
誰をも傷つけることのない
彼女こそが真の強者です
折れない純粋な心こそ最強なのだ
凄惨なバトルロワイアルが
彼女の存在によって
逆転し
清涼感となるほどでした
魔人・超人たちが繰り広げる、なんでもアリな剣戟バトルロワイアル

シリーズ最終巻にふさわしい結末も良い作品でした

あなたはどのキャラに感情移入しましたか?
作品紹介(出版社より)
戦え。もう一度生きるために。
蠱毒〔デスゲーム〕が終わる。
残り九人――。堂々の最終巻!
〈あらすじ〉
最終決戦、開幕。
東京は瞬く間に地獄絵図に染まった。
血と慟哭にまみれる都心の一角で双葉は京八流の仇敵、幻刀斎に出くわしてしまった。
一方の愁二郎は当代最強の剣士と相まみえることに――。
戦う者の矜持を懸けた「蠱毒」がとうとう終わる。
八人の化物と、少女一人。生き残るのは誰だ。
作品データ
タイトル:『イクサガミ 神』
著者:今村翔吾
出版社:講談社
発売日:2025/8/8
タイトル:『イクサガミ 人』
著者:今村翔吾
出版社:講談社
発売日:2024/11/15
タイトル:『イクサガミ 地』
著者:今村翔吾
出版社:講談社
発売日:2023/5/16
タイトル:『イクサガミ 天』
著者:今村翔吾
出版社:講談社
発売日:2022/2/15
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作家紹介
今村 翔吾(いまむら・しょうご)
1984(昭和59)年、京都生れ。
2017(平成29)年『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビュー。同作で歴史時代作家クラブ賞・文庫書き下ろし新人賞を受賞。
2018年「童神」(刊行時『童の神』と改題)で角川春樹小説賞を受賞。
2020年『八本目の槍』で吉川英治文学新人賞受賞。
2021年「羽州ぼろ鳶組」シリーズで吉川英治文庫賞受賞。
2022年『塞王の楯』で直木賞受賞。
他の著書に「くらまし屋稼業」シリーズ、『ひゃっか! 全国高校生花いけバトル』、『てらこや青義堂師匠、走る』などがある。
今村翔吾の作品
『火喰鳥 – 羽州ぼろ鳶組』(2017年3月)
『夜哭烏– 羽州ぼろ鳶組 2』(2017年7月)
『九紋龍– 羽州ぼろ鳶組 3』(2017年11月)
『鬼煙管– 羽州ぼろ鳶組 4』(2018年2月)
『菩薩花– 羽州ぼろ鳶組 5』(2018年5月)
『くらまし屋稼業』(2018年7月)
『夢胡蝶– 羽州ぼろ鳶組 6』(2018年8月)
『春はまだか– くらまし屋稼業』(2018年8月)
『童の神』(2018年9月)
『ひゃっか!– 全国高校生花いけバトル』(2018年10月)
『狐花火– 羽州ぼろ鳶組 7』(2018年11月)
『夏の戻り船– くらまし屋稼業』(2018年12月)
『てらこや青義堂師匠、走る』(2019年2月)
『玉麒麟– 羽州ぼろ鳶組 8』(2019年3月)
『秋暮の五人– くらまし屋稼業』(2019年4月)
『双風神– 羽州ぼろ鳶組 9』(2019年7月)
『八本目の槍』(2019年7月)
『冬晴れの花嫁– くらまし屋稼業』(2019年8月)
『黄金雛– 羽州ぼろ鳶組 零』(2019年11月)
『花唄の頃へ– くらまし屋稼業』(2020年2月)
『じんかん』(2020年5月)
『襲大鳳(上)– 羽州ぼろ鳶組』(2020年8月)
『襲大鳳(下)– 羽州ぼろ鳶組』(2020年10月)
『立つ鳥の舞– くらまし屋稼業』(2021年2月)
『塞王の楯』(2021年10月)
『イクサガミ 天』(2022年2月)
『恋大蛇– 羽州ぼろ鳶組 幕間』(2022年3月)
『幸村を討て』(2022年3月)
『風待ちの四傑 くらまし屋稼業』(2022年5月)
『イクサガミ 天』(2022年2月)
『イクサガミ 人』2024/11/15
『イクサガミ 神』2025/8/8


