ケイチャン
【2024年116冊目】
今回ご紹介する一冊は、
村木嵐 著
『まいまいつぶろ 御庭番耳目抄』です。
もくじ
【感想】「心の声が聞こえるかい?」
口が回らず誰にも言葉がわからない
そんな臣従を周囲はどう見ていたか?
9代将軍徳川家重と側近大岡忠光を
とりまく人々の物語です
名君、徳川吉宗の子として
障害を持って産まれたのが
『まいまいつぶろ』こと
9代将軍の徳川家重です
痙攣のために喋っても
何を言っているのかわからない
手が震えているので
字を書くことも出来ない
ケイチャン
意思疎通が出来ません
そんな彼の言葉をたった
一人の者が理解する
それが小姓の大岡忠光です
ケイチャン
・・けどそれホントなの?
だって私たちにはわからないんだ
将軍がホントに喋っているのか
それとも側近の忠光がテキトーに自分の
都合よいことを言ってるんじゃないか?
2人を理解出来ない者は
何を見て信じればいいんだろう・・
おばあちゃんから見た、孫
ライバルから見た、次代将軍
息子から見た、父
妻から見た、夫と将軍
そしてすべてを知る隠密から見た
家重と忠光の姿が語られます
登場人物たちはだいたい、いい人で
忠義の向かうベクトルが違うだけ
という感じでした
好感がもてますが・・じれったくもある
と、言いたい笑
ケイチャン
人情味にあふれるストーリーに
うるうると胸が熱くなりました
理解しがたい人とどう接するか?
異質な人をどう受け入れるのか?
ケイチャン
多様性が叫ばれる現代にも繋がる
テーマに考えさせられました
ケイチャン
障害を持つ将軍を描く感動作
登場人物たちの心の声が
耳に残る物語でした
作品紹介(出版社より)
「二間先の音まで聞こえるが、
上様の言葉だけ聞き取れない。
せめて、お心は解したい--。」青名半四郎。又の名を、万里。
徳川吉宗・家重の将軍二代に仕えた御庭番は、
江戸城の深奥で、何を見、何を聞いたのか?隠密秘話に胸熱くなる、『まいまいつぶろ』完結編。
麻痺を抱え、廃嫡も噂されていた九代将軍・徳川家重と、
彼の言葉を唯一聞き取ることができた側近の忠光。
二人の固い絆を描き、
日本中を感涙の渦に巻き込んだ『まいまいつぶろ』から一年。徳川吉宗の母・浄円院の口から出た孫・家重廃嫡の真意とは。
老中首座を追われた松平乗邑が向かった先は。
家治が父・家重の言葉を聞き取れなくなった理由。
折り紙一枚も受け取るなと厳命された忠光の妻・志乃の胸の内。
そして、全てを見てきた隠密、万里が最後に会いに行った人物とは……。
作品データ
タイトル:『まいまいつぶろ 御庭番耳目抄』
著者:村木嵐
出版社:幻冬舎
発売日:2024/5/22
タイトル:『まいまいつぶろ』
著者:村木嵐
出版社:幻冬舎
発売日:2023/5/24
作家紹介
村木嵐(むらき・らん)
1967年京都市生まれ。会社勤務等を経て、司馬遼太郎氏の夫人である福田みどり氏の個人秘書を十九年間務める。
2010年『マルガリータ』で第十七回松本清張賞を受賞し、作家デビュー。
2023年『まいまいつぶろ』で第十三回本屋が選ぶ時代小説大賞、第十二回日本歴史時代作家協会賞作品賞を受賞。
村木嵐の作品紹介
『マルガリータ』2010/6/25
『遠い勝鬨』2012/2/25
『船を待つ日 小坂屋お嬢の江戸見廻り始末』2012/6/25
『多助の女』 2013/5/15
『雪に咲く』2013/12
『船を待つ日 – 古物屋お嬢と江戸湊人買い船』2014/5
『風を待つ日 – 古物屋お嬢と知恵伊豆様の落書』 2014/6/25
『頂上至極』2015/10
『島津の空 帰る雁』2015/12/10
『火狐 八丁堀捕物始末』2016/2/15
『地上の星』2016/9/25
『やまと錦』2016/9/25
『夏の坂道』2019/3
『天下取』 2020/3/24
『せきれいの詩』2020/6
『にべ屋往来記』2022/1/11
『阿茶』2022/3/24
『まいまいつぶろ』2023/5/24
『まいまいつぶろ 御庭番耳目抄』2024/5/22
『まいまいつぶろ』村木嵐
まずはこちらを読んでみては⁈