【感想】『チュベローズで待ってる AGE22』加藤シゲアキ|全てを失った僕に怖いものなどない

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チュベローズで待ってる AGE22|加藤シゲアキ

ケイチャン

ケイチャン

【2022年132冊目】
今回ご紹介する一冊は、
加藤シゲアキ 著
『チュベローズで待ってる AGE22』です。

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【感想】「全てを失った僕に怖いものなどない」

エンタメ青春小説

就職活動が全滅し自暴自棄になっていた僕は
夜の渋谷でホストに拾われたんだ

就職浪人のために大学を留年した金平光太(こうた)は
源氏名を光也(みつや)として
ホストクラブ・チュベローズで学費を稼ぐこととなる
そこに現れたのが光太が一番入りたかったゲーム会社の
最終面接官であり、光太を落とした張本人である
美津子であった

「全てを失った僕に怖いものなどない」

父は事故死
母はうつ病
まだ幼い妹を養うために
慣れないホスト稼業を右往左往しながら
もがくホスト光也こと光太の頑張りに
エールを送りたくなります

光太を拾ったNO.1ホストである雫の後釜になるために
ホスト業界でのし上がる光也の姿にスポットが当てられが
実はキーマンはネギを背負ったカモのごとく現れる
美津子であった

あなたを落としたのは私なの

贖罪のために夜ごと光也を指名する美津子
太客として彼女をカモる光也
しかも光太の来年の就職活動のために個別指導をする
その熱心な姿に次第に美津子に惹かれゆく光太

こちらが次巻への大きな伏線となっています

チュベローズでの問題を乗り越えて
NO.1ホストに成り上がる光也

また美津子の指導の成果で
念願のゲーム会社への就職も決まった光太

全てが順調に終わるかと思ったその時
暗転する世界
美津子は自分の部屋で首を吊り
自らの命を絶っていたのでした
(次巻に続く)

挫折から成功へと向かう
青春サクセスストーリーのような上巻ですが
実は下巻に向けていつくもの伏線を散りばめています

鍵となるのがマキャベリの『君主論』

自分の意志を貫いているのは、誰なのか
目的の為に策謀を巡らせているのは、自分なのか
そもそも自分は主人公であるのか
誰かに操られるマリオネットではないのか?

何故、美津子は死ななければならなかったのか

大きな謎を残して
続く下巻に期待が高まる

作品紹介(出版社より)

就職活動に挫折した22歳の光太は、カリスマホストの雫にスカウトされ、歌舞伎町のホストクラブ「チュベローズ」で働きはじめた。夜の世界の苛烈な洗礼を浴び戸惑う光太だが、客としてやってきた女性、美津子が憧れのゲーム会社に勤めていることを知り、彼女を誘惑して自らの夢に近づくために利用しようとする――。野心と策略とが渦を巻く、最も危険なノワール・エンタテインメント、開幕編。

作品データ

タイトル:『チュベローズで待ってる AGE22』
著者:加藤シゲアキ
出版社:新潮社
発売日:2022/6/27

作家紹介

加藤シゲアキ(かとう・しげあき)

1987(昭和62)年、大阪府出身。青山学院大学法学部卒。
NEWSのメンバーとして活動しながら、2012(平成24)年1月に『ピンクとグレー』で作家デビュー。
その後もアイドルと作家活動を両立させ、2021(令和3)年『オルタネート』で吉川英治文学新人賞、高校生直木賞を受賞。同作は直木賞候補にもなり話題を呼んだ。
他の小説作品に『閃光スクランブル』『Burn.―バーン―』『傘をもたない蟻たちは』『チュベローズで待ってるAGE22・AGE32』、エッセイ集に『できることならスティードで』がある。

加藤シゲアキの作品紹介

『ピンクとグレー 』2012/01/28
『閃光スクランブル』 2013/02/26
『Burn.‐バーン‐』2014/03/21
『傘をもたない蟻たちは 』2015/06/01
『できることならスティードで』 2020/03/06
『オルタネート』 2020/11/19
『1と0と加藤シゲアキ』 2022/09/30
チュベローズで待ってる AGE22』2022/06/27
『チュベローズで待ってる AGE32』2022/06/27

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