【感想】『妖の絆』誉田哲也|執念に見合う対価はあるのだろうか?

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妖の絆 妖シリーズ|誉田哲也

ケイチャン

ケイチャン

【2023年29冊目】

今回ご紹介する一冊は、

誉田哲也 著

『妖の絆』です。

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【感想】「執念に見合う対価はあるのだろうか?」

伝奇時代小説

夜に生き、人を喰らう魔人
闇神(ヤガミ)の活躍を描いた
妖(あやかし)シリーズの3作めです
今度の敵は忍者軍団だッ!

前2作は現代が舞台でしたが
本作は江戸時代で紅鈴(べにすず)と
欣治(きんじ)の出会いを描く
ストーリとなっております

江戸時代ってゆったら吉原で花魁だよね笑

そんな皆さんの期待に応えるべく
紅鈴ちゃんが女郎となり
10人、20人と抜きまくる大活躍で
アダルト色の強い作品となっています

「執念に見合う対価はあるのだろうか?」

さて紅鈴ら闇神が天秤の右ならば
左のお皿に乗ってくるのが
闇神探索を使命とする忍者軍団
百地(ももち)一族です

一族の悲願、闇神を捉える機会を得て
執念の追跡がなされます
物語は紅鈴と百地一族の視点を
交互に行き来しながら展開します

粘っこいストーリー展開が
病みつきになりそうです

また『人殺しの誉田』本領発揮で
主要登場人物も
あっさりと殺してしまう
この無常感がたまらない

誉田作品はホント油断ならないですね
心情が入れ込んできた人物が
さっくっと死んでしまう
オイオイ!もう殺しちゃうの~
そりゃないよ~
と、なるこの展開の速さよ

軽快で軽妙な会話パートと
ドンドン人が死ぬハード展開の
ギャップが激しいところが
誉田作品の魅力のひとつなのでしょう

一族の悲願を叶えるべく
執念の探索をする百地一族
永遠の命を持て余すように
彷徨う紅鈴ら闇神の宿命

どちらにも心がひっぱられて
綱引きの『綱』のようです
張りつめた綱引きの勝敗は
さあどちらに軍配があがるか?
それは読んでのお楽しみです笑

あなたも永遠の命が
欲しいと思いますか?

作品紹介(出版社より)

誉田哲也の原点「妖シリーズ」、エピソード・ゼロ!

頼むよ。俺を、鬼にしてくれよ

親を失い、貧しさに喘ぐ少年。
江戸の闇に生きる美しき謎の女。
偶然の出会いが、永遠の絆となる--。

最強のヒロイン×バイオレンス・アクション×純愛
誉田節炸裂の「妖シリーズ」エピソード・ゼロ

 人の血を啜り、闇から闇へと生きる絶世の美女・紅鈴が、江戸の世で出会ったひとりの少年、欣治。吉原に母を奪われ、信じていた大人たちにも裏切られた。そんな絶望の中でなお、懸命に生きる欣治との出会いが、孤独な闇を生きてきた紅鈴に思いがけない感情を芽生えさせる。
「こんな腐った世の中に、こんなにも清い魂があるものか。この汚れなき魂を、あたしは守りたい」
 欣治を“鬼”にする――。その、後戻りできない決断の先に待ち受ける運命とは⁉


美しく、凶暴なまでに一途なダークヒロイン、ふたたび

作品データ

タイトル:『妖の絆』
著者:誉田哲也
出版社:文藝春秋
発売日:2022/12/13

作家紹介

誉田哲也(ほんだ・てつや)

1969年東京生まれ。
2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞しデビュー。
2003年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。
警察小説として『ストロベリーナイト』をはじめとする〈姫川玲子シリーズ〉、〈ジウ・サーガ〉、青春小説として『武士道シックスティーン』をはじめとする〈武士道シリーズ〉など、幅広いジャンルで話題作を発表し続けている。他の著書に『あなたが愛した記憶』『背中の蜘蛛』『もう、聞こえない』など多数。

誉田哲也の作品紹介

『妖の華』(2003/1)
『アクセス』(2004/1/16)
『吉原暗黒譚』(2004/4)
『春を嫌いになった理由』(2005/1/1)
『疾風ガール』(2005/9/29)
『新装版-ジウI-警視庁特殊犯捜査係』(2005/12)
『ストロベリーナイト』(2006/2/22)
『新装版-ジウII-警視庁特殊急襲部隊』(2006/3)
『新装版-ジウIII-新世界秩序』(2006/8)
『月光』(2006/11/1)
『ソウルケイジ』(2007/3/20)
『武士道シックスティーン』(2007/7/26)
『国境事変』(2007/11/1)
『シンメトリー』(2008/2/21)
『武士道セブンティーン』(2008/7/14)
『ヒトリシズカ』(2008/10/1)
『ガール・ミーツ・ガール』(2009/4)
『武士道エイティーン』(2009/7)
『ハング』(2009/9)
『インビジブルレイン』(2009/11/19)
『主よ、永遠の休息を』(2010/3/20)
『歌舞伎町セブン』(2010/11/1)
『感染遊戯』(2011/3/19)
『レイジ』(2011/7/13)
『ドルチェ』(2011/10)
『あなたの本』(2012/2)
『あなたが愛した記憶』(2012/6/5)
『幸せの条件』(2012/8)
『ブルーマーダー』(2012/11/1)
『ドンナ ビアンカ』(2013/2/1)
『増山超能力師事務所』(2013/7/16)
『Qrosの女』(2013/12/12)
『ケモノの城』(2014/4/18)
『黒い羽』(2014/8/7)
『歌舞伎町ダムド』(2014/9/24)
『インデックス』(2014/11/14)
『武士道ジェネレーション』(2015/7)
『プラージュ』(2015/9/17)
『硝子の太陽N – ノワール』(2016/5/11)
『硝子の太陽R-ルージュ』(2016/5/11)
『増山超能力師大戦争』(2017/6/16)
『ノーマンズランド』(2017/11)
『あの夏、二人のルカ』(2018/4/27)
『ボーダレス』(2018/8)
『歌舞伎町ゲノム』(2019/1/18)
『背中の蜘蛛』(2019/10/16)
『妖の掟』(2020/5/14)
『もう、聞こえない』(2020/8/26)
『オムニバス』(2021/2/23)
フェイクフィクション』(2021/11/5)
アクトレス』(2022/1/18)
妖の絆』(2022/12/13)

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